「PCが使えない出張先から会議に参加したい」「電話番号だけで会議に入れるようにしたい」——そんな場面で活躍するのがTeamsの電話会議(Audio Conferencing)機能です。
この記事では、電話会議の基本的な仕組みから、管理者向けのセットアップ手順、ユーザーが会議を作成・参加するまでの流れをわかりやすく解説します。
電話会議とは

Teams の電話会議(英語名:Audio Conferencing)は、電話番号にダイヤルするだけでTeams会議に参加できる機能です。
PCやスマートフォンのTeamsアプリを使わなくても、普通の固定電話や携帯電話から会議の音声に参加できます(Microsoft Learn「Teams会議の電話会議を計画する」より)。
「ダイヤルイン会議」「PSTN会議」と呼ばれることもあります。
電話会議が役立つ場面
電話会議が特に便利なのは、次のような状況です(Microsoft Learn より)。
- 出張中でPCやモバイルのTeamsアプリが使えないとき
- インターネット接続が不安定または制限されているとき
- ハンズフリーのBluetooth機器で参加したいとき
- PCのマイクやスピーカーにトラブルが発生したとき
電話で参加した場合でも、ほかの参加者の音声は聞こえ、2台目のデバイスで画面共有などのコンテンツを確認することができます(Microsoft公式サポートページ「電話でTeams会議に参加する」より)。
電話会議の仕組み
電話会議では、会議ブリッジという仕組みが使われます。
会議ブリッジは電話でダイヤルインしてきた参加者の通話を受け付けて、Teams会議に接続する中継役です(Microsoft Learn「電話会議の設定」より)。
ブリッジには有料電話番号またはフリーダイヤル番号が割り当てられており、参加者はその番号と会議IDを使って会議に入ります。
電話番号の種類
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 有料電話番号(Toll) | ダイヤルした側が通話料を負担する |
| フリーダイヤル番号(Toll-free) | ダイヤルした側は無料(国・地域によって利用可否が異なる) |
| 専有番号 | 自組織専用の番号。応答言語を変更可能 |
| 共有番号 | 他のMicrosoft 365組織と共有する番号。応答言語の変更不可 |
フリーダイヤル番号の提供および国際電話へのダイヤルアウトには、追加でコミュニケーションクレジットの設定が必要です(Microsoft Learn より)。
電話会議に必要なライセンス
| 対象 | ライセンス |
|---|---|
| 会議を主催・スケジュールするユーザー | 電話会議アドオンライセンスが必要 |
| 会議にダイヤルインで参加するだけの参加者 | ライセンス不要 |
電話会議ライセンスは、Microsoft 365 / Office 365のE5プランに標準で含まれています。
E1・E3プランを使用している場合は、別途アドオンライセンスを購入して割り当てる必要があります(Microsoft Learn「Microsoft Teamsアドオンライセンス」より)。
なお、電話会議にはTeams電話(Teams Phone)ライセンスは不要です(Microsoft Learn「Teams会議の電話会議を計画する」より)。
管理者向け:電話会議のセットアップ手順
ステップ1:利用可能かどうか確認する
電話会議は国・地域によって提供状況が異なります。
Microsoft Learnの「電話会議と通話プランを使用できる国および地域」で日本での利用可否を確認してください。
ステップ2:ライセンスを購入・割り当てる
- Microsoft 365管理センター にサインインする
- 「ユーザー」→「アクティブなユーザー」から対象ユーザーを選択する
- 「製品ライセンス」で「電話会議」をオンにして「保存」をクリックする
ライセンスを割り当てた直後、電話会議プロバイダーとしてMicrosoftが一覧に表示されない場合は、管理センターからサインアウトして再サインインするか、ブラウザを更新(Ctrl+F5)してください(Microsoft Learn「電話会議の設定を管理する」より)。
ステップ3:会議ブリッジの電話番号を確認・設定する
電話会議を有効にすると、組織の所在国に対応したダイヤルイン番号が自動的に割り当てられます。
- Teams管理センター にサインインする
- 左メニューの「会議」→「会議ブリッジ」を選択する
- 割り当て済みの電話番号が一覧表示される
新しい番号を追加したい場合や特定の市外局番が必要な場合は、管理センターから番号を取得するか、申請書を提出してMicrosoftに問い合わせます(Microsoft Learn「電話会議の設定を管理する」より)。
ステップ4:招待状に含める電話番号を設定する
- Teams管理センターで「ユーザー」→「ユーザーの管理」を開く
- 対象ユーザーの名前を選択する
- 「電話会議」の横にある「編集」をクリックする
- 「有料電話番号」または「フリーダイヤル番号」フィールドに番号を入力する
設定した番号が会議招待状に反映されるまで最大24時間かかることがあります(Microsoft Learn「招待状に含まれている電話番号を設定する」より)。
ステップ5:会議ブリッジの設定を確認・調整する
Teams管理センターの「会議」→「会議ブリッジ」→「ブリッジの設定」から、以下を確認・変更できます(Microsoft Learn「電話会議の設定を管理する」より)。
| 設定項目 | 内容 |
|---|---|
