夜中にふと「キジマさん」という名前を聞いたことはありませんか?
この名前を聞いただけで、背筋がゾクっとする人もいるかもしれません。
全身を包帯でぐるぐる巻きにされた姿で現れるという、日本の都市伝説の中でも特に恐ろしい存在として語り継がれているんです。
この記事では、現代の怪談として広まった「キジマさん」について、その恐怖の正体と伝承を詳しくご紹介します。
概要

キジマさんは、話を聞いた人の前に現れるという、現代日本の代表的な都市伝説の一つです。
ひき逃げ事故で亡くなった人物が、全身包帯姿の霊となって現れるという怪談として知られています。特徴的なのは、この話を聞いただけで本人が現れるという「呪い」のような要素があることなんですね。
キジマさんの基本情報
- 正体:ひき逃げ事故の被害者の霊
- 見た目:全身包帯でぐるぐる巻き、片目だけが見える状態
- 目的:自分を殺した犯人を探している
- 出現条件:キジマさんの話を聞くと現れる
この怪談の恐ろしいところは、作り話だったはずなのに実際に現れるようになったという点です。つまり、噂が現実になってしまったという、都市伝説の中でも特殊なパターンなんです。
似たような怪談に「カシマさん」という話もあって、こちらは列車事故で両足を失った少女の霊が現れるというもの。どちらも身体の一部を失った霊が登場するという共通点があります。
伝承

キジマさんの話には、恐ろしい展開が待っています。
事故から始まる悲劇
ある日、キジマさんという人物がひき逃げ事故に遭いました。友人たちが急いで病院に駆けつけると、そこにいたのは想像を絶する姿だったんです。
キジマさんの状態
- 両手両足を失っている
- 全身が包帯でぐるぐる巻き
- 顔は片目だけが見える状態
こんな無残な姿になっても、キジマさんは友人たちに「犯人を探し出してくれ」と必死に頼みました。友人たちは「必ず見つける」と約束しましたが、キジマさんはその数日後に息を引き取ってしまいます。
一周忌の恐怖
キジマさんが亡くなってから一年後、友人たちは墓前で供養をしていました。すると突然、あの全身包帯姿のキジマさんが現れたんです。
そして恐ろしいことに、友人の一人を指差して「俺を殺したのはお前だ!」と叫び、包帯の中から手を出して首を絞めようとしました。友人が必死に謝ると、キジマさんは「違う」と言って消えていきました。
つまり、キジマさんは自分で犯人を探し続けているということなんです。
不思議な共通点
この話で最も不気味なのは、キジマさんの話を聞いた人に起こる奇妙な現象です。
キジマさんが現れた時、「出ていた目は右目?左目?」と尋ねられます。すると恐ろしいことに、全員が必ず「左目」と答えるというんです。
実際には話を聞いただけなのに、なぜか全員が同じ答えをしてしまう。この不可解な一致が、キジマさんの話をより恐ろしくしています。
現実との境界線
もともとキジマさんの話は作り話として広まったものでした。しかし、その話を聞いた若者たちの前に、本当に全身包帯の霊が現れるようになったというんです。
噂話が現実になるという、都市伝説の中でも珍しいケースなんですね。作り話のはずだったものが、いつの間にか実在の事件と結びつけられ、様々な対処法まで語られるようになりました。
地域による違い
キジマさんの話は地域によって少し違いがあります。
関西地方の版(1998年頃)
- 富山県高岡市の踏切事故が舞台
- 手足がバラバラになった状態
- 「右手はどこだ」「足をちょうだい」と迫る
カシマさん系の話
- 愛媛県松山市が舞台
- 列車の踏切事故で両足切断
- 同じく「左目」と答えるパターンが多い
これらの違いはあっても、身体の一部を失った霊が現れるという核心部分は共通しているんです。
まとめ
キジマさんは、現代日本の都市伝説の中でも特に恐ろしい存在として語り継がれています。
重要なポイント
- ひき逃げ事故の被害者が全身包帯姿の霊となって現れる
- 話を聞いただけで本人が現れるという呪い的要素がある
- 犯人を探し続けており、友人たちの前に現れる
- 「左目」という答えが全員共通という不可解な現象
- 作り話が現実化したという特殊な都市伝説
キジマさんの話は、単なる怪談を超えて、人々の罪悪感や恐怖心を映し出す鏡のような存在なのかもしれません。もし今夜、全身包帯の人影を見かけたら…それはキジマさんかもしれませんね。


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