ティラノサウルス、トリケラトプス、ステゴサウルス…。恐竜の名前って、なんだかカッコいいけど覚えにくいですよね。
でも実は、それぞれの名前には意味があるんです。しかも調べてみると「暴君トカゲの王様」とか「屋根トカゲ」とか、けっこうストレートなネーミングばかり。中には「ハリー・ポッターの学校」から名前をもらった恐竜までいるんですよ。
この記事では、恐竜の名前の意味や由来を紹介します。読み終わる頃には、博物館で恐竜を見る目が変わっているはず。
そもそも「恐竜」って何? 名前の由来

「恐竜」という言葉は、1841年にイギリスの科学者リチャード・オーウェンが作りました。
元になったのはギリシャ語の「ダイノサウリア(Dinosauria)」。これは「デイノス(恐ろしい)」と「サウロス(トカゲ)」を組み合わせた造語です。
つまり「恐ろしいトカゲ」——日本語で「恐竜」と訳したのは、なかなかセンスがいいですよね。
ちなみに「恐ろしい」といっても、怖いというより「とんでもなくデカい」というニュアンス。実際、全長30メートルを超える巨大恐竜もいたわけですから、当時の人たちの衝撃は相当なものだったでしょう。
恐竜の名前に隠された法則
恐竜の名前をよく見ると、「〜サウルス」や「〜ドン」など、似たような響きが多いことに気づきます。実はこれ、ちゃんと意味があるんです。
「サウルス」=トカゲ
最もポピュラーなのが「サウルス(saurus)」。ギリシャ語で「トカゲ」を意味します。
- ティラノサウルス → 暴君トカゲ
- ステゴサウルス → 屋根トカゲ
- ブラキオサウルス → 腕トカゲ
「腕トカゲ」ってなんだ?と思うかもしれませんが、これは前脚が後ろ脚より長かったから。見た目をそのまま名前にしちゃうパターンですね。
「ドン」=歯
「〜ドン」は「歯」という意味です。草食恐竜は歯が大きい傾向があるので、こちらは草食恐竜に多く見られます。
- イグアノドン → イグアナの歯
- トロオドン → 傷つける歯
- マストドン → 乳房の歯(歯の形が乳房に似ていたから)
イグアノドンは、発見された歯がイグアナの歯に似ていたことから名付けられました。1820年代の話なので、比較対象が限られていたんでしょうね。
「ラプトル」=泥棒
映画『ジュラシック・パーク』で一躍有名になった「ラプトル」は、ラテン語で「泥棒」という意味です。
- ヴェロキラプトル → 素早い泥棒
- オヴィラプトル → 卵泥棒
- バンビラプトル → バンビのような泥棒
「卵泥棒」なんてひどい名前だと思いませんか? 実は最初に化石が見つかったとき、別の恐竜の巣の上にいたので「他の恐竜の卵を盗んでいた」と誤解されたんです。後の研究で、実は自分の卵を温めていたことが判明。冤罪だったわけですが、一度付いた名前は変えられないルールなので、そのまま「卵泥棒」と呼ばれ続けています。
「ケラトプス」=角のある顔
トリケラトプスでおなじみの「ケラトプス」は「角のある顔」。
- トリケラトプス → 3本の角がある顔
- スティラコサウルス → トゲトカゲ
- ペンタケラトプス → 5本の角がある顔
見たまんまですね。「3本角の顔」って、小学生が付けそうな名前です。
ユニークすぎる恐竜の名前たち
研究者だって人間です。時にはユーモアを発揮して、とんでもない名前を付けることがあります。
ドラコレックス・ホグワーツィア(ホグワーツのドラゴン王)
2006年に命名されたこの恐竜は、頭蓋骨がまるでドラゴンのような見た目をしていました。そこで研究者たちは、子どもたちの投票を参考に「ハリー・ポッター」シリーズに登場するホグワーツ魔法学校にちなんだ名前を付けたのです。
原作者のJ.K.ローリングも大喜びで、「ホグワーツが恐竜の世界に小さな爪痕を残せたことを、とても嬉しく思います」とコメントしています。ちなみに、彼女の長女はユタラプトルに夢中で、当時3歳だった息子はティラノサウルスの大ファンだったとか。
イリテーター(イライラさせるやつ)
ブラジルで発見されたこの恐竜の化石は、アマチュアの化石ハンターの手に渡っていました。問題は、この化石ハンターが「化石をより立派に見せよう」として、勝手に石膏で修復してしまったこと。
研究者たちは、この余計な石膏を取り除く作業に相当イライラしたらしく、そのまま「イリテーター(irritator)」と命名。学名に八つ当たりした珍しい例です。
バンビラプトル(バンビのような泥棒)
この小型恐竜の化石は、1995年にモンタナ州で14歳の少年が発見しました。化石の保存状態が非常に良く、全身の約95%が残っていたのですが、明らかに幼い個体だったのです。
そこで、ディズニー映画『バンビ』にちなんで「バンビラプトル」と命名。かわいらしい名前ですが、れっきとした肉食恐竜です。
パンティドラコ(パンツのドラゴン…?)
思わず二度見してしまう名前ですが、これはウェールズの谷で発見された恐竜。ウェールズ語で「パント」は「谷」、「ドラコ」はラテン語で「ドラゴン」。つまり「谷のドラゴン」という意味なんです。
英語の「パンティー」とは何の関係もないのですが、発表されたときは「本当にその名前でいいのか?」とざわついたとか。
スティギモロク(死の川の悪魔)
「スティクス」はギリシャ神話の冥界を流れる川、「モロク」は古代の悪魔。つまり「死の川の悪魔」という、なかなか中二病な名前です。
頭にトゲトゲが生えた見た目から付けられたのですが、最近の研究では「パキケファロサウルスの子どもだったのでは?」という説も。もしそうなら、大人になると「悪魔」から普通の「厚い頭のトカゲ」に名前が変わることになります。
日本で見つかった恐竜たち
日本にも恐竜はいました。特に福井県は「恐竜王国」として知られ、続々と新種が発見されています。
フクイサウルス(福井のトカゲ)
1989年に福井県勝山市で発見された植物食恐竜。日本で初めて全身骨格が復元された恐竜として知られています。学名は「フクイサウルス・テトリエンシス」で、「手取層群で見つかった福井のトカゲ」という意味です。
フクイラプトル(福井の泥棒)
2000年に命名された肉食恐竜。日本で初めて学名が付いた肉食恐竜です。全長は約4.2メートルで、当時のアジアでは中型のハンターでした。
カムイサウルス(神のトカゲ)
2019年に北海道で命名された恐竜。アイヌ語で「神」を意味する「カムイ」が使われています。愛称は「むかわ竜」。全長8メートルを超える大型の植物食恐竜で、日本最大級の恐竜化石として話題になりました。
日本で学名が付いている恐竜は現在10種類以上。これからも増えていく可能性があります。
有名な恐竜の名前と意味一覧

