「そっぽを向く」という言葉を耳にしたとき、「そっぽって、いったいどこ?」と疑問に思ったことはないだろうか。
実は「そっぽ」には漢字表記があり、そこに意味のヒントが隠れている。
この記事では「そっぽ」の読み方・意味・語源、そして「そっぽを向く」の使い方までまとめて解説する。
「そっぽ」の読み方と漢字表記
読み方: そっぽ
漢字表記: 外方(そっぽ)
現代では漢字よりひらがなで書かれることがほとんどで、辞書でも「そっぽ」の表記が一般的だ。
「そっぽ」の意味
「そっぽ」は名詞で、正面ではなく横や外の方向を指す。
もともとは「そっぽう(外方)」という語が変化したもので、精選版日本国語大辞典(小学館)では以下のように説明されている。
- ① 横・外の方向(「そっぽう」の第二義に同じ)
- ② 容貌(かおかたち)(古い用法)
現代で使われるのはほぼ①の意味で、②の用法はほとんど見られない。
「そっぽ」の語源・由来
漢字から読み解く意味
「そっぽ」を漢字で書くと「外方」となる。
- 外(そと・ほか):外側、別の場所、よその方向
- 方(かた・ほう):方向、方面
この2文字を合わせると「外の方向=正面以外の方向」という意味になる。
語源は「そっぽう」の変化
「そっぽ」は「そっぽう(外方)」の末尾の「う」が脱落して短くなった語だ。
ただし、精選版日本国語大辞典は「そっぽう」の項目で「語源・歴史的かなづかい未詳」と記しており、語源の詳細は確定していない。
同辞典の補助注記によると、語源の説は大きく2つのグループに分類されている。
- 接頭語説:「そっ」を接頭語とする説
- 変化説:「其方」または「外方」が変化したとする説
いずれも決定的な証拠はなく、現時点で語源は未詳とされている。
「そっぽを向く」の意味
「そっぽを向く」は、「そっぽ(外方・横の方向)」+「を向く(その方向に正面を向ける)」が組み合わさった慣用句だ。
精選版日本国語大辞典によると、「そっぽを向く」には2つの意味がある。
① 相手を見ずに横や別の方向を向く(物理的な動作)
顔や視線を相手からそらして、よその方向を向く動作そのものを指す。
② まともに取り合わず無視する(比喩的な意味)
相手や物事を意図的に無視する・協力しない・相手にしない、という態度を表す。
①の物理的な動作の意味から②の比喩的な意味が派生したと一般に考えられている。
文献上の初出例
精選版日本国語大辞典に掲載されている「そっぽを向く」の最古の実例は、内田魯庵(うちだろあん)の小説『くれの廿八日(くれのにじゅうはちにち)』(1898年)の用例だ。
「勝手になさいっ」とお吉はツンと他方(ソッポ)を向いて
明治時代にはすでに現代と同じ感覚で使われていたことがわかる。
「そっぽを向く」の使い方・例文
①の用法(物理的な動作)
- 猫はえさを差し出されても、そっぽを向いて受け取らなかった。
- 彼は怒って、そっぽを向いたまま口をきかなかった。
②の用法(比喩的な意味)
- 消費者にそっぽを向かれた商品は、どんなに宣伝してもなかなか売れない。
- 部下たちがそっぽを向いてしまい、プロジェクトが空中分解しそうだ。
受け身形「そっぽを向かれる」
「そっぽを向く」は受け身でも使われることが多い。
- 「あんな態度じゃ、友達にそっぽを向かれるよ。」
類義語
「そっぽを向く」と近い意味を持つ表現を紹介する。
| 言葉 | 意味のポイント |
|---|---|
| 横を向く | 無視・拒絶する動作に近い表現 |
| 背を向ける | 相手に背を向けるほど強い拒絶・無関心 |
| 顔をそむける | 見ないようにする、または嫌悪感を伴う回避 |
| 目をそらす | 視線だけを外す、やや軽い回避 |
| 明後日(あさって)の方を向く | 見当違いの方向を向くこと。的外れな言動の揶揄にも使う |
「そっぽを向く」はこれらの中でも、相手への拒絶・無関心・非協力というニュアンスが特に強い表現だ。
まとめ
「そっぽ」は漢字で「外方」と書き、正面ではなく横や外の方向を意味する言葉だ。
「そっぽう(外方)」が変化してできた語で、語源については諸説あるが現時点では未詳とされている。
「そっぽを向く」は①顔を横に向ける動作、②相手を無視・拒絶する態度という2つの意味で使われ、現代日本語では②の比喩的な使い方が特に多い。
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