映画やゲームで「ヘラ」「セレネ」という名前を聞いたことはありませんか?
これらはすべて、古代ギリシャ神話に登場する空や天界に関わる女神たちの名前です。
ギリシャ神話には、夜空を駆ける月の女神、夜明けを告げる曙の女神、そして天と地をつなぐ虹の女神など、空にまつわる数多くの女神が存在します。
でも、「名前は聞いたことあるけど、どんな女神なの?」「それぞれの違いがよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ギリシャ神話に登場する空の女神たちを、役割や神話エピソードとともに詳しくご紹介します。
ギリシャ神話における「空」の概念

古代ギリシャ人の宇宙観
古代ギリシャ人は、空を複数の層で構成されていると考えていました。
彼らの宇宙観では、空は以下のような構造になっています。
空の階層構造
- ウーラノス(天空):星々がきらめく天蓋そのもの
- アイテール(上層大気):神々が吸う清澄な大気、輝く青空
- アエール(下層大気):人間が吸う普通の空気
- カオス(空隙):天と地の間に広がる空間
それぞれの領域を司る神々が存在し、彼らが協力することで昼夜の交替や天候の変化が生まれると信じられていたんです。
空を司る女神の種類
ギリシャ神話の空に関わる女神は、大きく分けて以下のカテゴリーに分類できます。
| カテゴリー | 代表的な女神 | 役割 |
|---|---|---|
| 天界の支配者 | ヘラ | 天の女王、星座の配置 |
| 原初の天空神 | ヘメラ、ニュクス | 昼と夜の循環 |
| 天体の女神 | セレネ、エオス | 月と曙 |
| 天と地の仲介者 | イリス | 虹、神々の使者 |
| 天文の守護者 | ウーラニア | 天文学と星 |
| 風の女神 | アウラ、オレイテュイア | そよ風と山風 |
天界の女王──ヘラ
基本情報
- 別名:ヘーラー、ヘーレー
- 司る分野:結婚、家庭、天界の統治、星座の配置
- 象徴:孔雀、王冠、王笏、ザクロ
- ローマ神話名:ユノ(Juno)
どんな女神?
ヘラは神々の王ゼウスの正妻であり、天界の女王として君臨する最高位の女神です。
ティタン神族のクロノスとレアの娘として生まれ、弟であるゼウスと結婚しました。
「貴婦人」「女主人」を意味するその名前通り、威厳と権威に満ちた存在として描かれています。
空の女神としての役割
ヘラは単なる結婚の女神ではありません。
天界の女王として、以下のような空に関わる重要な役割を担っていました。
ヘラと星座の関係
- 天の川(ミルキーウェイ)の起源:ヘラの母乳がこぼれ落ちて天の川になったという伝説
- 星座の配置:ヘラの命令により、多くの星座が天に置かれた
- おおぐま座・こぐま座:ヘラがゼウスの愛人カリストを熊に変え、天に上げた
ホメーロスの『イーリアス』では、ヘラは「白い腕の女神」「牝牛の眼をした女神」「黄金の御座のヘーレー」といった美しい形容語で呼ばれています。
有名なエピソード:ヘラクレスと天の川
ゼウスは愛人との間に生まれた息子ヘラクレスを不死身にするため、眠っているヘラの母乳を飲ませようとしました。
目を覚ましたヘラがヘラクレスを払いのけた瞬間、母乳が夜空に飛び散り、それが天の川(ミルキーウェイ)になったと言われています。
英語の「Milky Way」という名前は、まさにこの神話に由来しているんです。
現代への影響
- 英語の6月「June」はヘラに対応するローマ神話の女神ユノが由来
- 「ジューンブライド」はユノ(ヘラ)に守護された月に結婚することから
- 小惑星「ジュノー」はヘラにちなんで命名
原初の空の女神たち
ギリシャ神話の世界では、オリンポスの神々よりもはるか以前に、原初の神々(プロトゴノイ)と呼ばれる存在がいました。
空に関わる原初の女神として特に重要なのが、ヘメラ(昼)とニュクス(夜)です。
ヘメラ──昼の原初女神
基本情報
- 別名:ヘーメラー、ヘメレ
- 司る分野:昼、昼の光
- 象徴:ひまわり、明るい霧
- ローマ神話名:ディエス(Dies)
どんな女神?
