悪魔の本おすすめ8選|入門書から専門書まで目的別に紹介

神話・歴史・文化

ゲームやアニメで「ベルゼブブ」「アスタロト」といった名前を見かけて、ふと気になったことはありませんか。
悪魔の世界は想像以上に奥が深く、何千年もの歴史や宗教観が絡み合っています。
でも、いざ本で学ぼうとすると種類が多すぎて「どれから読めばいいの?」と迷ってしまいがちです。

この記事では、悪魔についてもっと知りたい人に向けて、入門書から専門的な事典・古典まで全8冊を目的別に紹介します。
読む順序のガイドつきなので、自分のレベルや興味に合った1冊がきっと見つかるはずです。

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悪魔の本の種類と選び方

悪魔に関する本は、大きく分けると4つのタイプに分類できます。

  • 図解・入門書タイプ: 図や一覧で悪魔の全体像をつかめる本。予備知識ゼロでも楽しく読める
  • 事典・リファレンスタイプ: 個々の悪魔や用語を五十音順・アルファベット順で引ける本。調べものや創作のお供に最適
  • 古典・原典タイプ: 19世紀以前に書かれた歴史的な文献の翻訳。悪魔学そのものの一次資料に触れられる
  • ユニークな切り口タイプ: 漫画やポップカルチャーを入口に悪魔学を解説する本。意外な角度から理解が深まる

おすすめの読み進め方

悪魔の本を初めて手に取るなら、以下の3ステップで進めるのがおすすめです。

  1. まず図解・入門書で全体像をつかむ → 悪魔の種類、階級、歴史的背景がざっくりわかる
  2. 気になる悪魔を事典で深掘りする → 個別の悪魔について詳しい情報を得られる
  3. 興味が出たら古典・原典に挑戦する → 悪魔学の原点に触れて理解が一段と深まる

いきなり古典から入ると専門用語や時代背景でつまずきやすいので、この順番を意識すると無理なく読み進められます。

なお、この記事では小説・漫画作品(ダンテ『神曲』やゲーテ『ファウスト』など文学作品そのもの)と、実践的なオカルト書(召喚術のマニュアルなど)は対象外としています。
あくまでも「悪魔についての知識を体系的に学べる本」に絞って紹介しています。

知っておくと便利な用語

悪魔関連の本を読むとき、以下の用語が頻繁に出てきます。
先に押さえておくとスムーズに読み進められるでしょう。

用語意味
デーモン(Demon)悪霊・悪魔の総称。ギリシャ語の「ダイモーン」が語源
デビル(Devil)サタンに代表される「堕天使」系の悪魔。デーモンより限定的な意味で使われることが多い
グリモワール悪魔の召喚方法などを記した中世〜近世の魔術書の総称
ソロモン72柱古代イスラエルのソロモン王が使役したとされる72体の悪魔。ゲームでもおなじみ
悪魔学(デモノロジー)悪魔の分類・性質・歴史を体系的に研究する学問分野

まず手に取りたい入門・図解の3冊

『図解 悪魔学』草野巧(新紀元社)

こんな人におすすめ: 悪魔についてゼロから学びたい、最初の1冊を探している人

特徴: 見開きごとに図解がついていて、文章を読まなくても視覚的に理解できる構成

悪魔の入門書として、まず最初に名前が挙がることが多い定番の1冊です。
新紀元社のF-Filesシリーズの1冊で、悪魔の神学的な位置づけからソロモン72柱まで、幅広いテーマを図解つきで解説しています。

この本のいいところは、全体の見取り図が手に入ること。
「悪魔とはそもそも何か」という根本的な問いから始まり、キリスト教神学における悪魔論の変遷、魔女狩りとの関係、グリモワール(魔術書)の世界まで、悪魔学の主要トピックをひと通り網羅しています。

巻末にはソロモン72柱の一覧もついているので、ゲームや創作で見かけた悪魔の名前を調べる用途にも使えます。
参考文献リストも充実しており、ここから次に読む本を見つけることもできるでしょう。
240ページとコンパクトで、価格も手に取りやすいのがうれしいポイントです。

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『悪魔事典』山北篤、佐藤俊之 監修(新紀元社)

