【死んでも蘇る最強の鬼】大嶽丸とは?その姿・特徴・伝承をやさしく解説!

神話・歴史・伝承

一度倒されても黄泉の国から蘇った鬼がいたことをご存知でしょうか?

三本の宝剣を操り、雷や火の雨を降らせて、平安時代の人々を恐怖に陥れた最強の鬼。

酒呑童子と並んで日本三大妖怪にも数えられる、恐るべき存在でした。

この記事では、鈴鹿山に君臨した復活する鬼神「大嶽丸(おおたけまる)」について詳しくご紹介します。

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概要

大嶽丸は、伊勢国(三重県)の鈴鹿山を拠点とした最強最悪の鬼神です。

平安時代、鈴鹿峠を通る旅人を襲い、都への貢物を奪うなど、悪行の限りを尽くしていました。日本三大妖怪の一つに数えられ、その首は退治された後、宇治の平等院の宝蔵に納められたといわれています。

大嶽丸の基本情報

  • 日本三大妖怪の一つ(酒呑童子、玉藻前と並ぶ)
  • 鈴鹿山の鬼神
  • 三本の宝剣の使い手
  • 一度死んでも復活した
  • 坂上田村麻呂に退治された

「三剣の天狗」とも呼ばれ、その強さは酒呑童子にも匹敵したんです。

姿・見た目

大嶽丸の姿は、まさに巨大で恐ろしい鬼でした。

大嶽丸の外見

  • 身長10丈(約30メートル)
  • 日月のように輝く眼
  • 赤い顔で恐ろしい形相
  • 天地を響かせる大声

巨体だけでなく、その姿は変幻自在でした。

美しい童子や青年に化けることもでき、特に鈴鹿御前という天女に恋をしたときは、さまざまな姿に変身して求愛したといいます。

特徴

大嶽丸には、他の鬼とは一線を画す恐るべき能力がありました。

三本の宝剣

大嶽丸最大の武器は三明の剣と呼ばれる三本の宝剣です。

  • 大通連(だいつうれん)
  • 小通連(しょうつうれん)
  • 顕明連(けんみょうれん)

この剣を一振りするだけで、1000人の首を斬り落とせたといわれています。

神通力

  • 天候操作:暴風雨や雷を自在に操る
  • 火の雨:空から火の粉を降らせる
  • 分身の術:数千もの姿に分身できる
  • 飛行能力:空を自由に飛び回る

伝承

大嶽丸の退治伝説は、坂上田村麻呂という英雄と深く結びついています。

第一の戦い(鈴鹿山)

帝の命を受けた田村麻呂は、3万の軍勢で鈴鹿山へ向かいますが、大嶽丸の神通力で何年も足止めされました。

そこで夢のお告げにより、天女・鈴鹿御前の助力を得ることに。鈴鹿御前は大嶽丸に恋されていることを利用し、「田村麻呂から身を守るため」と偽って、宝剣のうち2本を騙し取ったんです。

宝剣を失った大嶽丸は力が弱まり、田村麻呂の剣によって首を斬られました。

第二の戦い(陸奥国)

三本目の宝剣・顕明連が天竺(インド)にあったため、その霊力で魂が現世に呼び戻され、大嶽丸は復活します。

今度は陸奥国(東北地方)の霧山に城を築いて、再び暴れ始めました。

田村麻呂は再び鈴鹿御前とともに遠征し、留守を狙って城に忍び込む作戦を実行。
不意を突かれた大嶽丸は、今度こそ完全に討ち取られました。

切り落とされた首は天高く舞い上がり、最後の悪あがきで田村麻呂の兜に噛みつきましたが、そのまま絶命したといいます。

まとめ

大嶽丸は、日本の妖怪史上でも最強クラスの鬼神でした。

重要なポイント

  • 鈴鹿山を拠点とした日本三大妖怪の一つ
  • 身長30メートルの巨体と輝く眼
  • 三本の宝剣と神通力を持つ
  • 一度死んでも復活した驚異の生命力
  • 鈴鹿御前の策略で宝剣を奪われた
  • 坂上田村麻呂に二度討伐された

復活までして抵抗した大嶽丸。その執念深さゆえに、当時の人々は遺骸を厳重に封印する必要があったのでしょう。

平等院の宝蔵に納められた首は、今も封印されているのかもしれませんね。

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