神社やお寺に参拝するとき、「ここはどんなご利益があるんだろう?」と気になったことはありませんか?
初詣や合格祈願、七五三など、人生の節目に神社を訪れる機会は多いものです。
でも、「そもそもご利益って何?」「どの神社に行けばいいの?」という疑問を持つ方も少なくないでしょう。
実は、神社によって得意とするご利益が異なります。
縁結びなら出雲大社、商売繁盛なら伏見稲荷大社、学業成就なら太宰府天満宮…というように、願い事に合った神社を選ぶことで、より効果的な参拝ができるんです。
この記事では、ご利益の意味から種類、代表的な神社まで、わかりやすく一覧形式でご紹介します。
ご利益とは?

読み方と意味
「ご利益」は 「ごりやく」 と読みます。
「ごりえき」ではないので注意してくださいね。
ご利益とは、神仏に祈願や感謝を捧げることで得られる恩恵や助けのことを指します。
「利益(りやく)」という言葉に、敬意を表す「ご(御)」がついた形なんです。
神道における「ご神徳」との関係
神道では、神様はそれぞれ特定の分野での力を持っていると考えられています。
この力を 「ご神徳(ごしんとく)」 といいます。
例えば、天照大御神(アマテラス)なら国家安泰、宇迦之御魂神(ウカノミタマ)なら五穀豊穣というように、神様ごとに得意分野があるんです。
参拝者がこのご神徳に基づいて祈願し、それが叶ったり幸運を得たりすることが「ご利益をいただく」ということになります。
ご利益の種類一覧【カテゴリ別】
神社やお寺で祈願できるご利益は、実に多種多様です。
ここでは、カテゴリ別に主なご利益を一覧でまとめました。
恋愛・結婚に関するご利益
| ご利益 | 意味 |
|---|---|
| 縁結び | 良い人との出会いを願う |
| 良縁成就 | 良い縁が結ばれることを願う |
| 恋愛成就 | 恋が実ることを願う |
| 夫婦円満 | 夫婦仲が良好であることを願う |
| 復縁 | 別れた相手とよりを戻すことを願う |
| 縁切り | 悪縁を断ち切ることを願う |
仕事・お金に関するご利益
| ご利益 | 意味 |
|---|---|
| 商売繁盛 | 商売がうまくいくことを願う |
| 金運上昇 | お金に恵まれることを願う |
| 出世開運 | 仕事で出世することを願う |
| 社運隆昌 | 会社の発展を願う |
| 事業成功 | 新規事業の成功を願う |
| 就職成就 | 希望する就職先に決まることを願う |
学業・試験に関するご利益
| ご利益 | 意味 |
|---|---|
| 学業成就 | 学問が上達することを願う |
| 合格祈願 | 試験に合格することを願う |
| 智慧増長 | 知恵が身につくことを願う |
| 技芸上達 | 芸事や技術が向上することを願う |
健康・長寿に関するご利益
| ご利益 | 意味 |
|---|---|
| 健康祈願 | 健康でいられることを願う |
| 病気平癒 | 病気が治ることを願う |
| 健康長寿 | 長生きできることを願う |
| 無病息災 | 病気にかからないことを願う |
| 身体安全 | 怪我や事故から守られることを願う |
家庭・子どもに関するご利益
| ご利益 | 意味 |
|---|---|
| 家内安全 | 家族が健康で幸せであることを願う |
| 子授け | 子どもを授かることを願う |
| 安産祈願 | 無事に出産できることを願う |
| 子育て守護 | 子どもの成長を願う |
| 家運隆昌 | 家の繁栄を願う |
厄除け・開運に関するご利益
| ご利益 | 意味 |
|---|---|
| 厄除け | 厄年の災いを避けることを願う |
| 災難除け | 災害や事故から守られることを願う |
| 方位除け | 方角による災いを避けることを願う |
| 開運招福 | 運が開けることを願う |
| 心願成就 | 心からの願いが叶うことを願う |
安全に関するご利益
| ご利益 | 意味 |
|---|---|
| 交通安全 | 車や旅行中の事故から守られることを願う |
| 旅行安全 | 旅先での安全を願う |
| 航海安全 | 海の旅の安全を願う |
| 工事安全 | 建設工事の無事を願う |
その他のご利益
| ご利益 | 意味 |
|---|---|
| 必勝祈願 | 勝負事に勝つことを願う |