こんな人におすすめ: 世界各地の悪魔を幅広く知りたい、図鑑のように眺めて楽しみたい人

特徴: 西洋だけでなくインド・中国・日本の悪神まで含めた400体以上を収録

同じく新紀元社のTruth In Fantasyシリーズから出ている事典で、こちらは個別の悪魔の紹介に特化しています。
西洋のデーモンや堕天使を中心に、キリスト教によって「悪魔」にされたギリシャ・ローマの神々、北欧の巨人、さらにはインドや中国・日本の悪神や鬼神まで収録しているのが大きな特徴です。

入門書としても使えますが、どちらかというと「気になる悪魔を調べる」辞書的な使い方が向いています。
485ページと分量があるものの、各項目がコンパクトにまとまっているので、気になったところだけ拾い読みしても十分楽しめます。

解題として主要な宗教・神話における悪魔観の解説もあり、単なる名前の羅列に終わっていない点も見逃せません。
メガテンシリーズのファンなら、ゲームに登場する悪魔の原典を知る入口として最適な1冊でしょう。

ただし、Truth In Fantasyシリーズ全般に言えることですが、項目によって情報の正確性にばらつきがある点は意識しておきたいところ。
あくまで「広く浅く知るための入口」として活用し、気になった悪魔の詳細は後述する専門事典で裏取りするのがおすすめです。

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『「天使」と「悪魔」がよくわかる本』吉永進一 監修、造事務所 編著(PHP文庫)

こんな人におすすめ: 活字に慣れていなくても気軽に読みたい、天使にも興味がある人

特徴: 天使と悪魔を対比しながら200体を紹介する文庫サイズの入門書

今回紹介する中で最もライトに読める1冊です。
文庫本なので持ち運びやすく、電車の中でもサクサク読み進められます。

この本のおすすめポイントは、天使と悪魔をセットで扱っていること。
もともと天使だったのに神に逆らって堕落し、悪魔になった存在は少なくありません。
大天使ミカエルとルシファーの関係のように、天使と悪魔は表裏一体の存在です。
その両面から学ぶことで、悪魔だけを見ていては気づけない構造が見えてきます。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教など複数の宗教圏にまたがって200体を取り上げており、幅広い視野が得られるのも魅力。
専門的な深さよりも「まず興味のきっかけをつかみたい」という人にぴったりの入口になるはずです。

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じっくり調べたい人向けの事典・リファレンス2冊

『悪魔の事典』フレッド・ゲティングズ 著、大瀧啓裕 訳(青土社)

こんな人におすすめ: 学術的な裏付けのある情報がほしい、創作の資料として使いたい人

特徴: 英国の美術史家が執筆した、学問的な水準の高い本格的悪魔学事典

1992年の刊行以来、30刷を超えるロングセラーとなっている本格事典です。
原著は英国の美術史家フレッド・ゲティングズによる『Dictionary of Demons』で、日本語版は大瀧啓裕氏が翻訳を手がけています。

この事典の最大の強みは、出典や信憑性の高低を明記しているところ。
通俗的な悪魔本にありがちな「伝説をそのまま事実のように書く」スタイルとは一線を画し、「この情報はどの文献に基づいているか」「どの程度信頼できるか」を示しながら解説しています。

カラー口絵や中世の版画図版もあり、視覚的にも楽しめる造りになっています。
魔道・妖術・秘儀から幻想文学まで、悪魔学に関連するあらゆる事項を網羅しており、1冊で悪魔学の全領域を引ける利便性は他に代えがたいものがあります。

入門書を読んで「もっとちゃんと知りたい」と感じたとき、次のステップとして最もおすすめできる1冊です。
今回紹介した8冊の中で1冊だけ選ぶなら、個人的にはこの本を推します。
情報の裏付けがしっかりしているので、他の媒体で得た知識の「答え合わせ」にも使える、長く手元に置ける事典です。

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『悪魔と悪魔学の事典』ローズマリ・エレン・グィリー 著、金井美子 ほか訳(原書房)

こんな人におすすめ: 悪魔祓いや神秘哲学など、悪魔学の周辺領域まで広く知りたい人

特徴: 500以上の項目で悪魔学の全領域をカバーした百科事典的著作

原書房から刊行されている、もうひとつの本格的な悪魔学事典です。
著者のローズマリ・エレン・グィリーは超常現象やオカルトに関する著作を多数持つアメリカの作家で、本書では500を超える項目を収録しています。

