世界の主・ジャガンナートとは?その意味・姿・神話・祭りまでやさしく紹介!

神話・歴史・伝承

インド東部・オリッサ州(現在のオディシャ州)で絶大な信仰を集める神「ジャガンナート」。

その特徴的な姿と壮大な祭りは、インド文化の重要な一部となっています。

この記事では、ジャガンナートについて詳しく解説します。

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名前の意味

「ジャガンナート(Jagannātha)」は、サンスクリット語で「ジャガト(世界)」+「ナート(主)」の合成語です。

つまり、「全宇宙(世界)の主」という意味になります。

クリシュナ

By Sahu Felix – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=112659362

ジャガンナートは、ヴィシュヌの化身クリシュナと深い関連があり、同一視されています。

また、「クリシュナ+兄のバララーマ+妹のスバドラー」の三神一体の形で信仰されます。

三柱の構成:

  • ジャガンナート:クリシュナ(黒い神像)
  • バララーマ:兄(白い神像)
  • スバドラー:妹(黄色い神像)

彼らはオリッサ州・プリーにある「ジャガンナート寺院」で祀られており、この三神は”家族”としても、”宇宙の中心”としてもとらえられています。

この寺院は12世紀に東ガンガ朝の王アナンタヴァルマン・チョーダガンガ・デーヴァによって建設されました。ヒンドゥー教の四大聖地の一つとされ、毎年何百万人もの巡礼者が訪れます。

ポイント: 系譜上は「クリシュナの家族」でもあり、「神の三位一体」でもあるのがジャガンナートの特徴です。

姿・見た目

By Krupasindhu Muduli – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=41683029

ジャガンナートの神像は、インド神話のなかでも異色のビジュアルで有名です。

  • 丸くて大きな目
  • 手足がなく、胴体だけの木像
  • 黒くて丸い顔
  • 兄バララーマ(白)、妹スバドラー(黄)と並べて置かれる

ラタ・ヤートラー(山車の旅)

インド・オリッサ州プリーで毎年行われる大規模な巡礼祭

巨大な木製の山車(ラタ)に乗せられたジャガンナートたちは、神殿から町中を旅するのです。

この祭りはアーシャーダ月(ヒンドゥー暦)に行われ、何千人もの信者が集まります。

ジャガンナートの山車「ナンディゴーシャ」は高さ約14メートルにも達します。

山車は神殿からマウシ・マー寺院という場所まで運ばれ、神々はそこで特別な儀式を受けます。
この「神の旅」に参加することは、信者にとって大きな精神的な功徳とされています。

この旅する山車を見た人には幸福が訪れるとされている。

余談

ジャガンナートは、英語では「ジャガーノート」と呼ばれる。

さらに、祭りの山車に轢かれると極楽浄土に行けるという俗説があり、信者が救済を求めて轢かれに行ったという話がある。

その話からジャガーノートは、「誰にも止めることのできない巨大な力」「圧倒的破壊力」「大きすぎる犠牲」「盲目的な献身を強いるもの」を意味するようになった。

まとめ

  • 名前の意味は「宇宙の主・世界の主
  • ヴィシュヌ神の化身クリシュナと同一視
  • 特徴的な姿をしており、バララーマとスバドラーと一緒に祀られる
  • 年に一度のラタ・ヤートラーという祭りが開かれる
  • 英語ではジャガーノートと呼ばれる

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