誰もいないはずの放送室から、突然スピーカーを通して不気味な声が響いてくる…そんな恐ろしい体験を想像したことはありますか?
学校の怪談の中でも、放送室にまつわる話は特に背筋が凍るものが多いんです。
なぜなら、校内放送は学校中に響き渡るため、逃げ場がないような恐怖を感じさせるからなんですね。
この記事では、学校の七不思議としても語られる「放送室の幽霊」について、その特徴や伝承を詳しくご紹介します。
概要

放送室の幽霊(ほうそうしつのゆうれい)は、日本の学校で広く語り継がれている怪異の一つです。
『怪異百物語9』や『学校の怪談4』といった書籍にも収録されており、全国の小中学校で様々なバリエーションが存在しています。
この怪談の特徴は、誰もいないはずの放送室から声や音楽が流れてくるという点にあります。
普段は先生や放送委員しか使わない放送室。その密室性と、校内全体に響く放送システムが組み合わさって、独特の恐怖感を生み出しているんですね。
放送室の幽霊には大きく分けて2つのタイプがあります。
放送室の幽霊のタイプ
- 恐怖系:死の予言や不気味な声を放送する
- ロマンス系:恋愛成就を手助けしてくれる
どちらのタイプも、かつてその学校で亡くなった生徒の霊だとされることが多いのが共通点です。
伝承
死の予言を告げる幽霊
最も有名な伝承は、死の予言を放送するというものです。
ある学校では、放送室に誰もいない時間帯に、突然スピーカーからこんな声が響くと言われています。
「うぅぅぅぉお…もしもし、アンタ……五日後……死ぬ。」
そして恐ろしいことに、その声を聞いた五日後には必ず誰かが死んでしまうというんです。
誰に向けた言葉なのか分からないところが、余計に不気味ですよね。もしかしたら自分かもしれない、という恐怖が聞いた人全員を襲うわけです。
閉じ込められた少女の霊
『学校の怪談4』(常光徹著)には、また別のパターンが紹介されています。
夏休み中に放送室に閉じ込められてしまい、そのまま亡くなった少女の話です。
この少女の霊は、スピーカーを通して「一人にしないで」と呼びかけるのだそうです。
夏休みの学校は人気がなく、誰にも助けを求められないまま命を落としてしまった少女の無念が伝わってくるような、悲しい怪談ですね。
勝手に音楽を流す幽霊
『トイレの花子さん2』には、福岡県の中学生から寄せられた投稿として、こんな話が載っています。
人が少なくなる放課後や夕方になると、放送室を勝手に使って音楽を流したり、話し声を響かせたりする幽霊がいるというものです。
直接的な害はないものの、誰もいないはずの場所から音が聞こえるのは、やはり不気味な体験でしょう。
恋を叶えてくれる幽霊
怖い話ばかりではありません。『怪談&都市伝説DX』(実業之日本社編)には、ちょっとロマンチックな伝承も紹介されています。
ある小学校の放送室で、全校放送の設定にして好きな人に愛の告白をすると、必ず両思いになれるというんです。
なぜそんなことが起きるのでしょうか?
実は、この学校にはかつて片思いをしていた放送部員がいました。しかし、その想いを伝える前に交通事故で亡くなってしまったのです。
その放送部員の霊が、自分と同じように片思いで苦しむ人の恋を応援しているのだと言われています。
自分が叶えられなかった恋を、他の誰かには叶えてほしいという優しさなのかもしれませんね。
まとめ
放送室の幽霊は、学校という身近な場所を舞台にした、日本の代表的な学校怪談の一つです。
重要なポイント
- 誰もいない放送室から声や音楽が流れる怪異
- 死の予言を告げる恐ろしいタイプが有名
- 閉じ込められて亡くなった少女の霊という悲しい話も
- 恋愛成就を手助けする優しい幽霊の伝承もある
- 放送部員や学校で亡くなった生徒の霊とされることが多い
- 『怪異百物語9』『学校の怪談4』などに収録
放送室は普段立ち入ることが少ない特別な場所であり、そこから発せられる声は学校中に届いてしまう——この2つの要素が、放送室の幽霊を特別に怖い存在にしているのかもしれません。
もし放課後、誰もいないはずの放送室から声が聞こえてきたら…あなたはその声に耳を傾けますか?


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