先に紹介したゲティングズの『悪魔の事典』が学術的な厳密さを重視しているのに対して、こちらはカバー範囲の広さが持ち味。
悪魔祓い(エクソシズム)、憑き物、カバラなどの神秘哲学まで射程に含めており、悪魔学の周辺領域まで一気に見渡せます。

図版も多数収録されており、索引もしっかりしているので、調べもの用途にも適しています。
ゲティングズの事典と内容が重なる部分もありますが、切り口が異なるため、両方を手元に置いて読み比べると理解がさらに深まるでしょう。

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原典の世界に踏み込む古典2冊

入門書や事典で基礎知識を固めたら、いよいよ歴史的な原典に触れてみましょう。
ここで紹介する2冊は、どちらも数百年前にヨーロッパで書かれた文献の日本語訳です。
現代の入門書で「要約されていた情報」の原典にあたることで、悪魔学への理解が一段と深まります。

『地獄の辞典』コラン・ド・プランシー 著、床鍋剛彦 訳(講談社+α文庫)

こんな人におすすめ: 悪魔学の古典的名著を手軽に読みたい、挿絵を楽しみたい人

特徴: 1818年にフランスで出版された世紀の奇書。有名な悪魔の挿絵の原典

悪魔の本を語るうえで外せない、歴史的な古典です。
1818年にフランスで初版が出版され、19世紀前半のヨーロッパで大流行した怪奇趣味を反映した辞典形式の著作になっています。

この本が特に有名なのは、悪魔の挿絵
バフォメットやアスタロトなど、現在ゲームや漫画で見かける悪魔のビジュアルイメージの多くは、この本の銅版画がルーツになっています。
つまり、入門書で見た図版の「大元」に触れられるわけです。

注意しておきたいのは、著者プランシー自身が版を重ねるごとに内容を改訂している点。
初期の版にはカトリック教会への皮肉が込められていましたが、後の版では著者自身の手で削除されています。
講談社+α文庫版は翻訳者によるコラムも付いており、原著だけでは読み取れない背景知識も補ってくれます。

学術書として正確性を求める本ではなく、19世紀ヨーロッパの悪魔観を追体験するための本だと思って読むのがちょうどいいでしょう。

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『悪魔学大全』ロッセル・ホープ・ロビンズ 著、松田和也 訳(青土社)

こんな人におすすめ: 魔女狩りの歴史や悪魔学の社会的影響まで踏み込みたい人

特徴: 魔女裁判と悪魔学の関係を学術的に集大成した652ページの大著

原題は『The Encyclopedia of Witchcraft & Demonology』。
タイトルからもわかるように、悪魔学と魔女狩りの歴史を百科事典形式でまとめた学術的な大著です。

他の悪魔事典が「悪魔そのもの」を扱っているのに対し、この本は悪魔学がヨーロッパ社会に与えた影響に重点を置いています。
中世から近世にかけてのヨーロッパで、悪魔の存在がなぜ「当然の事実」として扱われ、魔女狩りという惨劇に発展したのか。
その過程を膨大な資料に基づいて記述しており、悪魔を「文化史」として理解するには最適の1冊です。

652ページ、23cmの大型本で、価格も高めです。
現在は2021年刊行の新版が入手しやすくなっています。
最初に手に取る本ではありませんが、入門書と事典を経てなお知的好奇心が尽きない人にとっては、到達点とも言える著作でしょう。

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意外な入口から学ぶ1冊

『「悪魔学」入門 「デビルマン」を解剖する』南條竹則(講談社)

こんな人におすすめ: 堅い学術書は苦手だけど、悪魔学の本質には触れたい人

特徴: 永井豪の名作『デビルマン』を題材に、悪魔学の核心を読み解く異色の入門書

「入門書」とタイトルにありますが、切り口がかなりユニークな1冊です。
永井豪の漫画『デビルマン』を素材にしながら、そこに描かれた悪魔のイメージがどんな宗教的・歴史的背景から生まれたのかを丁寧に解き明かしていきます。

著者の南條竹則は英文学者で、怪奇幻想文学に造詣が深い人物です。
聖書における悪魔の描かれ方から、中世ヨーロッパの悪魔観、そして近現代の文学・映画に至るまで、悪魔がどのように表現されてきたかを幅広い視野で論じています。

他の入門書が「悪魔の名前や属性を覚える」ことに主眼を置いているのに対し、この本は「悪魔とは人間にとって何なのか」という問いに正面から向き合っています。
221ページとコンパクトですが、読み終えると悪魔学の見え方が変わる、そんな1冊です。

なじみのある漫画を入口に専門的な議論に自然と引き込まれるので、堅い本が苦手な人にもおすすめできます。

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よくある疑問と回答

悪魔と天使の違いって結局なに?

