【不吉な日の伝説】13日の金曜日とは?起源と世界各地の迷信をやさしく解説!

神話・歴史・伝承

カレンダーをめくって「13日の金曜日」を見つけたとき、なんとなく不安な気持ちになったことはありませんか?

欧米では、この日を避けて結婚式や大切な商談を延期する人もいるんです。飛行機に乗るのをやめる人や、家から出ない人までいるというから驚きですよね。

でも、どうして13日と金曜日の組み合わせがこんなに恐れられるようになったのでしょうか?

この記事では、世界中で恐れられる「13日の金曜日」の起源となった神話や伝承、そして各国での不思議な違いについて詳しくご紹介します。

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概要

13日の金曜日は、欧米で最も不吉とされる日として知られています。

この迷信は、キリスト教や北欧神話といった古い伝承が複雑に絡み合って生まれたもので、現在では英語圏、ドイツ、フランスなどで広く信じられています。アメリカでは「13日の金曜日恐怖症(フライデー・ザ・サーティーンス恐怖症)」という正式な名前まであるんですよ。

グレゴリオ暦では、どんな年でも必ず1回以上、最大で年3回、13日の金曜日が現れます。月の最初の日が日曜日だと、その月の13日は必ず金曜日になるという法則があるんです。

起源となった3つの伝承

13日の金曜日が不吉とされる理由には、主に3つの有名な伝承があります。

キリスト教の伝承

最も有名なのが、イエス・キリストにまつわる話です。

  • 最後の晩餐:キリストと12人の弟子、合わせて13人で食事をした翌日に処刑された
  • 処刑の曜日:キリストが十字架にかけられたのが金曜日だった
  • 聖書には明記されていませんが、アダムとイヴの楽園追放やノアの大洪水も13日の金曜日だったという説もある

北欧神話の伝承

キリスト教以前から、北欧では13が不吉な数とされていました。

北欧神話には、12人の神々が宴会をしていたところに、招かれざる13人目の客として悪戯の神ロキが乱入したという話があります。ロキは光の神バルドルを殺してしまい、世界に暗闇と悲しみをもたらしました。この出来事から、13という数字が不吉とされるようになったんです。

さらに、魔女として追いやられた女神フリッグが、毎週金曜日に11人の魔女と悪魔を集めて悪事を企んでいたという伝説も。金曜日を表す英語「Friday」は、実はこのフリッグの名前から来ているんですよ。

テンプル騎士団の悲劇

歴史的な出来事として有名なのが、1307年10月13日の金曜日に起きたテンプル騎士団の一斉逮捕です。

フランス国王フィリップ4世が、財産目当てでフランス全土のテンプル騎士団員を一斉に逮捕。その後、騎士団は異端の罪で解散させられ、幹部たちは火あぶりの刑に処されました。この衝撃的な事件が、13日の金曜日の不吉なイメージを強めたとされています。

迷信が広まったきっかけ

実は、13日の金曜日が特別に不吉とされるようになったのは、意外と最近のことなんです。

19世紀までは、13という数字と金曜日がそれぞれ別々に不吉とされていましたが、両方が組み合わさって特別視されるようになったのは19世紀以降。決定的だったのは、1907年に発表された小説『13日の金曜日』(トーマス・W・ローソン著)でした。

この小説では、悪徳ブローカーが13日の金曜日の迷信を利用してウォール街でパニックを起こすというストーリーが描かれ、アメリカ中でベストセラーに。これがきっかけで、13日の金曜日の迷信が一気に広まったんです。

世界各地の「不吉な日」

面白いことに、不吉とされる日は国によって違うんです。

各国の不吉な日

  • イタリア:17日の金曜日が不吉(17をローマ数字で書くとXVII、並べ替えるとVIXI「私は死んだ」という意味に)
  • スペイン・ギリシャ:13日の火曜日が不吉(火曜日は戦いの神マルスの日)
  • フランス:13日の金曜日は不吉だけど、宝くじの売り上げが急増する幸運の日でもある

日本には13日の金曜日という迷信はもともとありませんでしたが、ホラー映画などの影響で知られるようになりました。

現代への影響

アメリカでは、推定1700万~2100万人が13日の金曜日恐怖症に悩んでいるといわれています。

この日になると:

  • 飛行機の予約を避ける人が増える
  • 重要な契約や結婚式を延期する
  • 学校や会社を休む人もいる
  • ビジネスの損失額は年間8億~9億ドルにも

でも実は、オランダの保険統計センターの調査では、13日の金曜日は他の金曜日より交通事故が少ないという結果が出ているんです。みんなが慎重になるからかもしれませんね。

まとめ

13日の金曜日は、古い神話や歴史的事件が複雑に絡み合って生まれた迷信です。

重要なポイント

  • キリスト教、北欧神話、テンプル騎士団の悲劇という3つの伝承が起源
  • 19世紀以降、特に1907年の小説をきっかけに広まった
  • 英語圏、ドイツ、フランスで特に信じられている
  • 国によって不吉な日は異なる(イタリアは17日、スペインは火曜日)
  • 実際の事故率との相関関係は科学的に証明されていない
  • 年に必ず1回以上、最大3回現れる

結局のところ、13日の金曜日が本当に不吉かどうかは、信じる人の心次第。でも、世界中でこれだけ多くの人が信じている迷信の背景には、興味深い歴史と文化があることが分かりますね。

次の13日の金曜日には、この記事で紹介した伝承を思い出してみてください。怖がる必要はありませんが、いつもより少し慎重に過ごすのも悪くないかもしれませんよ。

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