外典とは?聖書の「隠された書物」をわかりやすく解説

神話・歴史・伝承

映画やゲーム、小説などで「外典」「アポクリファ」という言葉を見かけたことはありませんか?

たとえば、人気アニメ『Fate/Apocrypha』や、ゲーム『The Elder Scrolls』シリーズに登場する「Apocrypha」という名前。これらはすべて、聖書の「外典」に由来しています。

「外典って聖書の一部なの?」「正典とは何が違うの?」「なぜ”隠された”と呼ばれるの?」

こうした疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、外典の意味や歴史、主な文書の内容、そしてキリスト教の各教派による扱いの違いまで、わかりやすく解説していきます。


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外典(アポクリファ)の基本

外典とは何か

外典(がいてん)とは、ユダヤ教やキリスト教に関連する宗教文書のうち、正典(聖書本編)には含まれなかった文書群のことです。

聖書の正典は、旧約聖書39巻と新約聖書27巻の計66巻とされています(プロテスタントの場合)。外典は、これらの正典から除外された文書を指しているのです。

外典は英語で「Apocrypha(アポクリファ)」と呼ばれます。この言葉は、ギリシア語の「ἀπόκρυφος(アポクリュフォス)」に由来し、「隠されたもの」という意味を持っています。

なぜ「隠された」と呼ばれるのか

「隠された」という名前の由来には、いくつかの説があります。

秘教的な意味での「隠された」

もともとは、一般の人々には公開されない「秘密の教え」を意味していました。グ
ノーシス主義などでは、特別な知識を持つ者だけが理解できる神聖な文書という肯定的な意味で使われていたのです。

正典から「除外された」という意味

しかし、キリスト教会が聖書の正典を確定する過程で、この言葉の意味は変化しました。
正典に含めるべきかどうか議論があったものの、最終的に除外された文書を指すようになったのです。

外典・偽典・第二正典の違い

聖書関連の文書には、外典以外にもさまざまな分類があります。混同しやすいので、ここで整理しておきましょう。

用語意味特徴
正典(カノン)聖書として認められた書旧約39巻+新約27巻
外典(アポクリファ)正典に含めるか議論があったが除外された書七十人訳聖書に含まれていた
偽典(プセウデピグラファ)そもそも正典候補にならなかった書聖書の人物名を借りて書かれた文書
第二正典(デウテロカノニカル)カトリックが正典として認める追加文書旧約外典の一部

ポイントは、外典は「正典に入れようという主張があった」文書だということです。
一方、偽典は最初から聖書として認められる可能性がなかった文書を指します。

また、「第二正典」という用語は、カトリック教会が用いる表現で、プロテスタントが「外典」と呼ぶ文書の多くを指しています。つまり、同じ文書でも教派によって呼び方や扱いが異なるのです。


外典が生まれた歴史的背景

七十人訳聖書と外典の関係

外典の歴史を理解するには、七十人訳聖書(セプトゥアギンタ)について知る必要があります。

紀元前3世紀頃、エジプトのアレクサンドリアに住むユダヤ人のために、ヘブライ語の聖書がギリシア語に翻訳されました。伝説では72人の学者が翻訳に携わったとされ、「七十人訳」と呼ばれています。

この七十人訳聖書には、ヘブライ語の旧約聖書にはない文書がいくつか含まれていました。これが後に「外典」と呼ばれることになる文書群です。

初期のキリスト教会は、ギリシア語を共通語としていたため、この七十人訳聖書を旧約聖書として使用していました。そのため、外典の文書も聖書の一部として読まれていたのです。

ヤムニア会議と正典の確定

紀元70年、ローマ帝国によってエルサレム神殿が破壊されました。この危機的状況の中で、ユダヤ教は自らのアイデンティティを守るため、聖書の正典を明確にする必要に迫られます。

紀元90年頃、イスラエル南西部のヤムニア(ヤブネ)で会議が開かれました。ここでファリサイ派のラビたちは、ヘブライ語で書かれた文書のみを正典とするという方針を確認したのです。

