ゲームをしていると「キャリブレーション」という言葉を目にすることがあります。
コントローラーの設定画面、ゲーム内のオプション、Steamの設定など、さまざまな場所で登場しますが、「何をする機能なのか」がわかりにくいですよね。
この記事では、ゲームにおけるキャリブレーションの意味と種類、デッドゾーンとの関係、具体的な調整方法をまとめて解説します。
キャリブレーションとは?

キャリブレーション(calibration)とは、機器の出力が正確になるよう基準値に合わせて調整する作業のことです(Weblio辞書より)。
もともとは科学計測機器や医療機器で使われる専門用語ですが、ゲームの世界では主に次の2つの場面で使われます。
- コントローラーのキャリブレーション:アナログスティックやトリガーの基準位置・動作範囲を正しく調整する
- ディスプレイのキャリブレーション:モニターやテレビの色・明るさを正確な状態に調整する
ゲームコントローラーのキャリブレーション
ゲームで最もよく目にするのが、コントローラーのアナログスティックのキャリブレーションです。
なぜキャリブレーションが必要なのか
アナログスティックは内部にポテンショメーター(可変抵抗)というセンサーを搭載しており、スティックの傾き具合を電気信号に変換してゲームに伝えます。
しかしこのセンサーは、製品ごとに微妙な個体差があり、また長期間使用すると摩耗します。
その結果、スティックをまったく触っていないのにキャラクターやカメラが勝手に動く「スティックドリフト」が発生することがあります。
キャリブレーションを行うことで、次のような効果が得られます(SCUF Gaming公式より)。
- スティックの正確な中心位置(ニュートラル)を再設定できる
- スティックが動ける範囲(最大入力値)を正しく認識させられる
- 軽いスティックドリフトを軽減・解消できる
- ゲーム内での操作の一貫性が向上する
デッドゾーン(Deadzone)とは
キャリブレーションと合わせて理解したいのがデッドゾーンです。
デッドゾーン(Dead Zone)とは、アナログスティックの中心付近に設けられた「入力を無視するエリア」のことです(How-To Geek「What Is a Controller Dead Zone」より)。
スティックは静止しているときでも、センサーの微細な揺れ(ノイズ)によってごく小さな入力値を出力し続けます。
デッドゾーンはそのノイズを無視することで、スティックに触れていないのに操作が入力されてしまう誤動作を防ぐ仕組みです。
デッドゾーンの大きさと操作感の関係
| デッドゾーンの大きさ | 操作感 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 小さい(0〜5%程度) | 高感度・即反応 | FPSや競技ゲーム |
| 普通(5〜15%程度) | バランス型 | 一般的なゲームプレイ |
| 大きい(15%以上) | 安定・鈍め | ドリフト対策・カジュアルゲーム |
スティックドリフトが起きているコントローラーでは、デッドゾーンを少し大きくすることでドリフトの症状を緩和できる場合があります。
デッドゾーンの形状:アキシャルとラジアル
デッドゾーンには形状の種類もあります。
アキシャル型(十字形)は、X軸とY軸それぞれ独立してデッドゾーンを設定します。
斜め方向の微細な入力が無視されやすく、動きが「四角っぽく」なる特性があります。
ラジアル型(円形)は、中心から360度均等に円形のデッドゾーンを設定します。
どの方向にも自然なスムーズさで反応するため、現代の3Dシューターやアクションゲームで標準的に採用されています(gamepadtester.proより)。
キャリブレーションの方法
Windows(PC)でのキャリブレーション
WindowsにはUSBコントローラーのキャリブレーション機能が標準搭載されています。
- スタートメニューの検索欄に
コントローラーと入力し、「USB ゲームコントローラーのセットアップ」を選択する - 一覧からキャリブレーションしたいコントローラーを選び、「プロパティ」をクリックする
- 「設定」タブを開き、「調整」ボタンをクリックする
- 「デバイスの調整ウィザード」が起動するので、画面の指示に従って進める
- スティックをニュートラル(中立)に置いて次へ
- スティックを各方向に最大まで倒して次へ
- D-Pad(または左スティック)を回転させて次へ
- 完了したら「完了」ボタンをクリックする
キャリブレーションをやり直したい場合は、同じ画面の「デフォルトにリセット」で元の状態に戻せます。
Steam(PC)でのキャリブレーション
Steamのキャリブレーション機能はデッドゾーンのスライダーを手動調整できるため、より細かい設定が可能です。
- Steamを起動し、「Steam」メニュー → 「設定」を開く
- 左側メニューの「コントローラー」を選択する
- 「一般的なコントローラー設定」をクリックする
- 一覧からコントローラーを選び、「キャリブレーション」をクリックする
- デッドゾーンのスライダーを調整する
Steamでのキャリブレーション設定は、Steamを通じてプレイするすべてのゲームに適用されます(How-To Geek「What Is a Controller Dead Zone」より)。
Nintendo Switch(Joy-Con・Proコントローラー)
Nintendo Switchには本体にスティックのキャリブレーション機能が搭載されています。
- 「設定」→「コントローラーとセンサー」→「スティックの補正」を選択する
- 補正したいコントローラーとスティック(左右)を選ぶ
- 画面の指示に従い、スティックを各方向に倒して補正を行う
ディスプレイのキャリブレーション
ゲームの映像表現をよりよく楽しむためには、モニターやテレビのディスプレイキャリブレーションも重要です。
ディスプレイキャリブレーションでは、次の項目を調整します。
- 明るさ(輝度):暗いシーンの視認性に影響する
- コントラスト:明暗差の表現に影響する
- 色温度・色調整:映像の色合いを自然に見せる
- ガンマ:中間の明るさのなめらかさに影響する
多くのゲーム機やゲームタイトルでは、起動時や設定画面内にゲーム専用のキャリブレーション画面が用意されており、特定のグレーや黒いパターンを見ながら明るさを合わせる仕組みになっています。
また、テレビでゲームをする場合は「ゲームモード」に設定することで、映像処理による遅延(入力ラグ)を抑えられます(TCL公式より)。
キャリブレーションが必要なサインとは?
次のような症状が出たら、キャリブレーションを試してみましょう。
- スティックを触っていないのにキャラやカメラが動く(スティックドリフト)
- スティックを最大まで倒しても移動速度が上がらない
- ゲームの操作がなんとなく「ズレている」と感じる
- コントローラーをリセット・初期化した後
ただし、スティックドリフトがひどい場合はセンサー自体の物理的な摩耗が原因なこともあります。
キャリブレーションはソフトウェア的な補正であるため、ハードウェアの損傷が進んでいる場合は修理や交換が必要になることもあります(SCUF Gaming公式より)。
まとめ
キャリブレーションとは、コントローラーやディスプレイが正確に動作するよう基準値に調整する作業です。
特にコントローラーのアナログスティックでは、スティックドリフトや入力のズレを補正するために重要な機能です。
- スティックが勝手に動く(ドリフト) → コントローラーのキャリブレーションとデッドゾーン調整を試す
- Steamゲームでスティックの反応がおかしい → Steamのキャリブレーション機能を使う
- 映像の色や明るさが気になる → ゲームのディスプレイキャリブレーション機能や、テレビの「ゲームモード」を活用する
軽いスティックドリフトであれば、キャリブレーションとデッドゾーンの調整だけで改善できるケースも多いので、ぜひ試してみてください。

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