ヒンドゥー教において、最も力強い女神の一人として崇拝されているドゥルガーについて、わかりやすく解説します。
強さと美しさを兼ね備えた偉大な女神の魅力に迫りましょう。
名前の意味

「ドゥルガー」という名前はサンスクリット語の「難所(dur)」と「通り抜ける(ga)」という言葉から派生したと考えられています。
この名前の意味には諸説あり、「倒せない」「克服できない」「近寄りがたい」などの説がある。
神々との関係
ドゥルガーは、ヒンドゥー教における「女神の力(シャクティ)」が具現化した存在です。
特に、パールヴァティー(シヴァの妃)の「戦いの姿」とされることが多く、同一視されています。
関連する神々との関係:
- チャンディー – ドゥルガーの別名
- シヴァ – 夫(ドゥルガーはシヴァの妻の戦闘形態)
- カーリー – パールヴァティの一形態。ドゥルガーよりも恐ろしい
ドゥルガーは「神々の力を集めて誕生した究極の女神」と言われています。
姿と特徴

ドゥルガーの姿は、美しさと恐れを同時に持つ、とても象徴的なものです。
- 虎やライオンに乗る
- 8本または10本の腕 – 多くの神々から与えられた武器を持つ(剣・槍・弓・蓮など)
- 戦いの最中の真剣な表情
- 額に第3の目またはビンディ(赤い点)をつけている
- 赤や金色のサリー
ドゥルガーの1番の特徴は、神々から与えられた武器。
例えば、シヴァの三叉戟(トリシューラ)、ヴィシュヌ神の円盤(スダルシャナ・チャクラ)、インドラの金剛杵(ヴァジュラ)などを持っている。
神格と役割
ドゥルガーは、悪を滅ぼすために神たちの力が集まって誕生した「究極の戦女神」です。
- 戦いの女神
- 力の神
- 地母神
- 狩猟民族の保護
ドゥルガーは戦いの女神とされています。
また、地母神的な一面も持っています。
有名な神話(マヒシャースラとの大戦)

最も有名なドゥルガーの神話は、魔王マヒシャースラとの戦いです。
ある時、強大な力を持つマヒシャースラが天界を攻め落とし、神々は敗北してしまいました。
追い詰められた神々はヴィシュヌとシヴァたちに助けを求めます。
ヴィシュヌとシヴァはこのことに激怒し巨大な力を出した。
他の神々も力を放出し、それぞれの力が一つになって女神ドゥルガーが生まれました。
さらに、主要な神々は自分の武器と同じものをもう1つ作り出し、ドゥルガーに与えた。
彼女は神々から授かった様々な武器を手に取り、9日9夜の激戦の末、ついにマヒシャースラを討ち倒しました。
まとめ
ドゥルガーは、力と美しさを兼ね備えた神々を守る母なる戦士です。
- 名前の意味は「倒せない」「克服できない」「近寄りがたい」
- シヴァの妃パールヴァティーの戦闘的な姿
- 8~10本の腕、虎やライオンに乗る姿が特徴
- 主要な神々の武器を持つ
- 魔王マヒシャースラを倒し、世界を救った
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