ヘメラは昼そのものを神格化した原初の女神です。
ヘシオドスの『神統記』によると、エレボス(幽冥)とニュクス(夜)の娘であり、アイテール(高天)の姉妹とされています。
興味深いことに、闘と夜から光と昼が生まれたという、対照的な関係になっています。
昼と夜の交替
古代ギリシャ人は、昼と夜の交替を以下のように理解していました。
「夜と昼は青銅の大きな敷居を越えて行き交いながら、互いに挨拶を交わす。一方が家に入ろうとするとき、もう一方は扉から出て行く。そして、この館が二人を同時に中に留めることは決してない」
──ヘシオドス『神統記』
つまり、ヘメラとニュクスは世界の果てにある館を共有し、交互に地上を巡って昼と夜をもたらしていたんです。
母娘でありながら、決して同じ場所に同時にいることがない──とても詩的な描写ですよね。
他の女神との関係
後の時代になると、ヘメラの役割は曙の女神エオスに吸収されていきました。
また、天界の女王ヘラと同一視されることもあり、ヘメラという名前がヘラの別名として使われることもありました。
ニュクス──夜の原初女神
基本情報
- 別名:ニュークス、ニクス
- 司る分野:夜、闇
- 象徴:黒い衣、星をちりばめたヴェール、馬車
- ローマ神話名:ノクス(Nox)
どんな女神?
ニュクスは夜そのものを神格化した原初の女神であり、ギリシャ神話の中でも最も古く、最も強力な存在の一柱です。
カオス(混沌)から生まれた原初の神々の一員であり、その力はゼウスでさえ恐れたほどでした。
ゼウスも恐れた女神
ホメーロスの『イーリアス』には、ニュクスの恐るべき力を示すエピソードがあります。
ある時、ニュクスの息子ヒュプノス(眠りの神)がゼウスを眠らせ、ヘラの陰謀に加担しました。
目を覚ましたゼウスは激怒してヒュプノスを追いかけましたが、ヒュプノスが母ニュクスのもとに逃げ込むと、ゼウスは追撃を諦めたのです。
なぜなら、ゼウスは「夜」を怒らせることを恐れたから。
神々の王でさえ逆らえない存在──それがニュクスだったんです。
ニュクスの子どもたち
ニュクスは単独で、または兄弟のエレボス(闇)との間に、数多くの子どもを生みました。
エレボスとの子
- アイテール(上層大気):輝く青空
- ヘメラ(昼):昼の女神
単独で生んだ子
| 名前 | 司る分野 |
|---|---|
| タナトス | 死 |
| ヒュプノス | 眠り |
| オネイロイ | 夢 |
| モイライ(運命の三女神) | 運命 |
| ネメシス | 復讐、応報 |
| エリス | 争い |
| アパテー | 欺瞞 |
| ゲラス | 老い |
| ヘスペリデス | 夕暮れ |
ニュクスの子どもたちの多くが、人間にとって避けられない運命や恐ろしい力を象徴しているのが特徴的です。
現代への影響
- 美容ブランド「NYX」の名前の由来
- ゲームやファンタジー作品で夜や闘の女神として頻繁に登場
- 冥王星の衛星「ニクス」(Nix)の名前の由来
天体を司る女神たち
セレネ──月の女神
基本情報
- 別名:セレーネー、メーネー
- 司る分野:月、月光
- 象徴:三日月の冠、銀の馬車、白馬、牡牛
- ローマ神話名:ルナ(Luna)
どんな女神?
