ペルーの山岳地帯にそびえる世界遺産マチュピチュ。この「空中都市」の美しさに、世界中の観光客が魅了されています。
しかし、クトゥルフ神話の世界では、この遺跡の近くにもう一つのマチュピチュが存在するんです。それは太陽の光が届かない地下深く、邪神を崇拝する信者たちの恐ろしい拠点でした。
この記事では、実在の遺跡とはまったく異なる、クトゥルフ神話における地下のマチュピチュについて詳しくご紹介します。
概要

クトゥルフ神話に登場するマチュピチュは、実在する古代インカ帝国の遺跡とは別の場所にある地下の神殿都市です。
1911年に発見された世界遺産のマチュピチュは標高2000メートルを超える山の尾根に位置していますが、神話のマチュピチュはその近くの地下深くに隠された洞窟の中にあります。
この場所は、クトゥルフという邪神を崇拝する信者たちの重要な拠点の一つでした。世界には確認されているだけで8ヶ所の拠点が存在し、マチュピチュはその中でも特に重要な聖地とされています。
場所と構造
実在の遺跡との違い
実際のマチュピチュと神話のマチュピチュには、決定的な違いがあります。
比較ポイント
- 実在のマチュピチュ:標高2000m超の山の尾根、太陽の光が降り注ぐ空中都市
- 神話のマチュピチュ:地下深くの洞窟、暗闇に包まれた地下神殿
興味深いのは、どちらも「隠れた場所」という共通点があることなんです。実在の遺跡は山裾からは見えない高さにあり、神話の神殿は地下深くに秘匿されています。
入口への道
地下マチュピチュへ入るには、危険な道のりを進む必要があります。
- 山頂の古代遺跡を横目に絶壁を登る
- 峡谷の岩場に隠された洞窟の入口を見つける
- 石段を地下深くへと下っていく
入口は簡単には見つからず、知る者だけがたどり着ける秘密の場所でした。
地下空間の広がり
石段を下りきると、そこには数千人を収容できる巨大な地下空洞が広がっています。
この空間は、インカ帝国で崇拝されたパチャカマックやヴィラコチャなどの神々よりも、はるかに古い超自然的な存在を祀るために作られたものなんです。
神殿と湖
緑色に輝く塩水湖
地下空洞の中心には、緑色の光を放つ不気味な湖が広がっています。
この湖には普通の淡水ではなく、海の水と同じ塩水が満たされているんです。なぜ山の中の地下に海水があるのか?その答えは、湖の底に隠されています。
太平洋への秘密の通路
湖の底には開口部があり、そこから太平洋へと続く長いトンネルが伸びているんです。
水の流れ
- 湖底の開口部から地下トンネルへ
- 長い通路を経て太平洋に到達
- フンボルト海流と合流
- 最終的には海底都市ルルイエへ
つまり、この湖は太平洋の影響を直接受けており、クトゥルフが眠る海底都市ルルイエと繋がっているというわけです。
原住民と信仰

深きものども
この地下神殿には、半魚人のような姿をした原住民が住んでいました。
彼らは「深きものども」と呼ばれる存在で、人間と魚類の特徴を併せ持つ異形の生き物たちなんです。緑色の光を放つ湖の近くで生活し、邪神クトゥルフに仕える役割を担っていました。
クトゥルフ崇拝の儀式
原住民たちは湖で恐ろしい儀式を行っていたとされています。
儀式の内容
- 生贄を湖に捧げる
- 貢ぎ物を水中に沈める
- クトゥルフへの祈りを捧げる
これらの儀式は、太平洋の底で眠るクトゥルフに届くよう、湖底のトンネルを通じて行われていたんです。
世界中の拠点ネットワーク
マチュピチュは孤立した拠点ではありませんでした。
他の主要拠点
- ポナペ島を中心とする海域(太平洋)
- インスマスの沖合を中心とする海域(大西洋)
- クウェートの砂漠地帯
- その他、確認されているだけで計8ヶ所
これらの拠点は、世界規模でクトゥルフ信仰を広めるネットワークとして機能していたようです。
発見と破壊の歴史
シュリュズベリィ博士の調査
地下マチュピチュの存在を学術的に初めて指摘したのは、ミスカトニック大学のラバン・シュリュズベリィ博士です。
1937年、船員のフェルナンデスという男性が、マチュピチュ近くで地下都市への入口を偶然目撃しました。1938年6月、シュリュズベリィ博士はフェルナンデスから聞き取り調査を行い、地下神殿の存在を確認したんです。
しかし悲劇が起こります。フェルナンデスは調査後まもなく、インスマスの町で死体となって発見されてしまいました。
神殿の破壊
シュリュズベリィ博士は、人類への脅威と判断し、大胆な行動に出ます。
博士の行動
- 神殿への入口を破壊
- そこにいた200人以上のクトゥルフ信者たちを皆殺しに
- 拠点としての機能を停止させる
かなり過激な方法ですが、博士は邪教の拡大を防ぐため、これが必要だと考えたようです。
クレイボーン・ボイドの調査
1940年代、クレイボーン・ボイドという研究者が、大叔父アサフ・ギルマンの遺志を継いで、さらなる調査を行いました。
リマ大学のヴィベルト・アンドロス教授と協力し、クトゥルフの司祭であるアンドラダという人物を追跡したんです。しかし驚くべきことに、本物のアンドラダは既に殺されており、「深きものども」が成り代わっていたことが判明します。
ボイドは偽アンドラダを殺害し、最終的にダイナマイトで神殿を完全に破壊しました。これにより、地下マチュピチュは機能を失ったとされています。
まとめ
クトゥルフ神話のマチュピチュは、実在の美しい遺跡の陰に隠された恐怖の地下世界でした。
重要なポイント
- 実在の山上遺跡とは別の、地下深くに存在する神殿都市
- 緑色に輝く塩水湖があり、太平洋と繋がっている
- 半魚人の原住民「深きものども」が住んでいた
- クトゥルフ崇拝の重要な拠点の一つ(世界に8ヶ所)
- 1938年に発見され、最終的には破壊された
- 実在の遺跡も神話の神殿も、どちらも「隠された場所」という共通点がある
実在のマチュピチュは太陽の光を浴びる「空中都市」、神話のマチュピチュは暗闇に包まれた「地下都市」。対極にありながら、どちらも隠れた聖地だったという点が興味深いですね。もし実際のマチュピチュを訪れる機会があれば、地下深くに眠る神話の世界にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


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