「入力したはずの文字が消える」「画面に見えているのに印刷されない」「点線のついた文字が急に消えた」など、Wordで文字が表示されない問題にはいくつかのパターンがあります。
原因によって対処法がまったく異なるため、まず自分の症状がどのケースに当てはまるかを確認しましょう。
ケース1:入力すると前の文字が消える(上書きモード)
原因
Wordには「挿入モード」と「上書きモード」の2種類の入力モードがあります。
通常は挿入モードで、カーソルの位置に文字が追加されます。
しかし「上書きモード」になると、入力した文字がカーソル右側の文字を上書きして消してしまいます。
キーボードの「Insert」キー(または「Ins」キー)を誤って押すと、このモードに切り替わります。
DeleteキーやBackspaceキーの近くにあるため、気づかず押してしまいやすいキーです。
対処法
もう一度「Insert」キーを押すと、挿入モードに戻ります。
現在どちらのモードか確認したい場合は、Wordの画面下部のステータスバーを見ます。
ステータスバーに「上書きモード」と表示されていれば上書き状態です。
表示がない場合は、ステータスバーの何もない部分を右クリックして「上書き入力」にチェックを入れると表示できます。
Insertキーによる切り替え自体を無効にする方法
「Insert」キーを押しても上書きモードに切り替わらないよう、設定で無効化できます。
- 「ファイル」→「オプション」を開きます
- 「詳細設定」を選びます
- 「編集オプション」にある「上書き入力モードの切り替えにInsキーを使用する」のチェックを外します
- 「OK」をクリックします
ケース2:入力した文字が最初から見えない(文字色の問題)
原因
文字の色が背景色と同じ(多くの場合は白)に設定されていると、文字が存在しても見えない状態になります。
テンプレートのコピーやスタイルの引き継ぎで、意図せず白色フォントが設定されることがあります。
対処法
- 見えない文字を選択します(Ctrl+Aで全選択も可)
- 「ホーム」タブの「フォントの色」右の「▼」をクリックします
- 「黒」または「自動」を選択します
ケース3:文字があるはずなのに画面から消えている(隠し文字)
隠し文字とは
Wordには「隠し文字」という書式設定があります。
これはデータとして文書内に存在しながら、画面への表示と印刷を切り替えられる機能です。
設定されると文字の下に点線が表示され、編集記号を非表示にすると画面からも消えます。
隠し文字が設定されているか確認する方法
「ホーム」タブの段落グループにある「編集記号の表示/非表示」ボタン(¶マーク)をクリックします。
文字の下に点線が表示されたら、その文字には隠し文字の書式が設定されています。
隠し文字の書式を解除する方法
- 隠し文字を選択します(Ctrl+Aで全選択も可)
- 「ホーム」タブの「フォント」グループ右下の矢印をクリックします
- フォントダイアログの「文字飾り」にある「隠し文字」のチェックを外します
- 「OK」をクリックします
ショートカットキー「Ctrl + Shift + H」でも隠し文字の設定・解除を切り替えられます。
ケース4:画面には見えるのに印刷されない(隠し文字の印刷設定)
原因
Wordの初期設定では、隠し文字は画面に表示されていても印刷されません。
印刷プレビューで文字が消えている場合は、この設定を確認します。
隠し文字を印刷する設定にする方法
- 「ファイル」→「オプション」を開きます
- 「表示」をクリックします
- 「印刷オプション」の「隠し文字を印刷する」にチェックを入れます
- 「OK」をクリックします
この設定はWordソフト全体に適用され、他のファイルにも影響します。
必要な場合のみオンにして、印刷後は元に戻すことをおすすめします。
ケース5:入力中の文字が画面左上に表示される(IMEの不具合)
原因
日本語入力システム(IME)の設定に問題があると、変換中の未確定文字がWord文書の中ではなく、画面の左上や別の場所に表示されることがあります。
Windows 10 バージョン2004以降で導入された新しい日本語IMEで特に起きやすい現象です。
対処法1:Wordとパソコンを再起動する
一時的な不具合の場合、再起動で解消することがあります。
対処法2:IMEを旧バージョンに切り替える
- タスクバーの「あ」または「A」を右クリックします
- 「設定」を開きます
- 「全般」→「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオンにします
対処法3:Officeの修復を実行する
Officeのファイルが破損している場合は修復で改善することがあります。
- 「コントロールパネル」→「プログラム」→「プログラムと機能」を開きます
- Microsoft Officeを右クリックし「変更」を選びます
- 「オンライン修復」を選択して実行します
症状から原因を探す早見表
| 症状 | 疑われる原因 | 確認箇所 |
|---|---|---|
| 入力すると右側の文字が消える | 上書きモード | ステータスバー |
| 文字を入力しても何も見えない | 文字色が白・背景と同色 | フォントの色 |
| 以前あった文字が突然消えた | 隠し文字の表示設定 | 編集記号の表示/非表示(¶) |
| 画面に見えるが印刷されない | 隠し文字の印刷設定 | Wordのオプション→表示 |
| 入力中の文字が左上に出る | IMEの不具合 | IMEの設定・再起動 |
まとめ
Wordで文字が表示されない原因は、大きく分けて「上書きモード」「文字色の問題」「隠し文字」「IMEの不具合」の4つです。
症状を確認して原因を特定することで、短時間で解決できます。
隠し文字はデータとして残り続けるため、ファイルを他の人と共有する際は「ドキュメント検査」機能(「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」)で確認しておくと安心です。

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