| 五穀豊穣 | 農作物が豊かに実ることを願う |
| 大漁満足 | 漁業の成功を願う |
| 芸能上達 | 芸能の才能が向上することを願う |
| 美容祈願 | 美しくなることを願う |
神社の種類別ご利益ガイド

日本には約8万社もの神社があるとされています。
その中でも特に数が多い神社の系統と、それぞれのご利益を紹介します。
稲荷神社(お稲荷さん)
全国に約3万社 ── 最も数が多い神社です。
ご祭神:宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)
主なご利益
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
- 家内安全
- 産業興隆
もともとは稲作・食物の神様でしたが、江戸時代にお稲荷さんを信仰した商人たちが次々と成功を収めたことから、商売の神様としても崇められるようになりました。
代表的な神社
- 伏見稲荷大社(京都府)
- 豊川稲荷(愛知県)
- 笠間稲荷神社(茨城県)
八幡神社(八幡さま)
全国に約2万5千社 ── 武士から庶民まで幅広く信仰されてきました。
ご祭神:応神天皇、神功皇后など
主なご利益
- 勝負運・必勝祈願
- 出世開運
- 家内安全
- 国家鎮護
源氏の氏神として武士に信仰され、勝負の神様として知られています。
代表的な神社
- 宇佐神宮(大分県)
- 石清水八幡宮(京都府)
- 鶴岡八幡宮(神奈川県)
天満宮(天神さま)
全国に約1万2千社 ── 学問の神様として有名です。
ご祭神:菅原道真公
主なご利益
- 学業成就
- 合格祈願
- 書道上達
- 文芸上達
平安時代の学者・菅原道真公をお祀りしており、受験シーズンには多くの学生が参拝します。
代表的な神社
- 太宰府天満宮(福岡県)
- 北野天満宮(京都府)
- 湯島天神(東京都)
出雲系神社
ご祭神:大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)
主なご利益
- 縁結び
- 子授け
- 夫婦和合
- 商売繁盛
「だいこくさま」として親しまれ、あらゆる良縁を結んでくださる神様です。
代表的な神社
- 出雲大社(島根県)
- 大國魂神社(東京都)
神明神社
全国に約5,000社
ご祭神:天照大御神(アマテラスオオミカミ)
主なご利益
- 国家安泰
- 開運招福
- 家内安全
- 五穀豊穣
日本神話の最高神であり、皇室の祖神としても知られています。
代表的な神社
- 伊勢神宮(三重県)
- 東京大神宮(東京都)
住吉神社
ご祭神:住吉三神
主なご利益
- 航海安全
- 交通安全
- 商売繁盛
- 和歌上達
海の神様として、古くから船乗りや漁師に信仰されてきました。
代表的な神社
- 住吉大社(大阪府)
- 住吉神社(福岡県)
熊野神社
ご祭神:熊野三所権現
主なご利益
- 延命長寿
- 厄除け
- 縁結び
- 現世利益
「よみがえりの聖地」として、再生・復活のパワースポットとしても人気があります。
代表的な神社
- 熊野本宮大社(和歌山県)
- 熊野速玉大社(和歌山県)
- 熊野那智大社(和歌山県)
ご利益別おすすめ神社
「この願い事をするなら、どの神社がいい?」という疑問にお答えします。
縁結び・恋愛成就に強い神社
- 出雲大社(島根県)── 縁結びの総本山
- 東京大神宮(東京都)── 「東京のお伊勢さま」として恋愛成就で人気
- 貴船神社(京都府)── 和泉式部も祈願した縁結びの名所
- 地主神社(京都府)── 清水寺境内にある恋占いの石で有名
商売繁盛・金運アップに強い神社
- 伏見稲荷大社(京都府)── 商売の神様の総本宮
- 西宮神社(兵庫県)── えびす様の総本社
- 今宮戎神社(大阪府)── 十日戎で知られる商売の神様
学業成就・合格祈願に強い神社
- 太宰府天満宮(福岡県)── 菅原道真公を祀る総本宮
- 北野天満宮(京都府)── 天神さまの発祥の地
- 湯島天神(東京都)── 関東の受験生に人気
厄除け・災難除けに強い神社
- 川崎大師(神奈川県)── 厄除けの祈祷で有名
- 成田山新勝寺(千葉県)── 交通安全・厄除けの名所
- 明治神宮(東京都)── 都心のパワースポット
安産・子授けに強い神社
- 水天宮(東京都)── 安産の神様として全国的に有名
