はじめに:ククノチノカミってどんな神さま?
「ククノチノカミ(久久能智神)」は、日本神話に出てくる**”木(き)”の神様**です。
樹木、自然、建築用木材の神として、今も神社や山林でひそかに信仰され続けています。
実はこの神様、「山の神」「土の神」「野の神」と並んで、日本の自然神の中でも特に重要な一柱なんですよ。
名前の意味:「くく=木の〇〇」

「ククノチノカミ」は、漢字で書くと「久久能智神」。
古語的な言葉ですが、こんなふうに意味がこめられています。
語句 | 意味 |
---|---|
クク(久久) | 木の茎。幹の立ち伸びる様。 |
チ(智) | 男性の美称 |
つまり… 「樹木の神さま」を表しているんです。
系譜:イザナギとイザナミの子ども
ククノチノカミは、『古事記』『日本書紀』にしっかり登場しています。
- 父神:イザナギノミコト
- 母神:イザナミノミコト
- 兄弟神:
- オオヤマツミ(大山津見神)=山の神
- カヤノヒメ(草の神)
- ハヤアキツヒメ(早秋津比売神)=秋の神
- ワクムスビ(若産巣日神)=食物の神
- シナツヒコ(風の神)
自然の神霊たちは、みんな兄弟だったんですね。
そんな神霊たちの中でククノチノカミは、樹木を担当していました。
神格

ククノチノカミの神格は樹木で、すべての樹木を司ります。
昔から「神は木に宿る」という考え方が日本にはあります。
ククノチノカミは、その”宿る神”そのものの象徴でもあるんです。
神話での登場:自然神たちの誕生
『古事記』では、イザナギとイザナミが多くの神を生み出す中で、ククノチノカミは木の神として誕生します。
次に木の神、名は久々能智神を生みたまひ
これは国生み・神生み神話の中で、自然の神々が誕生する場面に登場します:
神社と信仰:どこにまつられているの?

ククノチノカミを単独でまつる神社は少ないですが、以下のような場所にまつられています。
- 公智神社(兵庫県)
- 樽前山神社(北海道)
ご利益
以下は、ククノチノカミのご利益をピックアップしたもの。
- 国土開発
- 山林業守護
この2つが主な神徳。
まとめ:ククノチノカミは”木の祖神”
最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう!
- 名前の意味は「木の男神」を表している
- イザナギとイザナミの子として生まれた自然神
- 山・草・風の神と兄弟神
- 林業・建築・森林保護などに関係する神様
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