セレネは月そのものを神格化した女神であり、ギリシャ神話における最も純粋な「月の女神」です。
ティタン神族のヒュペリオンとテイアの娘で、太陽神ヘリオスと曙の女神エオスの姉妹にあたります。
額に月をつけた黄金の冠を戴き、2頭の白馬が引く銀の馬車に乗って、毎夜天空を駆け抜ける姿で描かれています。
月の旅路
古代ギリシャ人は、月の動きを以下のように理解していました。
- 夕方、兄ヘリオス(太陽)が西の海に沈む
- セレネが銀の馬車で天空に昇り、夜空を照らす
- 暁方、妹エオス(曙)が東の空に現れる
- セレネは西の海に沈み、入れ替わりにヘリオスが昇る
三兄妹が交替で空を駆けることで、昼と夜と夜明けの循環が生まれていたんです。
有名なエピソード:エンデュミオンとの恋
セレネの神話で最も有名なのは、美青年エンデュミオンとの恋物語です。
ある夜、ラトモス山で眠る羊飼いの青年エンデュミオンを見たセレネは、その美しさに一目惚れしてしまいます。
しかし、人間であるエンデュミオンはいつか老いて死んでしまう運命。
セレネはゼウスに願い出て、エンデュミオンに「永遠の眠りと永遠の若さ」を与えてもらいました。
以来、エンデュミオンは美しい姿のまま永遠に眠り続け、セレネは毎夜彼のもとを訪れて、眠る恋人の顔を見つめ続けたと言われています。
この物語は、時が止まったような永遠の切なさを象徴するエピソードとして、多くの芸術作品の題材となりました。
他の月の女神との関係
セレネは後の時代になると、以下の女神と同一視されるようになりました。
- アルテミス:狩猟と月の女神(三日月の弓を持つ)
- ヘカテー:魔術と欠けゆく月の女神
この三女神は「月の三相」を表すとも言われます。
- セレネ:満月(成熟した女性)
- アルテミス:三日月(若い乙女)
- ヘカテー:新月・欠けゆく月(老婆)
エオス──曙の女神
基本情報
- 別名:エーオース
- 司る分野:曙、夜明け
- 象徴:薔薇色の衣、サフラン色の衣、翼
- ローマ神話名:アウロラ(Aurora)
どんな女神?
エオスは夜明けを告げる曙の女神です。
セレネと同じくヒュペリオンとテイアの娘であり、太陽神ヘリオスと月の女神セレネの妹にあたります。
「薔薇色の指先」「サフラン色の衣装」「雪の瞼」といった、美しい形容詞で讃えられる女神でした。
曙の役割
毎朝、エオスはパエトン(輝く者)とランポス(光)という名の2頭の馬が引く馬車に乗り、太陽神ヘリオスに先立って空を駆けます。
彼女が通った後には薔薇色の光が広がり、夜の闇を払って新しい一日の始まりを告げるのです。
エオスの出番はこれで終わりですが、彼女なしには太陽は昇ることができないとされていました。
悲しい呪い
エオスは軍神アレスと恋に落ちたことがありました。
しかし、それを知った愛と美の女神アフロディーテは嫉妬し、エオスに「永遠に人間の男に恋し続ける」という呪いをかけてしまいます。
以来、エオスは数多くの人間の若者と恋に落ちますが、相手はいずれも死んでいく運命。
不老不死の女神である彼女だけが残され、愛する者を失い続ける悲しみを背負うことになったのです。
有名なエピソード:ティトノスとの恋
エオスが最も深く愛したのは、トロイアの王子ティトノスでした。
彼と永遠に一緒にいたいと願ったエオスは、ゼウスにティトノスの不死を願い出ます。
ゼウスはこれを聞き入れましたが、エオスは「不老」を願うのを忘れてしまったのです。
ティトノスは死ぬことはなくなりましたが、老化は止まりませんでした。
やがて、ティトノスは永遠に老い続け、体は縮み、声は細くなり、ついには一匹の蝉(またはコオロギ)に変わってしまったと言われています。
これは「願いは慎重にしなければならない」という教訓を含んだ、悲劇的な物語です。
現代への影響
- 「オーロラ(Aurora)」:北極や南極で見られる光の現象の名前
- ディズニー映画『眠れる森の美女』のプリンセスの名前「オーロラ姫」
- 「オーロラ」という名前の植物や製品が多数存在
天と地をつなぐ女神──イリス
基本情報
- 別名:イーリス
- 司る分野:虹、神々の使者
- 象徴:虹色の翼、伝令杖、水差し
- ローマ神話名:イリス(Iris)
どんな女神?
