学校のトイレで「花子さん」の話を聞いたことがある人は多いと思いますが、実は花子さんには「お母さん」もいるという話を知っていますか?
放課後、誰も出てこない女子トイレの個室…中から聞こえる泣き声…そして扉を開けると、そこには着物を着た女性が立っていた。
この「花子さんのお母さん」は、トイレの花子さんの都市伝説の中でも、特に恐ろしいバージョンとして語り継がれています。
この記事では、学校のトイレに出現する親子の亡霊「花子さんのお母さん」について、その正体と恐怖の伝承をご紹介します。
概要

花子さんのお母さんは、学校の女子トイレに現れる女性の幽霊です。
有名な都市伝説「トイレの花子さん」の派生バージョンとして、主に1990年代から語られるようになりました。
通常の花子さんの話では少女の霊だけが登場しますが、このバージョンでは着物を着た成人女性(母親)と少女(花子)の親子の霊が一緒に現れるのが大きな特徴なんです。
特に神奈川県の学校を舞台にした話が有名で、『学校の怪談スペシャル3』などの書籍にも収録されています。
花子さんのお母さんの特徴
- 着物を着た成人女性の姿で現れる
- 娘の「花子」を探してトイレに現れる
- 少女の霊(花子)と一緒に行動することが多い
- 先生や生徒を襲うこともある危険な存在
- 念仏を唱えると消えるとされる
また、「うち子さん」という名前で語られることもあり、命日である2月28日に校庭で「うち子です。花子元気にしてる?」という声が聞こえるという話も残されています。
伝承

女性教師が体験した恐怖
ある日の放課後、神奈川県のある学校で不思議なことが起こりました。
女子トイレの個室の一つが、誰かが入ったまま、ずっと扉が開かないままになっていたんです。
夕方になっても誰も出てこない上、中から泣き声が聞こえてきました。心配した女性教師が慌てて扉を開けてみると、そこには着物を着た成人女性が立っていたのです。
母親が探していたもの
着物の女性は、教師に対してこう問いかけました。
「花子という娘は来ていないか」
教師が「いない」と答えると、女性は泣きながらこう答えたそうです。
「花子はこちらで御不浄(トイレのこと)をおかしたはずなんです」
不気味に思った教師は、他の先生を呼ぼうと職員室へ走ろうとしました。
突然の襲撃
その瞬間、女性が恐ろしい声で叫びます。
「お待ちなさい! 私の花子をどこへ連れていくのですか!」
驚いた教師が振り返ると、いつの間にかすぐ横に見知らぬ少女が立っていました。
そして次の瞬間、着物の女性が教師に襲いかかり、首を絞めてきたのです。同じように、先ほど現れた少女も教師の首へ手を伸ばしてきます。
女性は教師の首を絞めながら、こう叫びました。
「ふふふ、苦しむがいいわ。花子も私も、もっと、もっと苦しめてやる」
救いの念仏
意識が朦朧とする中、教師は思わず念仏を唱えたそうです。
すると、あの少女と女性は、いつの間にか消えていました。
悲しい事件の真相
後になってわかったのですが、この学校では数十年前に痛ましい事件があったんです。
過去の事件の内容
- 花子という名前の少女が学校帰りに不審者に襲われた
- 少女の遺体がこのトイレで発見された
- 母親もそのショックで亡くなってしまった
トイレに現れた親子の霊は、この事件で命を落とした花子とその母親の亡霊だったのです。
その後の学校のルール
それ以来、この学校ではトイレには決して一人で行ってはいけないという決まりができたそうです。
二人以上で行動することで、この恐ろしい親子の霊から身を守ろうとしたんですね。
もう一つの姿「うち子さん」
『学校の怪談スペシャル3』には、「うち子さん」という名前の幽霊についても載っています。
彼女は花子さんの母親であり、自分の命日である2月28日に校庭で現れるのだそうです。
「うち子です。花子元気にしてる?」
という声が聞こえるといい、死後も娘のことを心配し続けている母親の姿が伝わってきます。
まとめ
花子さんのお母さんは、娘を探し続ける母親の執念が生み出した恐怖の都市伝説です。
重要なポイント
- トイレの花子さんの派生バージョンで親子の霊が登場
- 着物を着た成人女性と少女の二人組で現れる
- 娘の「花子」を探してトイレに出現する
- 遭遇すると首を絞められる危険性がある
- 念仏を唱えることで退散させられる
- 過去の痛ましい事件(少女の殺害と母親の死)が背景にある
- 別名「うち子さん」として2月28日に現れるという話もある
単なる怖い話ではなく、子どもを失った母親の悲しみと、成仏できずにさまよい続ける親子の姿を描いた、切ない物語でもあるんです。
学校のトイレで不思議な気配を感じたら、それはもしかしたら今も娘を探し続ける母親の姿かもしれませんね。


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