一般的に、天使は神に仕える存在、悪魔は神に敵対する存在とされています。
ただし、キリスト教の伝承ではルシファーのように「もともと天使だったが、神に反逆して堕落した」存在も多く、両者の境界は意外とあいまいです。
天使と悪魔をセットで扱っている『「天使」と「悪魔」がよくわかる本』を読むと、この関係性がよくわかります。

ソロモン72柱って何?

古代イスラエルのソロモン王が魔術的な指輪を使って72体の悪魔を使役した、という伝説に基づく悪魔の一覧です。
中世の魔術書『レメゲトン』(通称ソロモンの小さな鍵)の第1部「ゴエティア」に詳しく記されています。
メガテンシリーズをはじめ多くのゲーム・創作作品の元ネタになっているので、名前だけは知っている人も多いのではないでしょうか。
『図解 悪魔学』の巻末付録に72柱の一覧が掲載されています。

悪魔の本は怖い内容ばかり?

ホラー小説のような怖さを期待すると、実は拍子抜けするかもしれません。
今回紹介した本のほとんどは、悪魔を歴史的・学術的な視点から分析する内容です。
怪談的な怖さよりも、「人間がなぜ悪魔という概念を必要としたのか」を考える知的な面白さが中心になっています。

デーモンとデビルは同じもの?

英語では区別されることが多い言葉です。
デーモン(Demon)は悪霊や悪魔の総称で、デビル(Devil)はサタンに代表される「堕天使」系の悪魔を指すことが一般的。
ただし、時代や著者によって使い分けは異なるため、絶対的なルールがあるわけではありません。

入門書を1冊だけ買うならどれがいい?

迷ったら『図解 悪魔学』をおすすめします。
悪魔学の全体像をコンパクトにつかめるうえ、図解がわかりやすく、参考文献リストから次の本も探しやすいからです。
ただし「個別の悪魔をたくさん知りたい」なら『悪魔事典』、「もっと気軽に読みたい」なら『「天使」と「悪魔」がよくわかる本』が合うでしょう。
なお、入門書ではなく「長く使える1冊」を求めるなら、情報の裏付けが最も信頼できる『悪魔の事典』(フレッド・ゲティングズ)が全8冊中のベストです。

まとめ

悪魔についての本は、入門書から古典的原典まで幅広く存在します。
大切なのは、自分の興味やレベルに合った本を選ぶこと。

まったくの初心者なら、図解で全体像をつかめる『図解 悪魔学』草野巧(新紀元社)が最初の1冊に最適です。
個々の悪魔を幅広く知りたいなら『悪魔事典』山北篤、佐藤俊之 監修(新紀元社)、もっと気軽な入口がほしいなら『「天使」と「悪魔」がよくわかる本』吉永進一 監修(PHP文庫)がぴったりでしょう。

基礎を押さえたうえで本格的に調べたくなったら、学術的な裏付けのある『悪魔の事典』フレッド・ゲティングズ 著、大瀧啓裕 訳(青土社)や、500超の項目で周辺領域までカバーする『悪魔と悪魔学の事典』ローズマリ・エレン・グィリー 著、金井美子 ほか訳(原書房)に進むと、理解が格段に深まります。

歴史的な原典に触れたいなら、有名な挿絵の原点でもある『地獄の辞典』コラン・ド・プランシー 著、床鍋剛彦 訳(講談社+α文庫)と、魔女狩りの歴史まで踏み込んだ『悪魔学大全』ロッセル・ホープ・ロビンズ 著、松田和也 訳(青土社)が待っています。

そして意外な入口として、『「悪魔学」入門』南條竹則(講談社)がデビルマンを題材に悪魔学の本質を解き明かしてくれます。

まずは1冊手に取って、悪魔学の扉を開いてみてください。

紹介した書籍一覧

入門・図解

事典・リファレンス

古典・原典

ユニークな切り口

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