【イギリスに出没する謎の大型ネコ】エイリアン・ビッグ・キャット(ABC)とは?その姿・特徴・伝承をやさしく解説!

神話・歴史・伝承

イギリスの田園地帯を車で走っていたら、道路脇に黒豹のような巨大なネコが座っていた——。

そんな信じられない目撃談が、イギリスでは毎年何百件も報告されているのをご存知でしょうか?

本来イギリスには、ピューマや黒豹といった大型のネコ科動物は生息していません。それなのに、なぜこれほど多くの人が目撃しているのでしょうか。

この記事では、イギリスを中心に世界各地で目撃される未確認動物「エイリアン・ビッグ・キャット」について、その姿や特徴、興味深い伝承を分かりやすくご紹介します。


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概要

エイリアン・ビッグ・キャット(Alien Big Cat)は、本来そこにいるはずのない大型ネコ科動物の総称です。

略してABCとも呼ばれ、イギリスではファントムキャット(幻のネコ)やブリティッシュビッグキャットという名前でも知られています。

「エイリアン」といっても宇宙人とは関係ありません。この場合の「エイリアン」は「外来の」「本来いるべきでない」という意味なんですね。

1960年代頃から目撃例が急増し、写真や映像の記録にも成功しています。さらに、ABCと思われる個体の捕獲例もあることから、UMA(未確認動物)の中では実在する可能性が非常に高い稀有な存在とされているのです。

目撃地はイギリス全土に広がっており、近年ではアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど、世界各地からも報告が届いています。


姿・見た目

ABCの姿は、一言でいえば「イギリスにいるはずのない大きなネコ」です。

目撃者たちの証言をまとめると、以下のような特徴が浮かび上がります。

ABCの外見的特徴

  • 体長:60センチ〜1.2メートル程度
  • 体高:肩までの高さが約70センチ〜90センチ(大型犬ほど)
  • 体格:一般的なイエネコと比べて脚が長く、全体的にがっしりしている
  • 毛色:黒、茶色、金色など(黒い個体の目撃が特に多い)
  • 外見の印象:ピューマ、黒豹、巨大なヤマネコに似ている

面白いことに、これらの特徴はヤマネコ属に共通する特徴でもあります。普通のイエネコとは明らかに違う、野性的で筋肉質な体つきが特徴的なんですね。

イギリスでは近代以降、これらの特徴に該当する野生動物の生息は確認されていません。だからこそ、目撃者たちは「あり得ないものを見た」と驚くわけです。


特徴

ABCには、いくつかの興味深い行動パターンがあります。

ABCの主な特徴

  • 獰猛な気性:家畜を襲うことがあり、羊やウサギが被害に遭う事例が多数報告されている
  • 夜行性:目撃情報の多くは夕方から夜間にかけて
  • 警戒心が強い:人間の気配を感じると素早く逃げる
  • 単独行動:群れで行動する姿はほとんど目撃されていない

また、一部のABCには超常的な能力があるという説も存在します。

「モギィ」と呼ばれるタイプのABCは、空気に溶け込むように姿を消したり、テレポーテーションを行ったりする能力を持つとされています。これが捕獲を困難にしている理由だという意見もあるんですね。

ただし、すべてのABCが超能力を持っているわけではありません。あくまでも一部の伝承に過ぎないことは覚えておきましょう。


伝承

ABCにまつわる目撃談や事件は、数え切れないほど存在します。

1994年の「キャット・フラップ」

イギリスでは、ABCの目撃情報が一時的に多発する現象を「キャット・フラップ」と呼んでいます。

1994年はまさにキャット・フラップの年でした。この年、イギリスのローカル新聞100紙以上がABCの目撃情報を記事にし、報告件数は年間157件にも上ったのです。

中でも話題になったのが、ウサギをくわえて走るABCの後ろ姿をとらえた写真。この写真は新聞のトップを飾るほどのニュースとなりました。

2004年〜2005年の大量目撃

イギリス・ビッグキャット協会の集計によると、2004年4月から2005年5月の間に2,023件もの目撃例が報告されています。

地域別の内訳は以下の通りです。

  • 南西イングランド:430件
  • ミッドイングランド:339件
  • その他の地域:多数

これは1994年をはるかに超える数字であり、ABCへの関心と目撃情報は年々増加傾向にあることがわかります。

有名人の目撃談

1994年には、アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた経験を持つサラ・マイルズもABCを目撃しています。

