インド神話の英雄ラーマに仕えた最強の猿神「ハヌマーン」。
その驚くべき力と忠誠心は、今もインド中で愛され、崇拝されています。
この記事では、そんなハヌマーンについて紹介します。
名前の意味

「ハヌマーン(Hanuman)」という名前の意味は、「顎骨を持つもの」「顎の骨が変形したもの」だと言われています。
この名前の意味は、ハヌマーンの伝説に由来する。
ハヌマーンは子どものころ、太陽を果物と間違えて取ろうとした。
太陽に向かって飛び上がったハヌマーンを見た雷神インドラは、これを止めようと雷を投げつけました。
そのヴァジュラでハヌマーンはあごを負傷しました。
この伝説が「顎骨を持つもの」「顎の骨が変形したもの」という意味の裏付けとなっている。
また、ハヌマーンには「ハヌマト」「バジランガバリ」「アジャネーヤ」など多くの別名があります。
系譜
ハヌマーンは、人間ではなく風の神ヴァーユと天女の子どもで半神です。
ハヌマーンの家系:
- 父: ケーシャリ(猿の戦士)
- 母: アンジャナー(天女・牝猿)
- 霊的な父: 風神ヴァーユ(実は風の力で誕生)
アンジャナーは元々美しい天女でしたが、呪いによって猿の姿になってしまいました。
彼女はケーシャリーと結婚した後、夫婦でヴァーユに祈りを捧げて、神の子を授かります。
姿・見た目


ハヌマーンは、「猿の姿をした神」として描かれます。
その姿は力強くも愛嬌がある。
主な特徴:
- 猿の顔と尾
- 筋肉質で大きな体
- 棍棒(ガダー)や雷霆(ヴァジュラ)などの武器を持つ
- 額にU字マーク
- 金の冠や装飾を身につけている
- 胸元を開きラーマとシーターの像を見せる
- 時に片手に山を持つ
ハヌマーンはさまざまな姿で描かれています。
また、あ彼の姿は、現代のインドのアニメやテレビドラマ、漫画にも登場します。
シーター救出大作戦

ハヌマーンが最も活躍するのは、『ラーマーヤナ』の中のシーター救出編です。
あらすじ:
- 妻シーターが悪魔王ラーヴァナにさらわれる
ラーマの妻シーターが悪魔王ラーヴァナによってランカー島に連れ去られてしまいます。 - ラーマは猿族と手を組む
シーターを探すため、ラーマは猿の王スグリーヴァと同盟を結びます。
ハヌマーンは猿軍の先鋒として選ばれます。 - ハヌマーン、大海を飛び越える
ハヌマーンは一人で海の上を飛び、大海を越えてランカー(魔界)へ潜入します。その途中、海の魔物スラサに呑み込まれそうになりますが、体の大きさを変えて切り抜けます。 - シーターに希望を届ける
ランカーでシーターを見つけたハヌマーンは、彼女にラーマの使者の証を見せ「もうすぐ助けが来る」と伝えた - ランカーで捕まる
ラーヴァナ軍に見つかり、拘束される - 逆襲と帰還
なんとハヌマーンは1人で拘束を解き、ランカーの街を燃やしながら逃走!
その後、無事にラーマのもとへ帰り、重要な情報をもたらします。 - 薬草の山を運ぶ
戦いの最中、ラクシュマナ(ラーマの弟)が致命傷を負った時、ハヌマーンは命を救う薬草を取りに遠くのヒマラヤまで飛びます。薬草を探す時間がなかったので山ごと持ってきてしまうという驚異的な力技を見せます。
この後、ハヌマーンの大活躍もあり、無事にシーターを救出できました。
Ex.〇〇のモデル?

ここでハヌマーンの特徴をいくつか振り返ってみましょう。
- 半人半猿
- 超人的な力と速さ
- 金色の棍棒を持つ
- 特定の誰かに仕えている
- 空を飛ぶ
『最遊記』の孫悟空に似ていませんか?
一説では、『最遊記』の孫悟空のモデルはハヌマーンだとされています。
まとめ
ハヌマーンは、ただの猿神ではありません。
ラーマに仕え、愛と正義を守ったヒーローです。
- 名前の意味は「顎骨を持つ者」
- 風神の子として生まれた、勇気と力の神
- 姿は猿に近い
- 『ラーマーヤナ』では、シーター救出で大活躍
- 一説では、『最遊記』の孫悟空のモデル
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