神様の出自

イワカムツカリノミコトは、古代皇族に仕えた料理専門の家系「膳臣(かしわでのおみ)」の遠祖です:
- 曾祖父:孝元天皇(第8代天皇)
- 祖父:大彦命(おおひこのみこと)
- 父:比古伊那許志別命(ひこいなこしわけのみこと)(=大稲腰命)
つまり、イワカムツカリノミコトは皇室にもつながる高貴な血筋を持つ料理の神なのです。
神としての特徴

イワカムツカリノミコトの神格は、明確に「料理」に特化した珍しい存在です:
- 料理の神
- 膳臣(かしわでのおみ)」の遠祖
神話と伝承

イワカムツカリノミコトが登場するのは、『日本書紀』景行天皇紀(第12代天皇)です:
- 景行天皇が東国巡幸中、上総から淡水門(安房の水門)を船で渡りました
- そのとき、空から「覚賀鳥(かくがのとり=ミサゴ)」の鳴き声が聞こえました
- 天皇が興味を持ち、海中に入り探ると、白いハマグリ(白蛤)を得ました
- そのハマグリを、イワカムツカリが膾(なます)に調理して献上しました
- 天皇はその手際と味に感動し、「膳大伴部(かしわでのおおともべ)」の称号を与えました
- ここから、「膳臣(かしわでのおみ)」という料理係の家系が始まったとされています
料理で天皇の信頼を勝ち得た—まさに料理の力で国に仕えた、伝説の料理人神です。
神社とご利益

イワカムツカリノミコトは、現在も「料理の神」として各地で祀られています:
神社
- 高椅神社(たかはしじんじゃ/栃木県)
- 高家神社(たかべじんじゃ/千葉県)
主なご利益:
- 料理人守護
- 料理関係の産業(調味料・食品製造)の守護
まとめ
イワカムツカリノミコト(磐鹿六鴈命)は料理の神です:
- 日本最古の料理神・膳氏の始祖です
- 景行天皇に料理を献上し、功績をたたえられた料理の達人でした
- 調理・食文化・食の産業全般を守護する神格を持ちます
- 料理人守護・料理関係の産業(調味料・食品製造)の守護などのご利益があります
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