夜道を歩いていて、岩の方から「コソコソ」という音が聞こえてきたら、あなたはどう感じますか?
岡山県に伝わる「こそこそ岩」は、まさにそんな不思議な音を立てる怪石として、昔から地元の人々に恐れられてきました。
石が音を立てるなんて信じられないかもしれませんが、日本各地には似たような「物音岩」の伝承が残っているんです。
この記事では、夜になると謎の音を立てる怪石「こそこそ岩」について、その特徴と興味深い伝承を分かりやすくご紹介します。
こそこそ岩ってどんな怪石なの?

こそこそ岩は、岡山県の御津郡円城村(現在の加賀郡吉備中央町)に伝わる不思議な岩なんです。
直径約1メートル50センチ(五尺)ほどの大きさで、見た目はごく普通の岩。でも、夜になると様子が一変します。
こそこそ岩の特徴
主な特徴
- 夜中にそばを通ると「コソコソ」という物音がする
 - 時には「コソコソ」と何かが話し合うような声も聞こえる
 - 昼間は何の変哲もない普通の岩
 - 石の精が宿っていると信じられていた
 
地元の人々は、この岩には石の精霊が宿っていて、夜になると活動を始めるのだと考えていました。
誰かが近づくと、精霊がむっとして物音を立てるとも言われています。
伝承

岡山に伝わる言い伝え
備前の御津郡円城村では、こそこそ岩は夜道を歩く人々にとって恐怖の対象でした。
村人たちの間では、こんな話が語り継がれています。
夜遅くにこの岩のそばを通ると、まるで誰かがひそひそ話をしているような「コソコソ」という音が聞こえてくる。最初は風の音かと思うけれど、風のない静かな夜でも音は聞こえるんです。
勇気のある者が近づいてよく聞いてみると、それは確かに岩から発せられている音だったそうです。
全国に広がる物音岩の伝承
実は、こそこそ岩のような「音を出す岩」の話は、日本全国に存在するんです。
新潟県の「物岩」
新潟県西頸城郡(現在の糸魚川市)には「物岩」という大きな岩があります。
ある時、山岸七兵衛という男が恨みを買って殺されそうになりました。その時、岩の方から「今度行きゃ殺されるぞ」という声が聞こえて、おかげで命拾いをしたという話が残っています。
この物岩は、危険を知らせてくれる優しい存在だったんですね。
奈良県の「こしこと地蔵」
奈良県の松山(現在の高市郡明日香村)には、似たような音にまつわる話があります。
昔、処刑場だった場所から「コトコト」という音が聞こえるようになり、村人たちは亡霊を弔うために地蔵堂を建てました。
その地蔵は「こしこと地蔵」と呼ばれるようになったそうです。
音の正体は何だったのか
こそこそ岩の音の正体については、いくつかの説があります。
考えられる原因
- 石の精霊や妖怪によるもの
 - 人の霊が岩に宿ったもの
 - 岩の内部構造による自然現象
 - 風や温度変化による物理的な音
 
科学的に考えると、岩の内部に空洞があって、温度変化や風によって音が出る可能性もあります。
でも、昔の人々にとっては、それは確かに精霊の仕業だったのでしょう。
まとめ
こそこそ岩は、岡山県に伝わる夜に不思議な音を立てる怪石です。
重要なポイント
- 岡山県御津郡円城村(現・吉備中央町)に伝わる怪石
 - 直径約1.5メートルの普通に見える岩
 - 夜になると「コソコソ」という謎の音を立てる
 - 石の精霊が宿っていると信じられていた
 - 日本各地に似たような「物音岩」の伝承が存在する
 - 科学では説明できない不思議な現象として語り継がれている
 
現代では、こそこそ岩の正確な場所は分からなくなってしまいました。
でも、もし夜道で岩から妙な音が聞こえてきたら…それはもしかしたら、石の精霊があなたに何かを伝えようとしているのかもしれませんね。
  
  
  
  
              
              
              
              
              

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