彼女が目撃したのは、ペットの犬と同じくらいの大きさで、体高約70センチのABC。目撃場所は、イギリス南部ウエスト・サセックス州にある自宅だったそうです。

家畜被害の報告

ヨークシャー州のバームビー・オン・ザ・マーシュでは、ABCのものと思われる幅15インチを超える足跡が発見されました。

この地域では、骨だけになったヒツジやシカの死体が数多く見つかっており、ABCに襲われたのではないかと推測されています。こうした被害報告が、人々の恐怖をさらに煽っているんですね。

ボドミンムーアの獣

コーンウォール地方のボドミンムーアでは、1980年代から「巨大なネコ科動物を見た」「家畜が襲われた」という報告が相次ぎました。

1995年には政府による調査が行われましたが、決定的な証拠は見つかりませんでした。それでも目撃情報は途絶えることなく、「ボドミンムーアの獣」として今でも語り継がれています。


起源・正体

ABCの正体については、いくつかの仮説が立てられています。

野生化したペット説(最有力)

1960年代、イギリスでは異国の動物をペットにすることが流行しました。大型のネコ科動物を連れ歩く愛好家も少なくなかったのです。

しかし1978年、危険な野獣の飼育を禁止する法律が施行されます。このとき、多くの飼い主がこっそりとペットを野に放ったのではないかと考えられているんですね。

実際の捕獲例も存在します。1980年、スコットランドのハイランド地方で雌のピューマが捕獲されました。このピューマは「フェリシティ」と名付けられ、動物園で余生を過ごしています。死後は剥製となり、現在はインヴァネス博物館に展示されているのです。

イギリス政府の発表によれば、1977年以降、18頭ものネコ科大型動物が逃げ出して野生化しているとのこと。この説は最も現実的な説明として広く支持されています。

交雑種説

ヨーロッパヤマネコの生き残りと、逃げ出した大型のネコが交配した結果、新種が生まれたという説もあります。

実際にスコットランドでは、イエネコとスコティッシュワイルドキャット(ヨーロッパヤマネコの一種)の交雑種が確認されています。「ケラス・キャット」と呼ばれるこの交雑種は、通常のネコよりも大きく、黒い毛並みを持つことがあるのです。

古代の生き残り説

約1万年前、イギリスにはオオヤマネコが生息していました。その生き残りがABCではないかという説もあります。

ピューマのような頭と房毛のある耳を持ち、茶色や金色、時には黒色の毛皮をまとった動物——古文献に残るその姿は、ABCの特徴とよく一致しているんですね。

誤認・いたずら説

一方で、懐疑的な意見も存在します。

  • 野犬やキツネを見間違えた
  • 大柄なイエネコを誤認した
  • ぬいぐるみや切り抜きによるいたずら

実際、2012年にエセックス州で目撃された「羊の2倍くらいの大きさ」のライオンは、調査の結果大柄な生姜色の飼い猫だったことが判明しています。

ただし、家畜に残された鋭い傷跡を見る限り、すべてを誤認で片付けることは難しいでしょう。


まとめ

エイリアン・ビッグ・キャットは、イギリスを中心に世界各地で目撃される謎の大型ネコ科動物です。

重要なポイント

  • 1960年代から目撃が急増し、現在も年間数百件の報告がある
  • 体長60センチ〜1.2メートル、ピューマや黒豹に似た姿
  • 家畜を襲う獰猛な性格で、多くの被害が報告されている
  • 1980年にはスコットランドで実際にピューマが捕獲された
  • 正体は「野生化したペット」説が最有力

これだけ目撃情報や写真、映像が揃っているにもかかわらず、ABCの正体は完全には解明されていません。

その最大の理由は、生きた個体の捕獲に成功した例が極めて少ないこと。正体を解明するためには、さらなる調査と個体の捕獲が待たれるところです。

もしイギリスの田園地帯を訪れることがあれば、茂みの中に光る二つの目に出会うかもしれません。それが普通のネコなのか、それとも謎のABCなのか——答えはまだ闘の中なのです。

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