夜の山道で、痩せ細った女性から「すみません」と声をかけられたら、あなたはどうしますか?
もし、その女性が赤ん坊を抱いていて、「少しの間だけ抱いていてください」と頼んできたら…絶対に受け取ってはいけません。
それは、人間の世界に戻ろうとする恐ろしい怪異かもしれないのです。
この記事では、学校の怪談として語り継がれる「オバリョ山の怪女」について、その恐怖の実態と伝承の背景を詳しく解説します。
概要

オバリョ山の怪女(おばりょやまのかいじょ)は、ある高校に伝わる学校怪談の一つです。
学校の裏山である「オバリョ山」を舞台に、赤ん坊を抱いた不気味な女性が現れるという話として知られています。この怪異は、常光徹著『学校の怪談6』に収録されており、現代の都市伝説として広まったものなんです。
単なる怖い話というだけでなく、日本の伝統的な妖怪「産女(うぶめ)」との共通点も見られる興味深い怪異です。犠牲者と加害者が入れ替わるという、ぞっとする展開が特徴的で、一度この山で怪異に遭遇すると、自分自身が次の怪異になってしまうという恐ろしい連鎖が描かれています。
伝承
オバリョ山の怪女にまつわる話は、次のような恐怖の物語として伝えられています。
女性教師の失踪事件
ある高校に勤めていた女性教師が、夜になってから学校の裏にある「オバリョ山」へと向かいました。
山の頂上付近を歩いていると、後ろから「すみません」という、か細い女の声が聞こえてきたんです。振り返ってみると、そこには痩せ細った女性が立っていました。しかも、その女性は赤ん坊を抱いていたのです。
恐怖の依頼
その痩せた女性は、こう頼んできました。
「少しの間だけ、この赤ん坊を抱いていてもらえませんか?」
親切な女性教師は、困っている様子の女性を助けようと思い、「いいですよ」と赤ん坊を受け取ってしまいました。
すると、その瞬間、女性の表情が一変したんです。
衝撃の真実
赤ん坊を渡した女性は、薄ら笑いを浮かべながら、恐ろしい言葉を残しました。
「これでやっと人間の世界に戻れるわ」
そう言い残すと、女性は暗い森の中へと消えていってしまったのです。
永遠の呪縛
その夜以降、女性教師は学校に戻ることはありませんでした。行方不明になってしまったんですね。
そして、それからというもの、オバリョ山では新たな怪異が目撃されるようになりました。赤ん坊を抱いた、行方不明になった教師によく似た女性が現れるようになったというのです。
つまり、赤ん坊を受け取った教師自身が、次の怪異となってしまったということ。今度は彼女が、新たな犠牲者を探して山をさまよっているのかもしれません。
伝承の背景と類似の妖怪
この怪談には、日本の伝統的な妖怪との共通点があります。
オバリョという名前の由来
- 「オバリョー」という言葉は、おんぶをせがむ妖怪を連想させる
- 地域によっては、背負わせる系の妖怪伝承と関連がある可能性
産女(うぶめ)との類似性
- 赤ん坊を抱かせようとする行動は、産女という妖怪と共通
- 産女は、出産時や産後に亡くなった女性の霊とされる
- 通りすがりの人に赤ん坊を抱かせて成仏しようとする
このように、現代の学校怪談でありながら、日本の伝統的な妖怪譚の要素を含んでいるところが、この話の奥深さなんですね。
まとめ
オバリョ山の怪女は、現代に語り継がれる恐ろしい学校怪談です。
重要なポイント
- 学校の裏山「オバリョ山」に現れる赤ん坊を抱いた怪女
- 赤ん坊を預けることで人間界に戻ろうとする恐怖の存在
- 犠牲者が次の怪異になるという連鎖構造
- 日本の伝統妖怪「産女」との共通点がある
- 常光徹著『学校の怪談6』に収録された現代の都市伝説
もし夜の山道で、赤ん坊を抱いた女性に出会っても、決して赤ん坊を受け取ってはいけません。その優しさが、あなたを永遠の呪縛に閉じ込めてしまうかもしれないのですから。


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