「ニギハヤヒ」という名前、聞いたことはあるけどピンとこない方、多いかもしれません。実はこの神さま、日本神話のカギを握る存在の一人なんです。
「天孫降臨」っていう有名な神話に出てくるけど、あまり語られない…。でも、実は裏設定のような存在で、とてもおもしろい人物(神)なんです!
今回はそんなニギハヤヒについて解説します。
ニギハヤヒとは?

ニギハヤヒは、『神武東征』に登場する神。
名前の意味
「ニギハヤヒ(ニギハヤヒノミコト)」という名前には、古代らしい意味が詰まっています。
部分 | 意味 |
---|---|
ニギ | 「にぎやか」「豊か」などの意味をもつ |
ハヤ | 「速い」「早い」を意味する |
ヒ | 太陽、または神をあらわす |
つまり、「豊かさと速さをもった神」とか、「迅速に行動し豊穣をもたらす神」といった意味があるとされます。
系譜:天照大神の血をひくもう一人の「天孫」?

ニギハヤヒは、アマテラス(天照大神)と関係が深い神族の一人です。
- アマテラス(祖母):太陽の神、日本神話の最高神
- アメノホヒ(父):アマテラスの子。
- ニニギ:兄弟。
実は… ニギハヤヒは「もう一人の天孫」とも言える存在です。
また、彼は、トミヤスビメ(登美夜毘売)とアメノミチヒメ(天道日女命)を妻にしている。
天孫降臨で有名な「ニニギノミコト」よりも先に地上に降りていたという説もあるんです!
次は、そんなニギハヤヒの神格について見ていきましょう。
神格
ニギハヤヒには、次の神格があります。
- 太陽
- 穀物
彼は、アマテラスの性質を受け継いでいる。
神話:ニギハヤヒの知られざるストーリー

ニギハヤヒの登場する神話は、『古事記』や『日本書紀』に一部だけ登場します。
でも、その存在感はかなり独特です。
- アマテラスから十種神宝を授かり、ニニギよりも先にヤマトの地に降り立った
- ヤマト地方の豪族ナガスネヒコの妹トミヤスビメと結婚し、彼女との間にウマシマヂを生んだ
- 「物部氏(もののべし)」という祭祀を司る氏族の祖神となる
- 神武天皇の東征時、ヤマトにいて彼を受け入れ、協力した
神社とご利益

ニギハヤヒは、次の神社で祀られている。
- 石切劔箭神社(大阪府)
- 物部神社(島根県)
- 高倉神社(三重県)
所願成就や病気治癒のご利益がある。
番外編:ニギハヤヒと物部氏の関係
ここはちょっとマニアックですが、外せない話。
ニギハヤヒは、物部氏(もののべし)という古代の豪族の祖神(おやがみ)とされます。
- 物部氏は、朝廷の軍事を担っていた家系
- 仏教導入に反対し、中臣鎌足(のちの藤原氏)らと対立
- 蘇我氏と物部氏の争いで物部氏が敗れた後も、その神聖さは失われなかった
物部氏は「十種神宝」という神器を持っていたとされ、これはニギハヤヒの子ウマシマヂから受け継いだものという伝承もあります。
まとめ
最後に、今日のおさらいをしておきましょう!
ニギハヤヒとは…
- 名前の意味は「豊かさと速さをもった神」とか、「迅速に行動し豊穣をもたらす神」
- 天照大神の血を引く、もう一人の天孫
- ニニギとは別ルートで地上に降りた
- 神武天皇に協力してヤマトを平定
- 物部神社などにまつられ、所願成就や病気治癒のご利益がある
ニギハヤヒは、表に出ないけど超重要な神。
日本神話には、教科書では語られない「もう一つの物語」が隠されています。
ニギハヤヒのように、知れば知るほど奥深く面白い神さまがたくさんいるんです。
皆さんも神社参拝の際には、ちょっと隠れた存在にも目を向けてみてくださいね!
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