ある墓地に建てられた少女のブロンズ像が、深夜になると手を振るという噂がある。「マリちゃんの像」と呼ばれるこの都市伝説は、像を目撃した人に不幸が訪れるという恐ろしい言い伝えとともに語り継がれている。
この記事では、マリちゃんの像にまつわる噂や目撃談について紹介する。
マリちゃんの像とは
マリちゃんの像は、墓地に建てられた少女のブロンズ像だと言われている。
像の特徴として伝えられているのは、左手にまり(手毬)を持ち、右手を上げているという姿だ。また、像の足元にはウサギの像も一緒に置かれているとされている。少女がまりを持っていることから「マリちゃん」という愛称で呼ばれるようになったのだろう。
墓地に建てられた少女の像という設定は、幼くして亡くなった子どもを悼んで建立されたものを連想させる。日本の墓地には、故人を偲ぶ像や石碑が建てられることは珍しくない。そうした背景が、この都市伝説の不気味さを際立たせているのかもしれない。
深夜に手を振る像
この都市伝説の核心は、マリちゃんの像が深夜になると手を振るという噂だ。
ただし、手の振り方によって意味が異なるとされている。像が手を横に振っている場合は何も起こらないが、手招きをするような動作で振った場合は注意が必要だという。手招きを目撃した人は、墓地からの帰り道に交通事故に遭うなど、悪いことが起きるという言い伝えがある。
「見た者に不幸が訪れる」というモチーフは、日本の怪談や都市伝説において定番のパターンだ。特に墓地という場所が持つ死のイメージと、本来動くはずのない像が動くという不条理な恐怖が組み合わさることで、この噂は人々の間で語り継がれてきたのだろう。
さまざまな目撃談
マリちゃんの像には、手を振る以外にもさまざまな噂が存在する。いずれも真偽のほどは定かではないが、複数の目撃談として伝えられている。
雨の日にまりをついて遊ぶマリちゃん
雨の日に墓地を訪れると、マリちゃんがまりをついて遊んでいたという目撃談がある。左手に持っているまりを地面について遊ぶ姿は、まるで生きている少女のようだったという。
雨の日という条件が付くのは興味深い点だ。雨は日本の怪談において、異界との境界が曖昧になる象徴として扱われることが多い。雨音が周囲の音をかき消し、視界も悪くなることで、普段は見えないものが見えるようになるという発想なのかもしれない。
子どもの霊と遊ぶマリちゃん
墓地に眠る子どもたちの霊が集まってきて、マリちゃんと一緒に遊んでいたという話もある。マリちゃんの像が、亡くなった子どもたちの遊び相手になっているというのだ。
この噂には、恐ろしさの中にどこか切なさも感じられる。幼くして命を落とした子どもたちが、寂しくないようにマリちゃんが傍にいるという解釈もできるだろう。怖い話でありながら、どこか救いのある物語として語られることもあるようだ。
墓地を駆け回るウサギ
マリちゃんの足元にいるウサギの像が、夜になると墓地の中を駆け回っていたという目撃談もある。ウサギはマリちゃんのペットのような存在なのかもしれない。
像だけでなくウサギまで動くという設定は、物語の世界観を広げている。マリちゃんとウサギがセットで語られることで、より印象的な都市伝説になっているのだろう。
追いかけてくるマリちゃん
最も恐ろしい噂として、墓地の前の道路を通るとマリちゃんが追いかけてくるというものがある。本来その場を動くことのない像が、墓地を離れてまで追跡してくるという展開は、逃げ場のない恐怖を感じさせる。
「追いかけてくる」というモチーフは、口裂け女やテケテケなど、日本の都市伝説では定番のパターンだ。逃げても逃げても追ってくるという設定は、子どもたちの間で特に恐れられる要素となっている。
像が動く都市伝説の背景
マリちゃんの像のような「動く像」にまつわる都市伝説は、日本各地に存在する。学校の銅像や人体模型が夜中に動くという噂は、多くの人が一度は耳にしたことがあるだろう。
こうした都市伝説が生まれる背景には、人形や像に魂が宿るという日本古来の信仰がある。付喪神(つくもがみ)の概念に代表されるように、長い年月を経たものには霊が宿ると考えられてきた。特に人の形をしたものは、その傾向が強いとされている。
また、墓地という場所が持つ特殊性も重要だ。墓地は生者と死者の世界が交わる場所として認識されており、そこにある像が動くという噂は、異界との接点を象徴しているとも解釈できる。
まとめ
マリちゃんの像は、墓地に建てられた少女のブロンズ像が深夜に動くという都市伝説だ。手招きをするように手を振ると不幸が訪れるという噂のほか、雨の日にまりをついて遊ぶ姿や、子どもの霊と遊ぶ姿、ウサギが駆け回る様子など、さまざまな目撃談が伝えられている。
都市伝説は口承で広まる性質上、語り手によって細部が変化していくものだ。マリちゃんの像の噂も、地域や時代によって異なるバリエーションが存在する可能性がある。真偽のほどは定かではないが、こうした物語が人々の間で語り継がれていること自体が、都市伝説という文化の面白さと言えるだろう。


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