ゲームのパッケージや商品ページに表示されている年齢制限マークをご存知でしょうか。
この記事では、日本や海外の主要なゲーム年齢制限システム(レーティング制度)について、区分・基準・違いを詳しく解説します。
ゲームの年齢制限(レーティング)とは

ゲームの年齢制限(レーティング)とは、ゲームに含まれる暴力表現、性的表現、言語表現などの内容に基づいて、対象年齢を示すシステムのことです。
年齢制限は、保護者がお子様に適したゲームを選ぶための重要な判断材料となります。
なお、年齢制限はゲームの難易度ではなく、表現内容の適切性を示すものです。
日本のゲーム年齢制限:CERO(セロ)
CEROとは
CERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)は、日本におけるゲームの年齢制限を審査する特定非営利活動法人です。
2002年6月に設立され、2002年10月1日からレーティング制度を開始しました。
CEROは日本国内で販売される家庭用ゲームソフト(業務用ゲームを除く)を対象に、表現内容に基づいて年齢区分を審査しています。
CEROの年齢区分一覧
CEROの年齢区分は5種類あり、それぞれアルファベットと色で識別されます。
| 区分 | 対象年齢 | 帯色 | 説明 |
|---|---|---|---|
| CERO A | 全年齢対象 | 黒 | 年齢に関係なく誰でも楽しめる内容 |
| CERO B | 12才以上対象 | 緑 | 12歳以上を対象とした内容 |
| CERO C | 15才以上対象 | 青 | 15歳以上を対象とした内容 |
| CERO D | 17才以上対象 | オレンジ | 17歳以上を対象とした内容 |
| CERO Z | 18才以上のみ対象 | 赤 | 18歳未満への販売・頒布禁止 |
CERO Zの重要性:
CERO Zは他の区分と異なり、18歳未満への販売や頒布が禁止されています。
一部の自治体では条例により販売規制が行われており、違反すると罰則が科される場合があります。
CEROの審査対象
CEROが審査する表現項目は27項目あり、以下のようなカテゴリーに分かれています:
- 暴力表現(出血、殺傷、身体の分離・欠損など)
- 性的表現(裸体、性行為など)
- 言語・思想関連の表現(罵倫語、差別表現など)
- 反社会的行為(犯罪、麻薬、ギャンブルなど)
審査では、ゲームの本編だけでなく、隠しコマンドや裏技を含むすべての収録内容が対象となります。
コンテンツアイコン
CERO B以上のゲームには、パッケージ裏面に「コンテンツアイコン」が表示されます。
コンテンツアイコンは、年齢区分を決定した根拠となる表現を示すもので、9つのカテゴリーがあります:
- 恋愛
- セクシャル
- 暴力
- 恐怖
- 飲酒・喫煙
- ギャンブル
- 犯罪
- 麻薬
- 言語・その他
その他のCEROマーク
年齢区分以外に、以下のマークもあります:
- 教育・データベース: 教育用ソフトやデータベース的なソフトに表示
- CERO規定適合: 体験版など、禁止表現の有無のみを審査したソフトに表示
- 審査予定: 制作中のソフトの販促物に表示(審査はまだ行われていない)
CEROの歴史的経緯
2006年3月に、CEROの年齢区分は4種類から5種類に改訂されました。
旧区分の「18才以上対象」が、新区分では「D(17才以上対象)」と「Z(18才以上のみ対象)」の2段階に分かれました。
この改訂により、より細かい年齢区分が可能になり、表現規制の明確化が図られました。
北米のゲーム年齢制限:ESRB(イーエスアールビー)
ESRBとは
ESRB(Entertainment Software Rating Board、エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会)は、アメリカ、カナダ、メキシコ(デジタル版のみ)で使用されているゲームの年齢制限システムです。
1994年9月1日に設立されました。
ESRBは暴力表現や性的表現への懸念を受けて創設され、現在では年間数千のゲームを審査しています。
ESRBの年齢区分一覧
ESRBの年齢区分は6種類あります。
| 区分 | 読み方 | 対象年齢 | 説明 |
|---|---|---|---|
| E | Everyone(エブリワン) | 全年齢 | すべての年齢層に適した内容 |
| E10+ | Everyone 10+(エブリワン テンプラス) | 10歳以上 | 10歳以上に適した内容 |
| T | Teen(ティーン) | 13歳以上 | 13歳以上に適した内容 |
| M | Mature(マチュア) | 17歳以上 | 17歳以上に適した内容 |
| AO | Adults Only(アダルツオンリー) | 18歳以上のみ | 18歳以上のみを対象とした内容 |
| RP | Rating Pending(レーティングペンディング) | 審査中 | まだ最終的な評価が決定していない |
