古代エジプト神話には数多くの神々が登場しますが、その中でも特に神秘的で美しい存在として愛されたのが「コンス(Khonsu)」です。
月の光とともに夜空を旅し、人々に癒しと知恵をもたらす若き神の物語をご紹介しましょう。
名前の意味

「コンス(Khonsu)」という名前は、古代エジプト語で「旅する者(the traveler)」という意味があります。
この”旅”とは、夜空を渡る月の動きを指しています。
系譜
コンスは、テーベ三柱神の末っ子として登場します。
テーベ三柱神(トライアド):
- 父:アメン(アモン) → 見えない力を司る大いなる神
- 母:ムト(Mut) → 「すべての母」と称される王権の守護神
- 子:コンス(Khonsu) → 月の神であり、若々しい存在
この三神はテーベ(ルクソール)を中心に信仰され、「カルナック神殿」では一緒に祀られていました。
コンスは、エジプトを代表する神々の間に生まれた聖なる”王子”のような存在です。
姿・見た目

コンスは、他の神々と比べて若さが強調された姿で描かれることが多いです。
代表的な姿:
- 若い男性の姿で、三日月と満月の冠をかぶっている
- 頭には横向きの三日月と太陽の円盤
- 手には笏・杖とアンク(生命の鍵)
- ときに子供の姿で描かれる
神格・神性

コンスは、「月の神」であるだけでなく、いくつもの役割をもっていました。
主な神格と役割:
- 月の神
- 病気と治療の神 → 病をもたらすと同時に、「病を治す力を持つ神」として信仰された
- 子供の守護神
空を渡る月の神。
古代では、月の満ち欠けが病気に関係すると考えられたことから病の神格も持った。
また、さまざまな神と関連づけられ、他にも神格を持つことがある。
まとめ
コンスは、古代エジプト神話における月の神であり、若き癒しの存在です。
❍ おさらいチェックリスト:
- 「コンス」は「旅する者」を意味する
- アメンとムトの子としてテーベで崇拝された
- 三日月と太陽の冠+若者の姿が特徴
- 月と癒しなどをつかさどる
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