ファンタジー作品やゲーム、アニメが好きな人なら「ギンヌンガガプ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
「なんだか神秘的で難しそう…」
「聞いたことはあるけど、意味がよくわからない」
「北欧神話って興味あるけど、とっつきにくそう」
そんなふうに思う方も多いでしょう。
でも実は、ギンヌンガガプは北欧神話の中でも特にロマンにあふれた、想像力をかき立てる概念なんです。
現代のゲームや小説、映画にも大きな影響を与え続けています。
この記事では、ギンヌンガガプの意味や、どんな世界なのか、そして現代にどう受け継がれているのかを、初心者の方でもわかりやすく、そして最後まで興味を持って読めるように解説します。
ギンヌンガガプとは?

名前の由来と意味
「ギンヌンガガプ(Ginnungagap)」は、古ノルド語で作られた言葉です。
言葉の構成
- ギンヌンガ(ginnung):「広大な」「魔法に満ちた」
- ガプ(gap):「裂け目」「隙間」「空洞」「深淵」
直訳の意味
つまり直訳すると「魔法的な力に満ちた裂け目」「広大な深淵」という意味になります。
他の翻訳例
学者や翻訳者によって、さまざまな解釈があります。
北欧神話での位置づけ
世界創造以前の状態
ギンヌンガガプは、北欧神話において世界が生まれる前に存在した空間です。
まだ何もない時代:
- 神々もいない
- 大地もない
- 空もない
- 海もない
- 人間もいない
ただこの「虚無」だけが、永遠に広がっていました。
宇宙創造の舞台としてのギンヌンガガプ

三つの世界の配置
ギンヌンガガプを中心に、宇宙は以下のような構造になっていました:
北の世界:ニヴルヘイム
- 氷と霧の国
- エーリヴァーガル川:毒の川が流れる
- 極寒の世界
- 原初の氷が存在
南の世界:ムスペルヘイム
- 炎の国
- スルト:炎の巨人が支配
- 灼熱の世界
- 原初の火が燃え盛る
中央:ギンヌンガガプ
- 虚無の空間
- 氷と炎がぶつかる場所
- 生命誕生の舞台
世界創造の物語
氷と炎の出会い
氷の進出:
- ニヴルヘイムから冷たい氷河がギンヌンガガプに流れ込む
- 霧と氷の結晶が空間を満たす
炎の侵入:
- ムスペルヘイムから熱風と火花がギンヌンガガプに吹き込む
- 溶岩と炎が氷河に向かって押し寄せる
生命の雫
ギンヌンガガプで氷と炎がぶつかり合い、そこから1つの雫が落ちました。
ステップ3:ユミルの誕生
この雫からユミルという巨人が生まれました。
ユミルはフリムスルス(霜の巨人)とも呼ばれる
ユミルの特徴:
- フリムスルス(霜の巨人)とも呼ばれる
- すべての巨人の祖先となる
- 自分の体から子供を生み出す能力
- 汗から男女の巨人が生まれる
アウズンブラの出現
原始の牝牛:
- ユミルと同時期にアウズンブラという牝牛が誕生
- ユミルに乳を与えて養う
- 塩気のある氷をなめて生きる
ブーリの解放:
- アウズンブラが氷をなめ続ける
- 3日かけて氷の中からブーリという男が現れる
- ブーリは神々の祖先となる
まとめ
ギンヌンガガプは、神や生物が誰も存在しなかった時の原初の空間。
その空間の北には氷のニブルヘイム、南に炎のムスペルヘイムがありました。
氷と炎がギンヌンガガプでぶつかり合い、そこから雫が落ちて、最初の巨人ユミルが生まれました。
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