はじめに:キビツヒコノミコトって誰?
「キビツヒコノミコト(吉備津彦命)」は、日本神話や古代の伝承に登場する英雄です。
なかでも有名なのが――
桃太郎のモデルになったと言われている人物!
岡山県を中心に語られるキビツヒコの伝説は、「鬼退治」や「兄弟との対決」など、日本人なら誰もが知っている物語と深くつながっているんです!
系譜:皇族の出身!れっきとしたプリンス

キビツヒコノミコトは、皇室の血を引く高貴な人物とされています。
- 父:孝霊天皇(こうれいてんのう)
- 兄弟:ヤマトトトヒモモソヒメ、ヤマトトビハヤワカヤヒなど
彼は、天皇家の王子として「西国(さいごく)の平定」を命じられた四道将軍。
『古事記』や『日本書紀』には、キビツヒコが朝廷から吉備地方に派遣されて統治したという記録が残っています。
現代の歴史学では、4世紀頃の吉備地方の有力豪族が神話化された可能性も指摘されています。
神格:鬼退治の英雄として神に
キビツヒコノミコトは、岡山を中心に「鬼を退治した神」「軍神」としてまつられています。
地方に派遣され鬼退治によって平定した英雄として、神社で信仰されるようになりました。
神話・伝承:「鬼退治」ってどんな話?
ここからは、キビツヒコ最大の見せ場、鬼退治伝説を紹介します!
ストーリーの流れ(桃太郎の原型)

- 古代、吉備の国に「温羅(うら)」という鬼のような者が現れ、人々を苦しめていた
- 朝廷は、皇子であるキビツヒコに討伐を命じる
- キビツヒコは弓の達人で温羅を追い詰める
- 温羅は逃げ回るが、キビツヒコは追跡
- 温羅が雉に変身すると、キビツヒコも鷹に変身して追いかける
- 温羅が鯉に変身すると、キビツヒコは鵜に変身し彼を捉える
- 温羅は降参し、討ち取られる
実はこの話が「桃太郎伝説」の原型とも言われています!
伝説の舞台と遺跡

キビツヒコと温羅の戦いは、今も岡山県内の様々な地名や遺跡に残っています:
- 鬼ノ城(鬼城山):温羅が砦を構えた山
- 矢喰宮:戦いの最中に矢と岩が落ちた場所
- 白山神社:討ち取られた温羅の首を埋めた場所
神社とご利益:キビツヒコに会える場所

キビツヒコノミコトは、岡山県を中心にたくさんの神社にまつられています。
なかでも有名なのがこちら!
- 吉備津神社(きびつじんじゃ)|岡山県
- 吉備津彦神社(きびつひこじんじゃ)|岡山県
他にもいくつかの神社で祀られている。
また、彼には以下のご利益がある。
- 殖産興業
- 延命長寿
- 家内安全
- 厄除け
番外編:桃太郎=キビツヒコノミコトって本当?
昔話「桃太郎」とキビツヒコノミコトは、次のような点で関連性があります。
- 名前にキビがある(黍団子と関連している?)
- 鬼退治の伝説
- 3人の家来がいる
→犬飼健命(いぬかいたけるのみこと)・楽々森彦命(ささもりひこのみこと)・留玉臣命(とめたまおみのみこと)の3人がキビツヒコの家来
キビツヒコノミコトの伝説から昔『桃太郎』に派生したと考えられている。
まとめ:キビツヒコノミコトは”吉備を守った英雄”
最後に、この記事の内容をまとめましょう!
- 天皇家の皇子で、吉備の国を平定した
- 鬼「温羅(うら)」を討伐し、平和をもたらした
- 岡山県の吉備津神社・吉備津彦神社で信仰されている
- 桃太郎伝説のルーツともいわれる
- 伝説と歴史が交錯する興味深い存在
神話の世界と昔話がつながる、数少ない”実在風ヒーロー”
キビツヒコノミコトは、今も地域の人に愛され続けています!
岡山を訪れる機会があれば、ぜひキビツヒコゆかりの神社や史跡を巡ってみてください。
古代日本のミステリアスな歴史と伝説の世界を体験できるはずです。
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