ヒンドゥー教の三大神の一柱であり、創造を司る神ブラフマーについて、わかりやすく解説します。
創造の神でありながら、あまり信仰されていない興味深い神の物語に迫ります。
名前の意味

「ブラフマー」という名前の由来や意味についてははっきりしていない。
よく似た言葉に「ブラフマン(Brahman)」がありますが、これは神そのものではなく、「宇宙の根本原理」や「存在そのもの」という抽象的な概念です。
三大神との関係
ヒンドゥー教では「三大神(トリムールティ)」という概念があります。
これは宇宙の三つの循環(サイクル)を表す神々です。
三大神の役割:
- ブラフマー – 創造:世界や生命を生み出す
- ヴィシュヌ – 維持:世界を保ち、秩序を保つ
- シヴァ – 破壊と再生:古いものを壊して再生する
ブラフマーは三大神の1柱として、神々の相談を受けたり、手助けしたりする。
また、ブラフマーの配偶者は知恵と芸術の女神サラスヴァティーです。
姿と特徴

ブラフマーの姿は、他の神々よりも中性的で曖昧な姿で描かれます。
特徴的な姿:
- 4つの顔(4面の頭)- 東西南北を見渡す
- 4本の腕 – ヴェーダ聖典、数珠、弓、蓮などを持つ(武器は持たない)
- 蓮の上に座るか鳥(ハンサ)に乗る
白髭の老人の姿でも描かれる。
全体的に強さよりも知恵や知識と関連づけられた姿。
有名な神話
有名な神話をいくつか紹介する。
誕生
ブラフマーの誕生には2パターンある。
- 原初の海や黄金の卵からブラフマーが誕生したバージョン
- ヴィシュヌの臍から蓮が生え、その蓮からブラフマーが誕生したバージョン
前者はヒンドゥー教以前のバージョンで、ブラフマーが創造神だとわかる。
後者はヒンドゥー教からのバージョンで、ヴィシュヌやシヴァがブラフマーよりも上だということを表している。
サラスヴァティー

昔々、宇宙の創造神ブラフマーは、自らの身体から美しい女神サラスヴァティーを生み出しました。
その美しさに心を奪われたブラフマーは、彼女を妻に迎えようとしますが、サラスヴァティーはその求婚から逃れようとします。
逃げるサラスヴァティーを常に見ていたいと願ったブラフマーは、前後左右に4つの顔を作り出しました。
さらに、天空を見上げるために五つ目の顔を生じさせました。
逃げ場を失ったサラスヴァティーは、ついにブラフマーの妻となることを受け入れます。
シヴァとの対立
あるとき、ブラフマーは自分こそが最高の神だと主張し、シヴァと対立します。
シヴァが激怒し、ブラフマーの5つ目の頭を切り飛ばした。
この神話からブラフマーの頭が4つになった。
まとめ
ブラフマーは世界を生み出した「創造の父」
ポイントまとめ:
- 創造の神
- ヴィシュヌ(維持)、シヴァ(破壊)とともに「三大神」の一柱
- 4つの顔と腕を持ち、知識と聖典をあらわす姿
- 神話ではあまり良いところがない
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