- 鬼子母神堂(東京都)── 子育て・安産のお寺
- 子安神社(東京都)── その名の通り安産の守護神
神社でいただける授与品
参拝の際にいただける授与品についても知っておきましょう。
お守り(おまもり)
神仏の加護が込められた小さな袋です。
種類によって以下のようなご利益があります。
- 交通安全守:車や自転車、通勤通学の安全
- 学業成就守:勉強や試験の成功
- 縁結び守:良縁との出会い
- 健康守:病気予防や健康維持
- 安産守:妊娠中の安全と無事の出産
- 厄除け守:災いからの保護
お守りは一般的に 1年を目安に新しいものに替える のが良いとされています。
古いお守りは、いただいた神社に返納してお焚き上げしてもらいましょう。
お札(おふだ)
神棚や家の高い場所にお祀りするものです。
お守りが個人を守護するのに対し、お札は家や職場全体を守護してくれます。
絵馬(えま)
願い事を書いて奉納する木の板です。
もともとは本物の馬を神様に奉納していた名残りで、馬の絵が描かれていることが多いですね。
最近では、神社ごとにユニークなデザインの絵馬も増えています。
おみくじ
神様からのメッセージが書かれた紙です。
運勢の順番は一般的に以下の通りです。
大吉 → 吉 → 中吉 → 小吉 → 末吉 → 凶 → 大凶
凶や大凶が出た場合は、境内の木や専用の場所に結んで帰ると、悪い運勢を置いていけるとされています。
参拝の基本マナー
ご利益をいただくためには、正しい参拝方法を知っておくことも大切です。
神社参拝の基本的な流れ
- 鳥居の前で一礼
- 鳥居は神様の領域への入り口
- 帽子を脱いで軽く一礼してから通過
- 参道の歩き方
- 参道の中央は神様の通り道
- 端を歩くのがマナー
- 手水舎での清め
- 左手→右手→口→左手の順で清める
- 柄杓から直接口をつけない
- 拝殿での参拝
- お賽銭を入れる
- 鈴を鳴らす
- 二礼二拍手一礼(神社の場合)
- 退出時も一礼
- 鳥居を出る前に振り返って一礼
お賽銭について
お賽銭の金額に決まりはありません。
「ご縁がありますように」という意味で 5円 を入れる方も多いですね。
大切なのは金額ではなく、感謝の気持ちを込めることです。
よくある質問
Q:複数の神社でお守りをもらっても大丈夫?
A:問題ありません。
日本の神様は「八百万(やおよろず)の神」といって、多くの神様が共存する考え方があります。
異なる神社のお守りを一緒に持っていても、神様同士がケンカすることはないとされています。
Q:お守りの有効期限は?
A:一般的には1年が目安です。
新年に新しいお守りに替えて、古いものは神社にお返しするのが習わしです。
ただし、厳密な期限があるわけではないので、大切にしているお守りはそのまま持っていても構いません。
Q:お礼参りは必要?
A:願いが叶ったら、感謝の気持ちを伝えに行くのが良いとされています。
必ずしも同じ神社に行く必要はありませんが、できれば祈願した神社にお礼参りをするのが理想的です。
Q:神社とお寺の違いは?
A:神社は神道、お寺は仏教の施設です。
| 項目 | 神社 | お寺 |
|---|---|---|
| 宗教 | 神道 | 仏教 |
| 祀る対象 | 神様(八百万の神) | 仏様(仏陀など) |
| 建物の特徴 | 鳥居がある | 山門がある |
| 参拝方法 | 二礼二拍手一礼 | 合掌のみ |
まとめ
ご利益とは、神仏に祈願することで得られる恩恵のことです。
神社にはそれぞれ祀られている神様によって、得意なご利益が異なります。
主なご利益の種類
- 恋愛系:縁結び、良縁成就、夫婦円満
- 仕事系:商売繁盛、出世開運、就職成就
- 学業系:学業成就、合格祈願
- 健康系:健康祈願、病気平癒、無病息災
- 家庭系:家内安全、子授け、安産祈願
- 開運系:厄除け、開運招福、心願成就
自分の願い事に合った神社を選んで参拝することで、より効果的な祈願ができます。
ただし、最も大切なのは 感謝の気持ちと誠実な心 です。
神様に願い事をするだけでなく、日頃の感謝を伝えることも忘れないようにしましょう。
興味を持った神社があれば、ぜひ実際に足を運んでみてください。
参拝を通じて、心が清らかになる体験ができるはずです。


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