この結果、七十人訳聖書にのみ含まれていたギリシア語の文書は、ユダヤ教の正典から除外されることになりました。

キリスト教会での議論

一方、キリスト教会では外典の扱いについて長い議論が続きました。

4世紀の教父ヒエロニムス(ジェローム)は、聖書をラテン語に翻訳する際(ヴルガータ訳)、ヘブライ語正典と七十人訳聖書の違いに気づきました。彼は、ヘブライ語にない文書を「外典」と呼び、正典とは区別すべきだと主張しました。

しかし、アウグスティヌスのように、七十人訳聖書全体を正典として認める立場もありました。この見解の対立は、16世紀の宗教改革まで決着がつかなかったのです。

宗教改革と外典の位置づけ

16世紀、マルティン・ルターが宗教改革を起こしました。ルターは聖書をドイツ語に翻訳する際、ヒエロニムスの立場を採用し、外典を正典から除外しました。

これに対抗して、カトリック教会は1546年のトリエント公会議で、外典の多くを「第二正典」として正式に正典に含めることを宣言しました。

こうして、プロテスタントとカトリックで聖書の構成が異なるという現状が生まれたのです。


教派による外典の扱いの違い

各教派の立場を比較

外典の扱いは、キリスト教の教派によって大きく異なります。

教派外典の扱い備考
カトリック教会第二正典として正典に含める旧約聖書は46巻
正教会正典として受け入れ、礼拝で使用カトリックより範囲が広い
プロテスタント正典とは認めない歴史的・文学的価値は認める教派も
聖公会「生活と道徳の模範」として尊重教義の根拠には使用しない
ユダヤ教外典として扱う聖典には含めない

カトリック教会では、トビト記、ユディト記、マカバイ記1・2、知恵の書、シラ書(集会の書)、バルク書、ダニエル書補遺、エステル記補遺などを第二正典として聖書に含めています。

正教会は、カトリックが認める第二正典に加えて、マカバイ記3、詩篇第151篇、マナセの祈りなども正典として扱っています。

プロテスタントの多くの教派は外典を正典とは認めませんが、ルーテル派聖公会では、礼拝での朗読や個人の信仰生活のための読み物として価値を認めています。

日本の聖書における扱い

日本で広く使われている新共同訳聖書(1987年刊行)では、外典は「旧約聖書続編」という名称で収録されています。

この名称は、カトリック教会とプロテスタント教会の共同翻訳という性質から、どちらの立場にも配慮した中立的な表現として採用されました。

新共同訳の「旧約聖書続編」には、以下の文書が含まれています。

  • トビト記
  • ユディト記
  • エステル記(ギリシア語)
  • マカバイ記1・2
  • 知恵の書
  • シラ書(集会の書)
  • バルク書
  • エレミヤの手紙
  • ダニエル書補遺(アザルヤの祈り、スザンナ、ベルと竜)
  • エズラ記(ギリシア語・ラテン語)
  • マナセの祈り

主な旧約外典の紹介

旧約外典には、歴史書、物語、知恵文学、黙示文学など、さまざまなジャンルの文書が含まれています。ここでは、代表的な文書をいくつか紹介しましょう。

トビト記──天使と悪魔が登場する物語

成立時期:紀元前3〜2世紀頃

あらすじ

アッシリア捕囚の時代、ニネベに暮らす敬虔なユダヤ人トビトは、同胞の死体を埋葬するという善行を行っていました。ある日、庭で寝ていると鳥の糞が目に落ち、失明してしまいます。

同じ頃、エクバタナという町では、サラという女性が悪魔アスモダイに苦しめられていました。彼女は7回結婚しましたが、初夜のたびに夫が悪魔に殺されてしまうのです。

神は二人の祈りを聞き、天使ラファエルを地上に遣わします。ラファエルは人間の姿でトビトの息子トビアに同行し、魚の内臓を使って悪魔を追い払う方法を教えました。トビアはサラと結婚し、父の目も癒されるという幸福な結末を迎えます。

特徴と影響

トビト記は、天使や悪魔が具体的に登場する物語として注目されています。特に天使ラファエルは、この書を通じて広く知られるようになりました。

また、困難な状況でも信仰を守り続ければ神の助けが与えられるという教訓は、多くの芸術作品にも影響を与えています。レンブラントの『盲目のトビトを治す天使』など、絵画の題材としても人気です。