| 入退室のお知らせ | 参加者の入退室時にサウンドや名前を読み上げるか設定する |
| PINの長さ | 4〜12桁(デフォルトは5桁) |
| 自動応答の言語 | ダイヤルイン時の案内音声の言語を最大4言語まで設定可能 |
| ダイヤルイン設定変更時の通知メール | 設定変更をユーザーにメールで自動通知するか選択する |
ユーザー向け:電話会議付きの会議を作成する
電話会議ライセンスが割り当てられているユーザーが会議をスケジュールすると、招待状に自動的にダイヤルイン番号と会議IDが記載されます。
OutlookまたはTeamsカレンダーから作成する
- TeamsまたはOutlookのカレンダーを開く
- 「新しい会議」または「新しいTeams会議」を選択する
- タイトル・日時・参加者を入力する
- 「送信」または「保存」をクリックする
会議の招待メールには、Teams参加リンクとともに「電話で参加」の欄にダイヤルイン番号と会議IDが自動的に掲載されます。
参加者向け:電話会議への参加方法
ダイヤルインで参加する(電話から)
- 会議招待状の「電話で参加」に記載されているダイヤルイン番号に電話する
- 音声案内に従って会議IDを入力し、
#キーを押す - 参加者として参加する場合はそのまま会議に入る
- 開催者として参加する場合は、
*キーを押してからダイヤルインPINを入力する
自分の国・地域のダイヤルイン番号は、招待状の「電話番号を探す」リンクから確認できます(Microsoft公式サポートページ「電話でTeams会議に参加する」より)。
Teamsアプリから「電話で参加」する機能を使う
PCのTeamsアプリを使いながら音声だけ電話で参加したい場合は、次の手順でできます(Microsoft Learn「ユーザーの電話する機能をセットアップする」より)。
- 会議に参加するとき「ビデオとオーディオのオプション」画面で「電話の音声」を選択する
- 「今すぐ参加」をクリックする
- Teams側から自分の電話番号に折り返し通話が来るか、手動でダイヤルイン番号に電話する
この機能を使うには、会議開催者が電話会議ライセンスを持っている必要があります。
ダイヤルインPINの設定方法
開催者が電話のみで会議を開始する場合、ダイヤルインPINが必要です。
PINを持たない場合、開催者も参加者も全員が電話のみで参加していると、全員がロビーで待機したまま会議が始まりません(Microsoft Learn「電話会議に関するよくある質問」より)。
- Teamsの設定から「電話会議設定」ページにアクセスする
- PINを新しく設定または変更する
PINの桁数は4〜12桁で、管理者が設定した長さに合わせます。
会議中のDTMFコマンド
電話から参加している場合、次のコマンドを使って音声を操作できます(Microsoft公式サポートページより)。
| 操作 | キー操作 |
|---|---|
| 自分をミュート / ミュート解除 | *6 |
| 手を挙げる | *5 |
| ヘルプコマンドを再生する | *0 |
よくあるトラブルと対処法
ダイヤルイン番号が招待状に表示されない
電話会議ライセンスが正しく割り当てられているか確認してください。
ライセンス割り当て後、招待状に番号が反映されるまで最大24時間かかります(Microsoft Learn より)。
ダイヤルインしたが会議に入れない
会議IDの入力ミスや、会議が開催者によってロックされている可能性があります。
招待状の会議IDを確認して、再度ダイヤルしてみてください。
開催者がPINなしで電話から会議を始めたい
Teams管理センターでユーザーごとに「認証されていない発信者が会議の最初のユーザーであることを許可する」設定をオンにすると、PIN入力なしで会議を開始できます(Microsoft Learn「電話会議に関するよくある質問」より)。
ただし、セキュリティが下がる点に注意してください。
フリーダイヤル番号が利用できない
フリーダイヤル番号の利用にはコミュニケーションクレジットの設定が必要です。
Teams管理センターからコミュニケーションクレジットを購入・設定してください。
まとめ
Teams の電話会議を使えば、PCのない環境でも電話一本で会議に参加できます。
会議を主催するユーザーには電話会議アドオンライセンスが必要ですが、参加者はライセンスなしでダイヤルインできます。
セットアップは管理者がMicrosoft 365管理センターとTeams管理センターから行い、ライセンスを割り当てるだけで招待状にダイヤルイン番号が自動的に追加される仕組みです。
出張が多い組織や、インターネット接続が安定しない環境で働くメンバーがいる場合に特に効果的な機能です。
参考情報源:
- Microsoft Learn「Microsoft Teamsの電話会議を設定する」 (2025年1月更新)
- Microsoft Learn「Teams会議の電話会議を計画する」 (2025年1月更新)
- Microsoft Learn「電話会議の設定を管理する」 (2025年1月更新)
- Microsoft Learn「招待状に含まれている電話番号を設定する」
- Microsoft Learn「電話会議に関するよくある質問」 (2025年1月更新)
- Microsoft サポート「電話でTeams会議に参加する」
- Microsoft Learn「Set up Audio Conferencing for Microsoft Teams」


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