妖怪「がこぜ」:古都奈良の元興寺に現れる鬼

神話・歴史・伝承

古都奈良の夜闇に響く、不気味な呻き声と這いずる音…それは飛鳥時代から語り継がれる恐ろしい妖怪「がこぜ」の仕業かもしれません。

元興寺という歴史ある寺の鐘楼に現れ、子どもたちを襲う妖怪。

この記事では、日本最古の怪談のひとつとされる「がこぜ」について詳しく解説していきます。

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名前

「がこぜ」や「がごぜ」「がごじ」「ぐわごぜ」など、呼び名は地域や時代によってさまざまです。

一方、「元興寺の鬼」「がんごうじのおに」とも呼ばれ、奈良・元興寺の鐘楼に出る鬼として知られます。

基本情報

  • 名称:がこぜ(ガコゼ)
  • 別名:元興寺の鬼、がんごうじのおに
  • 登場地域:奈良県・元興寺とその周辺

姿・見た目

古い絵巻や浮世絵では、がこぜは白装束の僧形(そうぎょう)で、這(は)うような姿で描かれています。

  • 僧の服装
  • 這うような格好

伝承

『日本霊異記』(822年頃)や『本朝文粋』などで、子ども僧の怪死事件として紹介されています。

基本的な伝承

伝承によると:

  1. 飛鳥時代、雷神を殺さず助けた農夫に、超人的な力を持った子供が授けられる
  2. その子が元興寺の童子となり、妖怪・がこぜを夜に退治(頭髪を残して逃げていった)
  3. がこぜは下男だった霊で、その墓は今も元興寺北東にある「不審ヶ辻子町」に続く

がこぜの頭髪は寺の宝となりました。

がこぜを退治した童子は、のちに道場法師となります。

まとめ

がこぜは、子どもを襲う鬼の妖怪

重要なポイント

  • 元興寺に現れた鬼
  • 僧侶の服装で這うような姿が特徴
  • 雷神の力を授かった子によって退治された

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