ユディト記──女戦士の英雄譚

成立時期:紀元前2世紀頃

あらすじ

アッシリアの将軍ホロフェルネスが大軍を率いてユダヤの町ベトリアを包囲しました。水源を断たれた町の人々は、5日以内に神の助けがなければ降伏すると決めてしまいます。

美しい未亡人ユディトは、神への信頼を失った同胞たちを叱責し、自ら敵陣に乗り込む決意をしました。彼女は美しく着飾って敵の陣営に入り、ホロフェルネスを魅了します。

宴会で酔いつぶれた将軍の首を、ユディトは彼自身の剣で切り落としました。指導者を失ったアッシリア軍は混乱し、ユダヤの人々は勝利を収めたのです。

特徴と影響

ユディト記は、女性が主人公の英雄譚として際立っています。知恵と勇気によって民を救うユディトの姿は、多くの芸術家にインスピレーションを与えました。

カラヴァッジョやクリムトなど、数多くの画家が「ホロフェルネスの首を斬るユディト」を題材に作品を描いています。

ただし、この物語には意図的な歴史的誤りが含まれており、最初から歴史小説として書かれたと考えられています。

マカバイ記──ユダヤ独立戦争の記録

成立時期:紀元前2〜1世紀頃

内容

マカバイ記は、紀元前2世紀に起こったマカバイ戦争(マカベア戦争)の歴史を記録した文書です。

当時、セレウコス朝シリアの王アンティオコス4世は、ユダヤ人にギリシア文化と宗教を強制しました。エルサレム神殿にはゼウス像が置かれ、ユダヤ教の祭儀は禁止されたのです。

祭司マッタティアとその息子ユダ・マカバイ(「鉄槌」の意味)は、この弾圧に立ち向かって武装蜂起しました。ユダヤの民はゲリラ戦を展開し、最終的にエルサレム神殿を奪還します。

汚された神殿を清めて再奉献した出来事が、現在も祝われるハヌカ祭の起源となっています。

マカバイ記1とマカバイ記2の違い

マカバイ記は複数の書があり、それぞれ視点や内容が異なります。

  • マカバイ記1:政治・軍事的な観点から戦争の経緯を詳細に記録
  • マカバイ記2:宗教的な視点から殉教者の物語や神の介入を強調
  • マカバイ記3:マカバイ戦争とは無関係のエジプトでの出来事を描写
  • マカバイ記4:殉教と理性についての哲学的考察

カトリック教会はマカバイ記1・2を第二正典として認め、正教会はマカバイ記3も正典に含めています。

知恵の書(ソロモンの知恵)──哲学的な知恵文学

成立時期:紀元前1世紀頃

内容

知恵の書は、伝統的にソロモン王の著作とされていますが、実際にはアレクサンドリアのユダヤ人によって書かれたと考えられています。

この書は、知恵を擬人化し、それを求めることの重要性を説いています。また、義人と悪人の運命の違い、偶像崇拝への批判、出エジプトの歴史的考察などが含まれています。

新約聖書への影響

知恵の書は、新約聖書に影響を与えたと指摘されることがあります。たとえば、パウロのローマの信徒への手紙1章には、知恵の書13〜14章と類似した表現が見られます。

また、エフェソの信徒への手紙6章の「神の武具」の描写は、知恵の書5章18〜21節と共通する要素があるとされています。

シラ書(集会の書)──実践的な知恵の教え

成立時期:紀元前180年頃

内容

シラ書は、エルサレムの知恵教師ベン・シラ(イエスス・ベン・シラク)が書いた知恵の書です。彼の孫がギリシア語に翻訳したものが現存しています。

日常生活における実践的な知恵が数多く収められており、友情、教育、金銭、健康、食事、礼儀作法など、幅広いテーマを扱っています。

特徴

シラ書は、ユダヤの伝統的な知恵ギリシア文化の両方の影響を受けています。ヘレニズム時代に生きたユダヤ人の思想を知る上で、貴重な文書と言えるでしょう。


主な新約外典の紹介

新約外典は、新約聖書27巻以外のキリスト教関連文書を指します。福音書、使徒言行録、書簡、黙示録など、正典と同じジャンルの文書が多数存在しています。

トマスによる福音書──イエスの語録集

発見の経緯

1945年、エジプトのナグ・ハマディという町の近くで、壺に入った古代の写本群が発見されました。この「ナグ・ハマディ写本」の中に、トマスによる福音書が含まれていたのです。