最後に、人気の恐竜たちの名前と意味をまとめました。
| 恐竜の名前 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| ティラノサウルス | 暴君トカゲ | 最強の肉食恐竜。「レックス」は「王」 |
| トリケラトプス | 3本角の顔 | 頭に3本の角を持つ |
| ステゴサウルス | 屋根トカゲ | 背中の板が屋根のように見えた |
| ブラキオサウルス | 腕トカゲ | 前脚が後ろ脚より長い |
| ヴェロキラプトル | 素早い泥棒 | 小型で俊敏な肉食恐竜 |
| スピノサウルス | トゲトカゲ | 背中に巨大な帆を持つ |
| アンキロサウルス | 曲がったトカゲ | 全身が鎧のような骨で覆われている |
| プテラノドン | 歯のない翼 | 翼竜(厳密には恐竜ではない) |
| パキケファロサウルス | 厚い頭のトカゲ | 頭蓋骨が25cmもの厚さ |
| パラサウロロフス | サウロロフスに似たもの | 頭に長い管状のトサカを持つ |
| ディプロドクス | 二重の梁 | 尾の骨が二重構造になっている |
| アロサウルス | 異なるトカゲ | 背骨の形が他と違っていた |
| ギガノトサウルス | 巨大な南のトカゲ | 南米最大級の肉食恐竜 |
まとめ
恐竜の名前について紹介しました。
- 「恐竜(ダイノサウリア)」は「恐ろしいトカゲ」という意味
- 「サウルス」はトカゲ、「ドン」は歯、「ラプトル」は泥棒
- ハリー・ポッターにちなんだ名前や、研究者の八つ当たりで付いた名前もある
- 日本でも福井県や北海道で新種が続々発見されている
現在、恐竜は約1000種類が確認されていて、毎年新種が見つかっています。これからどんなユニークな名前の恐竜が登場するのか、楽しみですね。


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