北欧神話に登場する最高位の女神「フリッグ」についてお話しします。
静かな強さと深い愛で神々の世界を支えた彼女の物語を、わかりやすくご紹介しますね。
名前の意味
「フリッグ(Frigg)」という名前、何か意味があるのかな?
と思ったことはありませんか?
この名前は古いノルド語で「愛」や「愛する人」「配偶者」という意味があるんです。
ちょっと面白い豆知識ですが、英語で金曜日を意味する「Friday」は実は「Frigg’s Day(フリッグの日)」から来ているんですよ。
今でも私たちの生活の中に、この女神の名前が残っているんです!
家族(系譜)と立場
フリッグは北欧神話の世界で、とても高い地位にいる女神です。
神々の王オーディンの正妻であり、女神たちのリーダーとして知られています。
- 夫: オーディン(神々の王)
- 子どもたち: バルドル(光と美の神)、ヘズ(盲目の神)など
- 住まい: 空に浮かぶ美しい宮殿「フェンサリル」
- 側近: フッラ、フーリンなど、多くの女神が彼女に仕えています
神々の母であり、女神たちの女王。
フリッグは北欧神話において、とても重要な女神なのです。
どんな姿をしているの?
フリッグはどんな姿で描かれているのでしょうか?
彼女は高貴で落ち着いた美しさを持ち、神話の中で特別な存在感を放っています。
- 気品ある王妃の姿
- 鷹の羽衣
- フリズスキャルブに座っている
- オーディンや従者と共に描かれる
また、フリッグの神話の一部を表現した芸術作品もあります。
フリッグの力と役割
フリッグは北欧神話の中で、とても大切な役割を担っています。
フリッグの特別な力:
- 神々の母: 良き母として描かれる
- 結婚と出産の守護神: 子供を授ける
- 予言の力: 未来を見通す力を持っていますが、それを声に出すことはありません
- 豊穣の女神: 元々は豊穣を司っていたとか
フリッグの悲しい物語
フリッグが登場する最も有名な神話は、愛する息子バルドルの死をめぐる物語です。
ある日、バルドルが「自分が死ぬ夢」を見たと言います。
母として深く心配したフリッグは、世界中のあらゆるものに「バルドルを傷つけないで」と約束させました。
石も、金属も、火も、水も、全ての物にです。
しかし、小さな植物「ヤドリギ」だけが、うっかり見落とされてしまいました。
悪戯好きの神ロキはこの弱点を見つけ、盲目の神ヘズに、ヤドリギで作った矢でバルドルを射るよう仕向けます。
そして、愛する息子バルドルは命を落としてしまうのです。
フリッグは深い悲しみに暮れ、バルドルを連れ戻すために奔走した。
しかし、ロキの妨害によって、それは叶わず…母として最もつらい現実を受け入れることになります。
ラグナロク
「ラグナロク」とは北欧神話における世界の終末の戦いのこと。
この最後の戦いで、オーディンはフェンリルに呑み込まれ死んでしまう。
フリッグは夫の死に対して「第2の悲しみ!」と嘆いたそうだ。(1番目はバルドル)
妻のもう1つの顔
フリッグは良き母として描かれるが、妻としては全く違う側面を持っている。
- オーディンと彼の養子を仲違い
- オーディンが拷問を受けるように仕向ける
- 複数の相手と不倫・浮気
フリッグの言動に我慢の限界が来たオーディンは旅に出てしまう。
フレイヤ同一人物説
フレイヤとの関連についてもちょっと触れてみる。
実は、フリッグとフレイヤは同一人物だという話があるんです。
彼女たちは違う種族ですが、夫の名前、神格、愛人、信仰などを比較してみると、いくつか似ている部分があったんです。
そこからフレイヤと同じ神様だったんじゃないか?とも考えられているわけです。
まとめ
フリッグについてまとめていきます。
- 家族 — オーディンの妻。バルドルの母。
- 神格 — 結婚と出産、予言、豊穣、神々の母
- 神話 — バルドルとオーディンの死で悲しみに暮れる姿
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