内容の特徴

トマスによる福音書は、正典の四福音書とは大きく異なる構成を持っています。

  • イエスの生涯や奇跡、受難の物語は一切なし
  • 114の言葉(ロギア)だけで構成された「語録集」
  • 使徒トマスが書き記したとされる

冒頭には「これは、生けるイエスが語った隠された言葉である」と記されています。読者自らがイエスの言葉を「解釈」し、真理を「認識」(グノーシス)することを求める内容となっています。

学術的な重要性

トマスによる福音書の約半分は、マタイ・マルコ・ルカの共観福音書と共通または類似しています。これは、福音書の成立過程を研究する上で重要な資料とされています。

聖書学では、マタイとルカが共通して参照した「Q資料」という失われた語録集の存在が仮定されています。トマスによる福音書は、このような「語録だけの福音書」が実際に存在したことを示す証拠となりました。

ペトロによる福音書──受難物語の異伝

発見の経緯

19世紀末、エジプトで発見されたパピルス冊子の中に、この福音書の一部が含まれていました。3世紀の教父文書に言及されていた文書ですが、長らく失われていたのです。

内容の特徴

現存する部分は、イエスの裁判の最後から復活の場面までを描いています。正典福音書と重複する内容が多いものの、いくつかの独自の記述があります。

  • ピラトではなくヘロデが最終的な判決を下す
  • イエスを十字架につけるのはローマ兵ではなくユダヤの民衆
  • 復活の場面を兵士とユダヤの長老が目撃する
  • 墓から出てくるイエスの後ろから十字架が付いてくる
  • 天からの声に十字架が「はい」と答える

評価

ペトロによる福音書は、正典福音書を参照して書かれたものと考えられており、学術的な重要性はトマスによる福音書ほど高くないとされています。ただし、初期キリスト教の多様な伝承を知る資料としての価値はあります。

その他の新約外典

新約外典には、他にも多くの文書が存在します。

福音書

  • ヤコブ原福音書(マリアの幼少期とイエスの誕生を描く)
  • トマスによるイエスの幼時物語(幼いイエスの奇跡を描く)
  • ニコデモ福音書(ピラト行伝)
  • ユダの福音書

使徒言行録

  • ペトロ行伝
  • パウロ行伝(パウロとテクラの行伝)
  • ヨハネ行伝
  • アンデレ行伝
  • トマス行伝

書簡

  • セネカとパウロの往復書簡
  • ラオディキアの信徒への手紙

黙示録

  • ペトロの黙示録
  • パウロの黙示録

これらの多くは、正典に含まれなかった理由が明確です。歴史的な誤り、教義上の問題、成立年代が遅いこと、グノーシス主義の影響などが挙げられます。


外典が正典に含まれなかった理由

正典選定の基準

初期のキリスト教会が聖書の正典を選定する際、いくつかの基準が用いられたとされています。

  1. 使徒性:使徒本人、またはその直接の弟子によって書かれたか
  2. 正統性:教会の伝統的な教えと一致しているか
  3. 普遍性:広い地域の教会で認められ、使用されているか
  4. 霊感:神の霊感によって書かれたと認められるか