イリスは虹を神格化した女神であり、神々の使者として天と地を結ぶ役割を担いました。
海の神タウマスと大洋の女神エレクトラの娘で、怪鳥ハルピュイアたちの姉妹にあたります。
その名前は古代ギリシャ語で「虹」そのものを意味し、七色の翼を広げて空を飛ぶ美しい姿で描かれました。
神々の忠実な使者
イリスは主に天界の女王ヘラに仕える使者として活躍しました。
虹が空にかかるとき、それは神々からのメッセージが地上に届いた瞬間だと信じられていたんです。
イリスの主な役割
- ヘラの命令を地上に伝える
- オリンポスの神々の間で伝言を運ぶ
- 天と地、神と人間の橋渡しをする
ステュクス川の水を運ぶ使命
イリスの仕事の中でも特に重要だったのが、冥界のステュクス川の水を運ぶことでした。
この水は神々が誓いを立てるときに使われる神聖なもの。
もし神がこの水に誓って嘘をついたら、たとえ神であっても厳しい罰を受けるとされていました。
イリスは虹の翼で天と地を、そして冥界までも行き来し、この重要な水を運んでいたのです。
ヘルメスとの関係
神々の使者としては、ヘルメスも有名です。
イリスとヘルメスの役割分担には諸説ありますが、一般的には以下のように考えられています。
| 使者 | 主な雇い主 | 活動範囲 |
|---|---|---|
| イリス | ヘラ | 天と地、冥界 |
| ヘルメス | ゼウス | 地上、冥界 |
二人は対等な使者として、それぞれの神に仕えていたようです。
現代への影響
- 眼の「虹彩(Iris)」:瞳の周りの色のついた部分
- 花の「アヤメ属(Iris)」:虹のように美しい花
- 写真用語「アイリス(絞り)」:カメラのレンズの絞り
- 「イリデセンス(虹色)」:真珠や石鹸の泡に見られる虹色の輝き
天文と星を司る女神──ウーラニア
基本情報
- 別名:ウラニア、オウラニア
- 司る分野:天文学、星、天体詩
- 象徴:天球儀、コンパス、星をちりばめたマント
- ローマ神話名:ウラニア(Urania)
どんな女神?
ウーラニアは9人の女神ムーサ(ミューズ)の一柱であり、天文学と星の守護女神です。
その名前は「天上のもの」「天に属するもの」を意味し、天空の神ウーラノスに由来しています。
ゼウスと記憶の女神ムネモシュネの娘として生まれ、9人の姉妹の中でも最も気高い存在として描かれました。
ムーサ(ミューズ)とは
ムーサは芸術と学問を司る9人の女神たちで、それぞれが異なる分野を担当しています。
| ムーサの名前 | 司る分野 |
|---|---|
| カリオペ | 叙事詩 |
| クレイオ | 歴史 |
| エウテルペ | 抒情詩・フルート |
| タレイア | 喜劇 |
| メルポメネ | 悲劇 |
| テルプシコラ | 舞踊 |
| エラト | 恋愛詩 |
| ポリュムニア | 讃歌 |
| ウーラニア | 天文学 |
ウーラニアは9番目のムーサであり、地上の事柄ではなく天空と星の神秘を司る特別な存在でした。
天文学との深い関わり
古代ギリシャでは、天文学は単なる科学ではなく、宇宙の秩序と調和を理解する神聖な学問でした。
ウーラニアは以下のような能力を持つとされています。
ウーラニアの力
- 星の配置から未来を予言する
- 天体の動きから世界の法則を読み解く
- 人間の精神を地上の煩悩から天へと導く
哲学者たちはウーラニアを特に敬いました。
なぜなら、天文学を学ぶことは心を地上の俗事から解放し、宇宙の真理に近づくことだと考えられていたからです。
星座を創った女神
ある神話では、ウーラニアが星座を創造したとされています。
神々から夜空を飾る使命を与えられたウーラニアは、天球儀とコンパスを使って星々を配置し、英雄や神獣、神話の場面を描いたと言われています。
私たちが今夜空に見る星座は、ウーラニアが人間を導き、感動させるために創り上げた作品なのかもしれません。
