夜空に浮かぶ美しい月を見上げているとき、その中に人影を見たことはありませんか?
「月にはウサギがいる」という話は有名ですが、実は日本には月に住む妖怪についての古い伝承があります。
それが「桂男(かつらお)」です。
古代中国の美しい月宮伝説から始まり、平安時代には美男子の代名詞として、そして江戸時代には恐ろしい妖怪として語り継がれてきた、不思議な存在です。
この記事では、桂男の物語を、古代から現代まで辿ってみましょう。
桂男ってどんな妖怪?
桂男とは、月に住む妖怪です。
- 名前の由来:月にある「桂の木」を切り続ける男性
- 起源:古代中国の月宮伝説
伝承

桂男の物語は、古代中国から始まり、日本を経て現代まで続く、とても長い歴史があります。
古代中国の月宮伝説
古代中国には、月の宮殿に関する美しい伝説がありました。
月の世界には「月宮」という美しい宮殿があり、そこには巨大な桂の木が生えていました。
この木を切り続けているのが桂男だったのです
彼は毎日桂の木を切り続けますが、木は一晩で元通りに成長なってしまいます。
日本への伝来と変化
平安時代の文学
桂男は、平安時代の日本文学にも登場します。
『伊勢物語』
「桂男のような美男」という表現で、最高級の美男子を表す言葉として使われました。
江戸時代の怪談集
江戸時代の有名な妖怪図鑑『絵本百物語』には、桂男が恐ろしい妖怪として描かれています。
美しい月夜に長時間月を見つめていると、月の中に美しい男性の姿が見え、その男性が手招きをしています。
そして手招きされた者の命は縮まってしまうのです。
まとめ
桂男は、時代と共にその姿を変えながらも、常に「月」という不思議に満ちた要素を持ち続けてきた特別な存在です。
古代中国では月の世界の木こりとして、平安時代には美男子の代名詞として、そして江戸時代には恐ろしい妖怪として語られてきました。
重要なポイント
- 月に住む妖怪
- 古代中国の月宮伝説が起源
- 平安時代には美男子の代名詞として使われた
- 江戸時代には恐ろしい妖怪として描かれる
現代でも月を見上げるとき、もしかすると桂男の美しい姿を見ることができるかもしれません。
ただし、長時間見つめすぎないよう注意が必要ですね。
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