外典の多くは、これらの基準のいずれかを満たさないと判断されました。

旧約外典が除外された理由

旧約外典については、以下のような理由が挙げられています。

ヘブライ語原典の不在

ユダヤ教の正典は、基本的にヘブライ語で書かれた文書のみとされました。外典の多くは最初からギリシア語で書かれたか、ヘブライ語の原典が失われていたのです。

預言の終了

ユダヤ教では、マラキ書(紀元前5世紀頃)以降、預言が途絶えたと考えられていました。外典の多くは、この「預言の空白期間」に書かれたものです。

新約聖書での引用がない

イエスや使徒たちは、旧約聖書を数百回も引用していますが、外典からの直接的な引用は見られません(間接的な言及や思想的影響はあるとされています)。

新約外典が除外された理由

新約外典については、より明確な問題点が指摘されています。

成立年代が遅い

正典の福音書が1世紀後半に書かれたのに対し、多くの新約外典は2世紀以降の成立とされています。

グノーシス主義の影響

トマスによる福音書など、一部の外典にはグノーシス主義(物質世界を悪とみなす思想)の影響が見られます。これは正統派キリスト教の教えと相容れないものでした。

内容の信頼性

幼いイエスが粘土で鳥を作って命を吹き込む話など、正典にはない「奇跡」が多く含まれています。これらは後代の創作と見なされました。


外典の現代的な価値

歴史・文化的な資料として

外典は、正典に含まれなくても、歴史的・文化的に重要な価値を持っています。

旧約と新約の「空白期間」を埋める

旧約聖書の最後の書と新約聖書の最初の書の間には、約400年の空白があります。旧約外典は、この時代のユダヤ人の信仰や生活を知る貴重な資料です。

マカバイ記は、ヘレニズム時代のユダヤ人がいかに信仰を守り抜いたかを伝えています。知恵の書やシラ書は、ギリシア文化の影響を受けながらも独自のアイデンティティを保ったユダヤ思想を示しています。

初期キリスト教の多様性を示す

新約外典は、初期キリスト教がいかに多様であったかを物語っています。正典として認められた文書だけでなく、排除された文書も含めて見ることで、キリスト教の形成過程をより深く理解できるのです。

芸術・文学への影響

外典は、西洋の芸術や文学に大きな影響を与えてきました。

美術作品の題材

  • トビト記の天使ラファエル
  • ユディトとホロフェルネス
  • スザンナの物語(ダニエル書補遺)

これらは、ルネサンス期から現代まで、数多くの画家によって描かれてきました。

文学・エンターテイメント

現代でも、外典は創作作品のインスピレーション源となっています。

  • 映画やゲームでの「アポクリファ」という言葉の使用
  • ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』などでの外典への言及
  • ファンタジー作品での「失われた聖典」というモチーフ

外典を読むには

外典に興味を持った方のために、日本語で読める主な資料を紹介します。

聖書に収録されている外典

新共同訳聖書(旧約聖書続編付き)

日本聖書協会から出版されている新共同訳聖書の「旧約聖書続編付き」版には、主要な旧約外典が収録されています。

聖書協会共同訳聖書

2018年に刊行された最新の翻訳でも、「旧約聖書続編」が収録されています。

学術的な翻訳書

『聖書外典偽典』(教文館)

旧約・新約の外典・偽典を網羅的に収録した全8巻のシリーズです。学術的な解説も充実しています。

『新約聖書外典』(講談社文芸文庫)

荒井献編による新約外典の翻訳と解説が収録されています。比較的入手しやすい文庫版です。

『トマスによる福音書』(講談社学術文庫)

荒井献訳による単独の翻訳書。詳細な解説が付いています。


まとめ

外典は、聖書の「正典」から除外された文書ですが、決して価値のないものではありません。

外典を理解するためのポイント

  • 「アポクリファ」は「隠されたもの」を意味するギリシア語に由来
  • 七十人訳聖書に含まれていたが、ヘブライ語正典には含まれない文書が多い
  • 教派によって扱いが異なり、カトリックでは「第二正典」として正典に含まれる
  • 旧約と新約の空白期間を埋める歴史的資料として重要
  • 初期キリスト教の多様性を示す文化的資料でもある
  • 西洋美術や文学に大きな影響を与えてきた

外典を読むことで、聖書の世界をより深く、より広く理解することができます。正典だけでは見えてこない歴史や思想、そして人々の信仰の姿がそこにはあるのです。

興味を持った方は、ぜひ実際に外典を手に取ってみてください。古代の人々が残した「隠された書物」の中に、新たな発見があるかもしれません。

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