この記事では、出雲神話に登場する重要な神・コトシロヌシについて解説します。
えびす神との関連も含め、その特徴と神話での役割を見ていきましょう。
コトシロヌシとは

コトシロヌシは日本神話に登場する託宣の神です。
漢字では事代主神と表記され、八重言代主神(ヤエコトシロヌシ)や八重事代主神とも呼ばれています。
系譜
- オオクニヌシの息子
- タケミナカタの兄
神格
コトシロヌシには、次のような神格があります:
- 託宣の神:神託を伝える役割
- 海の神:海から現れる神としての性格
- 商業・福の神:福をもたらす神として信仰
特に、海からやってきた神という特性から、えびす神と同一視されることも多くあります。
神話におけるコトシロヌシ

コトシロヌシは『オオクニヌシの国譲り』神話において重要な役割を果たします。
タケミカヅチの降臨
アマテラスが地上の国を治めるため、使者を送りました:
- 最初の2人の使者は国譲りの任務に失敗
- 次にタケミカヅチが地上に降り立つ
- タケミカヅチは十握剣を地面に突き立て、あぐらをかいてオオクニヌシに国を譲るよう要求
- オオクニヌシは自分の息子たちに判断を任せることに
コトシロヌシの承諾
タケミカヅチがコトシロヌシに国譲りについて尋ねると:
- 釣りをしていたコトシロヌシは国譲りをあっさり承諾
- その後、コトシロヌシは海の中にひっそりと隠れたとされる
この釣りをしている姿が、後のえびす神の姿(釣竿を持つ姿)に影響したとも考えられています。
コトシロヌシを祀る神社

コトシロヌシは、以下のような神社に祀られています:
- 美保神社(島根県):コトシロヌシの総本社
- 事代主神社(各地)
- 今宮戎神社(大阪)
- その他、全国各地のえびす神社
ご利益
- 商売繁盛
- 開運招福
- 海上安全
- 厄除け
まとめ
コトシロヌシは、国譲り神話に登場する託宣の神です。オオクニヌシの息子であり、釣りを好む神として描かれています。えびす神と同一視されることも多く、海や商業の神格を持つことから、現在も商売繁盛や開運の神として広く信仰されています。
特に七福神の一柱「えびす」としての姿は、このコトシロヌシの性格や特徴を色濃く反映していると言えるでしょう。
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