深夜、ホテルの部屋のドアをノックする音が聞こえたら、あなたはどうしますか?
もしかしたら、それは死の世界からの使者が、あなたを迎えに来た合図かもしれません。
黒い服を着た謎の女性が告げる「お一人乗れます」という言葉は、実はあの世への片道切符だったという恐ろしい都市伝説があるんです。
この記事では、エレベーターにまつわる恐怖の存在「地獄の女」について、その不気味な特徴と背筋が凍る伝承をご紹介します。
概要

地獄の女(じごくのおんな)は、ホテルのエレベーターにまつわる現代の都市伝説に登場する、死の世界からの使者なんです。
この話は日本だけでなく、もともとは外国で語られていた伝承が元になっているとされています。
渡辺節の『不思議な世界を考える編 怪異百物語4』にも収録されていて、世界各地で似たような体験談が報告されているんですね。
地獄の女の基本情報
- 黒い服を着た不気味な女性の姿で現れる
- 深夜に突然ホテルの部屋を訪問する
- 「お一人乗れます」という謎めいた言葉を告げる
- エレベーター事故の前触れとして現れる
- 死の世界への案内人として機能する
特に興味深いのは、この女性が単なる幽霊ではなく、地獄からの正式な使者として描かれている点です。
つまり、たまたま現れるのではなく、明確な目的を持って人間界にやってくるということなんですね。
伝承

日本で語られる恐怖体験
ある男性がホテルに宿泊していた時の話から始まります。
深夜の訪問者
真夜中、ぐっすり眠っていた男性の部屋のドアに、コンコンとノックの音が響きました。
「こんな時間に誰だろう?」と不審に思いながらドアを開けると、そこには見たこともない黒い服の女性が立っていたんです。
女性は不気味な雰囲気を漂わせながら、こう告げました。
「お一人乗れます。どうぞ」
意味が分からず気味が悪くなった男性は、すぐにドアを閉めて鍵をかけました。
普通なら「間違いだったのかな」で済む話ですが、翌朝になって恐ろしい真実が判明するんです。
運命の分かれ道
翌朝、男性がエレベーターを待っていると、扉が開いた瞬間、中に昨夜の黒い服の女性がいるのが見えました。
恐怖を感じた男性は、とっさにエレベーターに乗るのをやめたんです。
すると次の瞬間、エレベーターの扉が閉まると同時に、ワイヤーが切れて落下。
乗っていた人は全員亡くなってしまったという悲劇が起きました。
海外の類似伝承
実は、アメリカのフィラデルフィアや、イギリスのロンドンでも似たような話が語られているんです。
ロンドンの古い館での体験
平成9年(1997年)頃の話として伝わっているものでは、ロンドンから来た二人の学者が古い領主館に宿泊した際の体験が記録されています。
真夜中、古びた御者車に出会った彼らは、中を覗くと棺はなく、顔の見えない乗客が一人。
「お乗りになります?」という誘いを断った直後、悲鳴とともにエレベーターが落下する音が聞こえたというんです。
伝承が示す共通点
世界各地で語られるこれらの話には、いくつかの重要な共通パターンがあります。
死の前触れとしての役割
- 必ず事故の前日の深夜に現れる
- 黒い服(喪服のような)を着ている
- 「乗る」ことを勧める謎の言葉を告げる
- 誘いを断った人だけが生き残る
これらの特徴から、地獄の女は単に人を怖がらせるだけでなく、運命の選択を迫る存在として描かれているんですね。
誘いに乗るか乗らないか、その判断が生死を分けるという、まさに究極の選択を突きつけてくるわけです。
まとめ

地獄の女は、エレベーター事故という現代的な恐怖と、死の使者という古典的な概念が融合した都市伝説です。
重要なポイント
- 黒い服を着た女性として深夜に現れる
- 「お一人乗れます」という謎めいた誘いをかける
- エレベーター事故の前兆として出現する
- 誘いを断ることで死を免れることができる
- 日本だけでなく世界各地で類似の話が存在する
- 地獄からの正式な使者として人間を迎えに来る
もしホテルに泊まっていて、深夜にドアをノックする音が聞こえても、むやみに開けないほうがいいかもしれません。
そして翌朝、エレベーターに乗る時は、中に黒い服の女性がいないか確認することをおすすめします。
現代の便利な乗り物も、時として死への入り口になることがあるのかもしれませんね。


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