湖や池で釣りをしている時、水面に不思議な姿を見たことはありませんか?
イギリスのチェシアやシュロップシャア地方では、水の中に住む小さな精霊の存在が古くから語り継がれてきました。
その名は「アスレイ」。美しいけれど、人間が触れると恐ろしい代償を払うことになる、謎に包まれた水の精なんです。
この記事では、幻のように消えてしまう水の精霊「アスレイ」について、その神秘的な姿や特徴、漁師たちの間で語り継がれる恐ろしい伝承を詳しくご紹介します。
概要

アスレイは、イギリスに伝わる水の精霊です。
主にイングランドのチェシア地方やシュロップシャア地方の湖や池に住んでいると信じられてきました。
水の精霊や妖精の一種とされ、人間の姿で現れるのですが、その大きさはとても小さいんですね。
アスレイの特徴
外見的な特徴
- 人間の姿をしているが、非常に小さい
- 水の中で暮らす精霊
- 美しく神秘的な存在
身体的な特徴
- 手は氷のように冷たい
- 濡れた皮膚を持つ
- 実体があるようでいて、消えてしまう不思議な存在
最大の特徴は、そのはかなさです。アスレイは水から離れると、まるで幻のように姿を消してしまうんです。
水たまりだけを残して消えるという性質から、アスレイは水そのものが変化した存在なのかもしれません。
性格と行動
アスレイについて分かっていることは少ないのですが、伝承からいくつかの特徴が浮かび上がります。
行動パターン
- 水の中で静かに暮らしている
- 人間に捕まると激しく取り乱す
- さかんに語りかけようとする(ただし人間には言葉が通じない)
人間に対して敵意があるわけではなさそうですが、捕まえられることを極度に恐れ、必死に訴えかけようとする姿が印象的です。
伝承

アスレイにまつわる最も有名な伝承は、ある漁師との出会いの物語です。
漁師とアスレイの出会い
昔、ある漁師が湖で漁をしていた時のことでした。
事件の流れ
- 漁師が偶然、アスレイを捕まえてしまった
- アスレイは激しく取り乱し、泣き叫んだ
- アスレイは漁師にさかんに語りかけた
- しかし、漁師にはアスレイの言葉が理解できなかった
アスレイが何を伝えようとしていたのか、漁師には分かりませんでした。
おそらくアスレイは「水から離れてはいけない」「岸に連れて行かないで」と必死に訴えていたのかもしれません。
船の上での出来事
漁師はアスレイの訴えを理解できないまま、岸まで連れて帰ることに決めました。
船上での処置
- アスレイを縛り上げた
- 船底の水草の下に押し込めた
- そのまま岸を目指した
この時、漁師がアスレイを縛るために触れた手に、異変が起きたんです。
アスレイの手は氷のように冷たく、その冷たさは普通ではありませんでした。
恐ろしい結末
岸に近づくにつれて、アスレイに変化が起きました。
アスレイの最期
- 叫び声が徐々に弱々しくなっていった
- 少しずつ声が消えていった
- 岸に着く頃には完全に姿が消えていた
船底を確認すると、そこにあったのは:
- 水草の下のわずかな水たまりだけ
- アスレイの姿は跡形もなく消えていた
まるで水が蒸発するように、アスレイは消えてしまったんですね。
漁師が払った代償
しかし、物語はここで終わりません。
漁師の手には、火傷のようなあとが残っていたんです。
傷の特徴
- アスレイの冷たい皮膚に触れた部分にできた
- 火傷のようなみずぶくれになっていた
- この傷跡は一生消えることがなかった
氷のように冷たいはずなのに、火傷のような跡が残るというのは不思議ですよね。
これはアスレイの持つ特別な力、もしくは水の精霊に触れたことへの代償だったのかもしれません。
伝承が伝えること
この伝承から、私たちはいくつかの教訓を読み取ることができます。
物語の意味
- 自然の精霊を人間の世界に連れ出してはいけない
- 理解できない言葉でも、相手の訴えを無視してはいけない
- 神秘的な存在には触れないほうが良い
- 自然界のものは、自然界に属している
一生消えない傷跡は、漁師が自然の摂理に逆らった結果なのかもしれませんね。
まとめ
アスレイは、イギリスの水辺に住む神秘的で儚い精霊です。
重要なポイント
- イングランドのチェシアやシュロップシャア地方に伝わる水の精霊
- 人間の姿だが非常に小さい存在
- 手は氷のように冷たく、触れると火傷のような跡が残る
- 水から離れると消えてしまう儚い性質
- 漁師との悲しい出会いの伝承で知られる
- 自然の精霊に触れることの危険性を伝える物語
美しくも悲しいアスレイの伝説は、自然界の神秘と人間が決して踏み込んではいけない領域があることを教えてくれます。
もしあなたがイギリスの湖や池を訪れる機会があったら、水面を静かに眺めてみてください。
もしかしたら、小さなアスレイの姿が見えるかもしれません。でも、決して捕まえようとはしないでくださいね。


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