五畿七道とは?古代日本の行政区分をわかりやすく解説

神話・歴史・文化

五畿七道(ごきしちどう)は、古代日本における広域の行政区分の呼び方です。
都の周辺にあった5つの国と、全国を7つの地域に分けた「道」を合わせた名称なんですね。

現在でも「東海地方」「北陸地方」といった地名が残っていますが、これらはすべて五畿七道に由来しているんです。

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五畿七道の成立

五畿七道の原型が成立したのは、天武天皇の時代とされています。
中国の唐で使われていた行政区分の「道」という制度を参考にして、日本独自のシステムとして整備されました。

律令制の下で、地方を効率的に管理するために設けられた区分で、税の徴収や地方統治に重要な役割を果たしていたんですね。

五畿とは

五畿(ごき)は、都の周辺にあった5つの国を指します。
現代で言えば「首都圏」のような位置づけです。

具体的には以下の5国です。

大和国(やまとのくに)
現在の奈良県にあたります。
奈良時代には平城京が置かれた政治の中心地でした。

山城国(やましろのくに)
現在の京都府南部にあたります。
平安時代に平安京が置かれ、以後長く都として機能しました。

摂津国(せっつのくに)
現在の大阪府北西部と兵庫県東部にあたります。

河内国(かわちのくに)
現在の大阪府南東部にあたります。

和泉国(いずみのくに)
現在の大阪府南部にあたります。

五畿が確定したのは、和泉国が河内国から分離した757年(天平宝字元年)のことです。
それ以前は「四畿内」と呼ばれていました。

五畿は都の周辺地域として特別扱いされており、税金が軽減されるなど優遇措置がありました。

七道とは

七道(しちどう)は、畿内から放射状に伸びる7つの地域区分です。
各地域は同じ名前の幹線道路(駅路)で結ばれており、行政区分であると同時に交通網としての意味も持っていました。

東海道(とうかいどう)
現在の三重県(熊野地方を除く)、愛知県、静岡県、山梨県、神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県、茨城県にあたります。
太平洋沿岸を東へ延びる地域です。

東山道(とうさんどう)
現在の滋賀県、岐阜県、長野県、群馬県、栃木県、福島県、宮城県、岩手県、秋田県、青森県にあたります。
内陸部を北東へ延びる地域です。

北陸道(ほくりくどう)
現在の福井県、石川県、富山県、新潟県にあたります。
日本海側を北東へ延びる地域です。

山陰道(さんいんどう)
現在の京都府北部、兵庫県北部、鳥取県、島根県にあたります。
日本海側を西へ延びる地域です。

山陽道(さんようどう)
現在の兵庫県南西部、岡山県、広島県、山口県にあたります。
瀬戸内海北岸を西へ延びる地域で、七道の中で最も重視されていました。

南海道(なんかいどう)
現在の三重県熊野地方、和歌山県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県にあたります。
紀伊半島と四国を含む地域です。

西海道(さいかいどう)
現在の九州全域と壱岐・対馬にあたります。
大陸との外交・防衛上の重要性から大宰府が置かれ、九州全域を管轄していました。

七道の駅路システム

七道の各国の国府(こくふ)は、同じ名前の幹線道路(駅路)で結ばれていました。
約16キロごとに駅(駅家)が置かれ、駅馬が常備されていたんです。

駅鈴(えきれい)を持つ官人や公文書を運ぶ使者が到着すると、乗り継ぎ用の駅馬や案内役の駅子が提供されました。

駅路は重要度によって大路・中路・小路の3つに区分されていました。

山陽道は唯一の大路で、駅家ごとに20頭の駅馬が配備されていました。
東海道と東山道は中路で、駅家ごとに10頭の駅馬が配備されました。
その他の道は小路で、駅家ごとに5頭の駅馬が配備されました。

五畿七道から五畿八道へ

明治維新後の1869年(明治2年)9月20日、蝦夷地に新たに北海道が置かれました。
これにより、五畿七道は「五畿八道」とも呼ばれるようになったんです。

1871年(明治4年)の廃藩置県以降も五畿八道は正式には廃止されず、令制国も併用されていました。
しかし1885年(明治18年)以降は公的にはほとんど使用されなくなり、社会的にも徐々に使われなくなっていきました。

現代に残る五畿七道

五畿七道の制度自体は使われなくなりましたが、地方名として現代にもしっかり残っています。

「東海地方」「北陸地方」「山陰地方」「山陽地方」などの呼び方は、すべて五畿七道に由来しているんですね。
また「近畿地方」の「畿」も、五畿の「畿」から来ています。

このように、千年以上前の行政区分が現代の地域呼称に影響を与え続けているのは、とても興味深いことです。

参考情報

この記事の作成にあたり、以下の情報源を参照しました。

Web資料

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