ギリシャ神話と星座の物語|夜空に刻まれた神々と英雄たちの伝説

神話・歴史・伝承

夜空を見上げたとき、そこに輝く星々には古代ギリシャの人々が織りなした美しい物語がかくれています。

この記事では、黄道12星座をはじめとする代表的な星座に込められたギリシャ神話の物語を、わかりやすくご紹介します。

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星座と神話の深いつながり

なぜ星座に神話が結びついたのか

実用的な理由

  • 暦の役割:星座の位置で季節や月を知ることができた
  • 航海の指針:船乗りが方角を知るための目印
  • 農業の指標:種まきや収穫の時期を星座で判断

文化的な理由

  • 記憶の手段:物語にすることで覚えやすくなる
  • 教育の道具:子どもたちに道徳や教訓を教える
  • 共通の文化:同じ物語を共有することで絆を深める

古代の人々の想像力

星座の形は、現代の私たちには想像しにくいものも多くあります。

でも、古代の人々は豊かな想像力で、星々をつないで神話の登場人物を描き出しました。

黄道12星座の神話物語

おひつじ座(Aries)|金羊毛の伝説

昔、ギリシャのテーベという国で、王子プリクソスと王女ヘレーが継母に命を狙われていました。

そんな二人を救うため、神々は金色の毛を持つ飛ぶ羊を送りました。

この羊に乗って逃げる途中、妹のヘレーは海に落ちて命を落としましたが、兄のプリクソスは無事にコルキスの国にたどり着きました。

その後、この金の羊の姿が星座になったのです。

ちなみに、この金の羊の皮を求めて、イアソンの冒険が始まる。

おうし座(Taurus)|ゼウスの恋の変身

全能の神ゼウスは、フェニキアの美しい王女エウロペに恋をしました。

しかし、そのまま近づいては彼女を驚かせてしまいます。

そこでゼウスは美しい白い牛に変身し、エウロペの前に現れました。

エウロペがその美しい牛の背中に乗ると、ゼウスは彼女を背負ったまま海を渡り、クレタ島へと向かいました。

この白い牛の姿が星座になったのです。

おうし座は、プレイアデスとも関連しています。

ふたご座(Gemini)|兄弟愛の象徴

カストルとポルックス(ポリュデウケース)は、スパルタの王妃レダの息子でした。

でも実は、ポルックスの父はゼウスで、カストルの父は人間の王でした。
つまり、一人は神の子、一人は人間の子という特別な双子でした。

二人はとても仲が良く、いつも一緒に冒険していました。
しかし、人間の血を引くカストルが戦いで命を落としてしまいます。

悲しんだポルックスは、自分の不老不死の力を兄と分け合うことを願い、二人は1日おきに代わりばんこで不死となりました。

この仲よき2人が双子座となりました。

かに座(Cancer)|小さな勇者の物語

ヘラクレスが九つの頭を持つ怪物ヒドラと戦っていたとき、ヘラクレスを憎む女神ヘラは、小さなカニを送り込みました。

カニはヘラクレスの足を挟んで彼を邊魔しようとしましたが、あまりにも力の差が大きく、簡単に踏み潰されてしまいました。

しかし、ヘラはこの小さなカニの死を悼みえ、彼を天に送りました。

しし座(Leo)|ヘラクレスの最初の功業

ネメアの谷に住む巨大な獅子は、どんな武器も通じない黄金の毛皮を持つ怪物でした。

この獅子を退治することが、ヘラクレスの12の功業の最初の試練でした。

剣も矢も効かない獅子に、ヘラクレスは困り果てました。

そこで彼は自分の強い腕で獅子の首を絞め、ついに倒すことに成功しました。

その後、ヘラクレスはこの獅子の毛皮を防具として身につけ、獅子の姿は星座として夜空に刻まれました。

おとめ座(Virgo)|正義の女神の物語

アストライア(またはディケー)は、正義を司る女神でした。

黄金時代には人間と一緒に地上で暮らしていましたが、人間が堕落し始めると、悲しんで天に昇っていきました。

乙女座の隣には天秤座(正義の秤)があり、正義を測る女神の姿を表しています。

おとめ座のモデルについては諸説あります。

デメテルやアフロディーテがモデルだという説もあります。

てんびん座(Libra)|正義の秤

天秤座は、正義の女神アストライアが持つ正義を測る秤を表しています。

さそり座(Scorpius)|オリオンを倒した勇者

大地の女神ガイアは、傲慢な狩人オリオンに怒りを感じていました。

オリオンは「自分は世界中のどんな動物も倒せる」と豪語していたからです。

そこでガイアは毒針を持つ大きなサソリを送り、オリオンを刺して倒しました。

このサソリの姿が星座として夜空に刻まれました。

興味深いことに、オリオン座とさそり座は常に追いかけっこをしてるような配置になっています。

サソリを送ったのは、アルテミスだという話もあります。

いて座(Sagittarius)|半人半馬の賢者

神話の物語 いて座のモデルは、半人半馬のケンタウロス族の賢者ケイロンです。

ケイロンは他のケンタウロスとは違い、とても知識豊富で音楽や医学に長けていました。

ヘラクレスが放った毒矢が誤ってケイロンに当たってしまい、不老不死の体のせいで永遠に苦しむことになったケイロン。

彼はゼウスに自分の死を願って聞き入れられ、哀れんだゼウスが彼を星座として天に昇らせた。

やぎ座(Capricornus)|牧神パンの変身

牧神パンは、山羊の角と足を持つ神でした。

ある日、怪物テュポン神々に襲いかかってきました。

神々は慌てて動物に変身して逃げました。
パンは上半身は山羊、下半身は魚という奇妙な姿に変身しました。

この姿がやぎ座になりました。

一説では、ティタノマキアでのパンが活躍したので、星座にされた。

みずがめ座(Aquarius)|美少年ガニメデス

ガニメデスは、トロイの美しい王子でした。
その美しさに魅了されたゼウスは、ガニメデスを天に連れて行きました。

ガニメデスは神々の宴会で神酒ネクタルを注ぐ給仕の役目を与えられた。
水瓶から注がれる水は、神々に不老不死を与える神聖な飲み物なのです。

このガニメデスが水瓶を持つみずがめ座。

うお座(Pisces)|愛の女神の変身

愛と美の女神アフロディーテと息子のエロス(キューピッド)が、川のほとりを歩いていると、突然怪物テュポンが現れました。

母子は急いで2匹の魚に変身して川に飛び込みんで逃げました。

この二柱の姿が星座として夜空に刻まれたのです。

その他の有名な星座と神話

カシオペヤ座|虚栄心の罰

エチオピアの王妃カシオペヤは、娘アンドロメダの美しさを海の妖精ネレイドたちより美しいと自慢しました。

これに怒った海神ポセイドンは、海の怪物を送り込み、国を脅かしました。

最終的にアンドロメダは勇者ペルセウスに救われましたが、カシオペヤは虚栄心の罰として逆さまで天を回り続けることになりました。

ペルセウス座|英雄の物語

ルセウスは、ゼウスと人間の王女ダナエの息子です。彼は見た者を石に変える怪物メデューサを退治し、その帰り道で海の怪物に襲われそうになっていたアンドロメダ姫を救いました。

メデューサの首を持ち、天馬ペガススにまたがって空を飛ぶペルセウスの勇敢な姿が星座になっています。

最後に

星座は、神話や伝承と深く関連しています。

私は、元々星座にあんまり興味がなかったのですが、神話を知ると星を見るのが楽しくなりました。

皆さんも、神話で星座を楽しんでみてくださいね。

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