現代への影響
- 惑星「天王星(Uranus)」:天空の神ウーラノスとウーラニアに由来
- 世界各地の「ウラニア天文台」:ベルリン、ウィーン、ブダペストなど
- 元素「ウラン(Uranium)」:天王星発見の翌年に発見されたため
風の女神たち
ギリシャ神話には、空を吹き抜ける風を司る女神たちも存在します。
アウラ──そよ風の女神
アウラはそよ風を神格化したティタンの女神です。
爽やかな風を司り、心地よい涼しさをもたらす存在として描かれました。
複数形の「アウライ」は、そよ風のニンフたちを指します。
オレイテュイア──山風の女神
オレイテュイアは、アテナイの王女から冷たい山風の女神となった存在です。
北風の神ボレアスの妻となり、雪の女神キオネの母となりました。
冷たく厳しい冬の風を司る女神として信仰されています。
ネペレー──雲のニンフたち
ネペレー(ネペライ)は雲を神格化したニンフたちです。
大洋神オケアノスの娘たちとされ、雨雲を運んで大地に恵みの雨をもたらす存在でした。
女神たちの関係性と系譜
空の女神の家系図
ギリシャ神話の空の女神たちは、複雑な家族関係で結ばれています。
原初の神々の系譜
カオス(混沌)
├── ニュクス(夜) ── エレボスとの間に → ヘメラ(昼)、アイテール(上層大気)
└── ガイア(大地) ── ウーラノス(天空)との間に → ティタン神族
ティタン神族の系譜
ヒュペリオン ═ テイア
├── ヘリオス(太陽神)
├── セレネ(月の女神)
└── エオス(曙の女神)
オリンポス神族の系譜
クロノス ═ レア
├── ゼウス(神々の王)═ ヘラ(天界の女王)
│
ゼウス ═ ムネモシュネ
└── 9人のムーサ(ウーラニアを含む)
女神たちの協力関係
空の女神たちは、それぞれの役割を果たすことで、天空の秩序を維持していました。
一日の流れを支える女神たち
- ニュクスが夜の帳を下ろす
- セレネが月光で夜を照らす
- エオスが東の空を薔薇色に染める
- ヘメラが昼の光をもたらす
- ヘリオス(太陽神)が天空を駆ける
- 再びニュクスが夜を呼ぶ
この循環は、女神たちの協力なしには成り立たないものでした。
ギリシャ神話の空の女神 一覧表
最後に、この記事で紹介した空の女神たちを一覧にまとめます。
| 女神名 | 読み方 | 司る分野 | ローマ名 |
|---|---|---|---|
| ヘラ | ヘーラー | 天界の女王、星座 | ユノ |
| ニュクス | ニュークス | 夜 | ノクス |
| ヘメラ | ヘーメラー | 昼 | ディエス |
| セレネ | セレーネー | 月 | ルナ |
| エオス | エーオース | 曙 | アウロラ |
| イリス | イーリス | 虹 | イリス |
| ウーラニア | オウラニア | 天文学、星 | ウラニア |
| アウラ | アウラ | そよ風 | アウラ |
| オレイテュイア | オレイテュイア | 山風 | ─ |
まとめ
ギリシャ神話の空の女神たちは、単なる古代の物語の登場人物ではありません。
天界の女王ヘラから原初の夜の女神ニュクス、月を運ぶセレネに曙を告げるエオス、そして虹の使者イリスや星を司るウーラニアまで──。
彼女たちは、古代ギリシャ人が空を見上げて感じた畏敬の念と美しさへの感動を形にした存在です。
今でも私たちは、天王星(ウラノス)やオーロラ、虹彩(アイリス)といった言葉を通じて、これらの女神たちの名残に触れています。
次に夜空を見上げるとき、月の女神セレネが銀の馬車を走らせる姿を想像してみてはいかがでしょうか。
空に対する見方が、少し変わるかもしれませんよ。


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