注: EC(Early Childhood、幼児向け)という区分もありましたが、2018年3月1日に廃止され、E区分に統合されました。
AOレーティングの特殊性:
AO(Adults Only)レーティングは最も厳格な区分で、長時間の激しい暴力、露骨な性的表現、実際の通貨を使用したギャンブルなどが含まれる場合に適用されます。
多くの小売店はAOレーティングのゲームを取り扱わず、主要なゲーム機メーカーもAOレーティングのゲームをライセンス許可しないことが一般的です。
ESRBのコンテンツディスクリプター
ESRBでは、年齢区分に加えて「コンテンツディスクリプター」と呼ばれる詳細な内容表示があります。
現在、32種類のコンテンツディスクリプターがあり、暴力の程度、言語表現、性的内容、ヌード、薬物使用などのカテゴリーに分かれています。
代表的なコンテンツディスクリプター:
- Violence(暴力)
- Blood(出血)
- Strong Language(強い言語表現)
- Sexual Content(性的内容)
- Use of Drugs(薬物使用)
- Gambling(ギャンブル)
インタラクティブエレメント
2013年に導入された「インタラクティブエレメント」は、オンライン要素や課金要素を示します:
- In-Game Purchases(ゲーム内課金): 実際の通貨でデジタル商品を購入できる
- Users Interact(ユーザー間のインタラクション): プレイヤー同士が交流できる
- Shares Location(位置情報共有): 他のユーザーと位置情報を共有する
ESRBの統計データ
2024年にESRBが審査したゲームのうち、約65%がE(Everyone)またはE10+(Everyone 10+)の区分でした。
M(Mature)レーティングは約12%で、歴史的に最も少ない区分となっています。
欧州のゲーム年齢制限:PEGI(ペギ)

PEGIとは
PEGI(Pan European Game Information、パンヨーロピアンゲームインフォメーション)は、欧州で使用されているゲームの年齢制限システムです。
2003年4月に導入され、現在は38の欧州諸国で使用されています。
PEGIはISFE(Interactive Software Federation of Europe、欧州インタラクティブソフトウェア連盟)により設立され、欧州委員会の支援を受けています。
PEGIの年齢区分一覧
PEGIの年齢区分は5種類あります。
| 区分 | 対象年齢 | 説明 |
|---|---|---|
| PEGI 3 | 3歳以上 | すべての年齢層に適した内容 |
| PEGI 7 | 7歳以上 | 幼い子供を怖がらせる可能性のある内容を含む |
| PEGI 12 | 12歳以上 | よりグラフィカルな暴力表現や性的な示唆を含む |
| PEGI 16 | 16歳以上 | 現実的な暴力表現や性的内容を含む |
| PEGI 18 | 18歳以上 | 成人向けの過激な暴力、性的表現、薬物使用を含む |
PEGI 18の法的強制力:
一部の国では、PEGI 18のゲームを未成年に販売することが法律で禁止されています。
イギリスでは、PEGI 12、16、18のゲームを該当年齢未満の者に販売することは刑事犯罪となります。
PEGIのコンテンツディスクリプター
PEGIには9つのコンテンツディスクリプターがあり、パッケージ裏面に表示されます:
- Violence(暴力)
- Bad Language(不適切な言語)
- Fear / Horror(恐怖 / ホラー)
- Sex(性的表現)
- Drugs(薬物)
- Discrimination(差別)
- Gambling(ギャンブル)
- In-Game Purchases(ゲーム内課金)
- In-Game Purchases (Includes Random Items)(ランダムアイテムを含むゲーム内課金)
PEGIの特徴
PEGIは、ゲームの難易度ではなく、内容の適切性に基づいて年齢区分を決定します。
審査はオランダのNICAM(Netherlands Institute for the Classification of Audiovisual Media)という独立機関が実施しています。
国際年齢評価連合:IARC(アイアーク)
IARCとは
IARC(International Age Rating Coalition、国際年齢評価連合)は、2013年に設立されたデジタル配信ゲームとモバイルアプリ向けの国際的な年齢評価システムです。
IARCには、ESRB、PEGI、CERO、USK(ドイツ)、ACB(オーストラリア)など、世界の主要なゲーム評価機関が参加しています。
IARCの仕組み
IARCでは、ゲーム開発者が1つのアンケートに回答するだけで、参加しているすべての地域の年齢評価を自動的に取得できます。
これにより、デジタル配信ゲームやモバイルアプリの評価プロセスが大幅に効率化されました。
