雨の降る深夜、人通りのないトンネルで、白い着物を着た女性が傘を差して立っている…。
もしそんな場面に遭遇したら、あなたはどうしますか?
1990年代から語られるようになった都市伝説「傘の女」は、親切そうに見えて実は恐ろしい結末が待っている、現代の怪談として知られています。
この記事では、雨の夜にトンネルに現れるという怪異「傘の女」について、その不気味な姿や恐ろしい伝承を分かりやすく解説します。
概要

傘の女は、1990年代頃から広まった現代の都市伝説の一つです。
主に神奈川県横須賀市の火葬場裏山にあるトンネルに現れるとされ、雨の夜に傘を持たない通行人に声をかけてくる怪異として知られています。一見親切そうに見えるその行為の裏には、恐ろしい結末が隠されているんです。
この怪談は『夢で田中に振り向くな ひとりでは読めない怖い話』(1996年)で「傘の女」という名前で紹介され、その後さまざまな怪談集や都市伝説の本で取り上げられるようになりました。
傘の女の基本情報
- 出現場所:神奈川県横須賀市の火葬場裏山のトンネル
- 出現時間:雨の降る夜の午前2時頃
- 外見:白い着物、長い黒髪、唐傘を所持
- 行動:傘を持たない人に声をかける
興味深いのは、同じような怪異が「トンネルの女」や「うしろずき」という別の名前でも紹介されていることです。地域によって名前は違えど、似たような恐怖体験が語られているんですね。
伝承

では、実際に傘の女に遭遇したらどうなるのでしょうか?
伝承によると、こんな恐ろしい展開が待っています。
傘の女との遭遇パターン
雨の降る深夜、午前2時頃。
人も車もほとんど通らない寂しいトンネルに、白い着物姿の女性が立っています。
長い黒髪を垂らし、唐傘を差したその女性は、傘を持たずに雨に濡れた状態でトンネルを通りかかる人を見つけると、優しい声で話しかけてきます。
「家まで送ってあげましょうか」
この言葉、一見すると親切な申し出に聞こえますよね。
でも、この誘いに応じるかどうかで、運命が大きく変わってしまうんです。
断った場合と受け入れた場合の違い
誘いを断った場合:
- 何も起こらない
- 無事にトンネルを通過できる
- 普通に家に帰ることができる
誘いを受け入れた場合:
- 女の傘の中に入れてもらう
- 一緒にトンネルを進み始める
- 二人の姿が徐々に薄くなっていく
- トンネルを出る頃には完全に消えてしまう
- そのまま永遠にトンネルから出られなくなる
つまり、親切そうに見える申し出を受け入れてしまうと、そのままこの世から消えてしまうという恐ろしい結末が待っているわけです。
なぜトンネルに現れるのか?
傘の女がなぜそのトンネルに現れるのか、消えた人々がどこへ行ってしまうのか、その理由はまったく分かっていません。
トンネルという場所は、昔から異界との境界線として考えられてきました。
特に火葬場の近くということもあり、死者の世界と繋がりやすい場所なのかもしれません。
雨の夜という条件も、霊的な存在が現れやすいタイミングとして、多くの怪談で共通していますね。
バリエーション
地域や語り手によって、細かい部分に違いがあります。
- 出現時間:午前2時という説と午前3時という説がある
- 声をかける条件:傘を持たない人限定
- 消える場所:トンネルの中で消えるか、出口で消えるか
どのバージョンでも共通しているのは、「親切を装った誘いに乗ると、二度と戻れなくなる」という恐ろしい結末です。
まとめ
傘の女は、現代の都市伝説として語り継がれる恐ろしい怪異です。
重要なポイント
- 1990年代から広まった現代の都市伝説
- 神奈川県横須賀市の火葬場裏山のトンネルに出現
- 白い着物姿で唐傘を持つ長髪の女性の姿
- 雨の夜の午前2時頃に現れる
- 「家まで送りましょうか」という誘いが危険信号
- 誘いに乗ると永遠にトンネルから出られなくなる
もし雨の夜にトンネルを通ることがあったら、親切そうな申し出にも注意が必要かもしれません。
特に傘を忘れた日は、濡れたままでも自力で帰る勇気が大切です。
現代に生まれた怪談だからこそ、私たちの日常に潜む恐怖を感じさせる「傘の女」。
あなたの街のトンネルにも、似たような存在がいるかもしれませんね。


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