夜の踏切で、カンカンという警報音とともに、何かが猛スピードで走ってくる気配を感じたことはありませんか?
それは電車ではなく、自分の首を探し求める幽霊かもしれません。
学校の怪談として語り継がれる「首探し」は、悲劇的な事故から生まれた、切ない恐怖の物語なんです。
この記事では、踏切に現れる首なし幽霊「首探し」について、その恐ろしくも悲しい伝承を詳しくご紹介します。
首探しってどんな妖怪なの?

首探し(くびさがし)は、踏切や線路に現れる首のない幽霊です。
学校の怪談として全国各地で語られ、特に中学生や高校生の間で恐れられてきました。元は人間だった存在が、電車事故という悲劇的な最期を遂げたことで怪異となってしまった、現代的な妖怪といえるでしょう。
姿・見た目
首探しの姿は、とにかく不気味で恐ろしいものです。
首探しの外見的特徴
- 首がない人影:頭部が完全に欠損している
- 学生服を着用:多くの場合、中学生の制服姿
- 異常な速さ:短距離走の選手だった生前の能力を保持
- 暗闇に浮かぶシルエット:夜の踏切でぼんやりと見える
首から上が完全になくなっているにも関わらず、まるで何かを探すように動き回る姿は、目撃者を震え上がらせます。
特徴
首探しには、他の妖怪とは異なる独特な行動パターンがあります。
首探しの主な特徴
- 毎夜現れる:事故が起きた踏切周辺に定期的に出没
- 超高速で追いかける:線路上を歩く人を猛スピードで追跡
- 一定の距離を保つ:追いつきそうで追いつかない絶妙な間合い
- 踏切付近に執着:事故現場から離れることができない
この幽霊の行動には二つの解釈があるんです。一つは、線路を歩く人を電車事故から守ろうとしているという説。もう一つは、自分と同じ運命をたどらせて、その首を奪おうとしているという恐ろしい説です。
伝承

首探しの伝承は、現代の学校の怪談として語り継がれています。
基本的な物語
ある中学校に、陸上部の短距離走選手として活躍する生徒がいました。
その生徒は毎日、学校近くのローカル線の踏切を通って通学していたんです。しかし、ある日の朝、いつものように踏切を渡ろうとした時、悲劇が起きてしまいます。
電車に轢かれてしまった生徒の体は、その衝撃で切断され、特に首が遠くまで飛ばされてしまったといいます。捜索が行われましたが、結局、首は見つかることはありませんでした。
事故後の怪異
それ以来、その踏切では奇妙な現象が起きるようになります。
目撃される怪異現象
- 夜中に首のない人影が踏切付近をうろつく
- 線路上を歩いていると、後ろから追いかけてくる
- どんなに離れていても、瞬時に距離を詰めてくる
- 踏切の警報音とともに姿を現す
特に恐ろしいのは、その追いかけてくる速度です。生前、短距離走の選手だったという設定が、この怪談をより恐ろしくしているんですね。
バリエーション
首探しの伝承には、地域によって様々なバリエーションが存在します。
常光徹著『学校の怪談A』では、公園の林で自分の首を探している首のない男の話が紹介されています。この場合、踏切ではなく公園が舞台となっているんです。
また、不思議な世界を考える会編『怪異百物語9』にも類似の話が収録されており、全国的に広まっている怪談であることが分かります。
まとめ
首探しは、現代社会の悲劇から生まれた、切なくも恐ろしい妖怪です。
重要なポイント
- 踏切での電車事故で首を失った中学生の幽霊
- 短距離走の選手だった生前の能力で高速追跡
- 自分の失った首を探して毎夜さまよっている
- 線路上の人を守っているのか、襲おうとしているのか不明
- 学校の怪談として全国的に語り継がれている
踏切を通る時、もし後ろから何かが追いかけてくる気配を感じたら、それは首探しかもしれません。振り返らずに、速やかにその場を離れることをおすすめします。


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