IARCが使用されているストア
IARCは以下のような主要なデジタルストアで採用されています:
- Google Play
- Microsoft Store
- Nintendo eShop(一部のダウンロード専用ソフト)
- PlayStation Store(一部のダウンロード専用ソフト)
- Oculus Store
2022年以降、PlayStation StoreやNintendo eShopでは、一部のダウンロード専用ゲームにIARCの評価による年齢区分が表示されるようになりました。
主要レーティングシステムの比較
各レーティングシステムを比較すると、以下のような違いがあります。
| 年齢 | CERO(日本) | ESRB(北米) | PEGI(欧州) |
|---|---|---|---|
| 全年齢 | A | E | PEGI 3 |
| 7歳以上 | – | – | PEGI 7 |
| 10歳以上 | – | E10+ | – |
| 12歳以上 | B | – | PEGI 12 |
| 13歳以上 | – | T | – |
| 15歳以上 | C | – | – |
| 16歳以上 | – | – | PEGI 16 |
| 17歳以上 | D | M | – |
| 18歳以上 | Z | AO | PEGI 18 |
文化的違いによる評価の差
同じゲームでも、地域によって異なるレーティングが付けられることがあります。
これは、各地域の文化や価値観の違いを反映しているためです。
例えば:
- ギャンブル表現:PEGIではギャンブル表現に厳しく、カジノを模したミニゲームが含まれるだけでPEGI 12以上になることがあります
- 暴力表現:CEROとESRBでは暴力表現の基準が異なり、同じゲームでもレーティングが異なる場合があります
- 性的表現:各地域で性的表現に対する基準が大きく異なります
保護者向け機能(ペアレンタルコントロール)
主要なゲーム機やデジタルストアには、年齢制限に基づいてゲームの利用を制限できる「ペアレンタルコントロール」機能があります。
主要プラットフォームのペアレンタルコントロール
- Nintendo Switch: みまもり設定で年齢に基づいた制限が可能
- PlayStation: ペアレンタルコントロールで年齢区分に基づいた制限が可能
- Xbox: ファミリー設定で年齢制限やプレイ時間の管理が可能
- Steam: ファミリービューで特定のゲームへのアクセスを制限可能
ペアレンタルコントロールを活用することで、保護者はお子様が適切な年齢のゲームのみをプレイできるよう管理できます。
レーティング制度の重要性と注意点
レーティング制度の重要性
年齢制限(レーティング)制度には、以下のような重要な役割があります:
- 保護者の判断材料: お子様に適したゲームを選ぶ際の客観的な基準を提供
- 青少年の保護: 刺激の強い表現から子供を守る
- 透明性の確保: ゲームに含まれる表現内容を事前に把握できる
- 業界の自主規制: ゲーム業界が自主的に倫理基準を維持
注意すべき点
レーティング制度を利用する際は、以下の点に注意しましょう:
- レーティングは推奨であり強制ではない: CERO Zを除き、多くのレーティングには法的強制力がありません(一部地域を除く)
- 難易度を示すものではない: 年齢区分はゲームの難易度ではなく、表現内容の適切性を示します
- オンライン要素は別: 通信プレイやユーザー生成コンテンツは、レーティングの対象外となる場合があります
- 地域による違い: 同じゲームでも、地域によってレーティングが異なる場合があります
- 個々の判断も重要: レーティングは目安であり、最終的にはお子様の成長や個性に応じて保護者が判断することが重要です
オンライン要素への注意
現代のゲームの多くはオンライン要素を含んでいます。
オンラインプレイやチャット機能では、他のプレイヤーとのコミュニケーションが発生するため、レーティングでカバーされない要素があります。
保護者は、レーティングだけでなく、ゲームのオンライン要素についても確認し、必要に応じてペアレンタルコントロールを設定することが推奨されます。
まとめ
ゲームの年齢制限(レーティング)システムは、ゲームの表現内容に基づいて対象年齢を示す重要な制度です。
主要なレーティングシステムには、日本のCERO、北米のESRB、欧州のPEGIがあり、それぞれ独自の年齢区分と審査基準を持っています。
また、デジタル配信ゲーム向けにはIARCという国際的なシステムも導入されています。
保護者の方は、これらのレーティングを参考にしながら、お子様の年齢や成長に合わせて適切なゲームを選び、ペアレンタルコントロールを活用して安全なゲーム環境を整えることが大切です。
レーティングは目安ですが、お子様が健全にゲームを楽しむための重要な情報源となります。

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