アニメを見ていると「1クール」「2クール」「今クール」といった言葉をよく目にする。
「かっこいい」という意味の英語「cool(クール)」と同じ読み方でも、意味はまったく別物だ。
この記事では、放送業界用語としての「クール」の意味・読み方・語源・由来・使用場面を詳しく解説する。
クールの読み方と意味
「クール」の読み方は 「クール」(ku-ru) だ。
放送業界用語としての「クール」とは、テレビやラジオの連続番組における放送期間の単位のことだ。
1クール=3か月(13週間)を指す。
1年間は4クールに分けられており、それぞれ以下のように区分される。
| クール | 期間 | 別名 |
|---|---|---|
| 第1クール | 1月〜3月 | 冬クール・冬アニメ |
| 第2クール | 4月〜6月 | 春クール・春アニメ |
| 第3クール | 7月〜9月 | 夏クール・夏アニメ |
| 第4クール | 10月〜12月 | 秋クール・秋アニメ |
アニメの場合、週1回の放送が基本のため、1クール(3か月)に放送される話数は通常12〜13話となる。
かつては13話が標準だったが、近年はBlu-ray・DVD発売時に話数を均等に分けやすくするため、12話構成にする作品が多くなっている。
クールの語源と由来
「クール」の語源は諸説あり、現時点で定説はない。
主な説は以下の3つだ。
フランス語「cours(クール)」説
フランス語の「cours」は「流れ」「期間」「授業(コース)」などを意味する言葉で、英語の「course(コース)」に相当する。
放送期間の「流れ・区切り」という概念と結びつきやすいことから、最も有力視されている説だ。
三省堂をはじめとする複数の辞書・辞典もこの説を支持している。
ドイツ語「Kur(クーア)」説
ドイツ語の「Kur」は医療用語で「治療期間・療養期間」を意味する言葉だ。
日本でも医療の世界で「クール」という言葉が「治療の一区切り」として使われており、その用法が放送業界に転用されたという説がある。
英語「qr.(quarter)」の誤読説
英語で四半期を意味する「quarter(クォーター)」の略語「qr.」を誤読したことで「クール」という読み方が生まれたという説だ。
いずれの説も決定的な証拠に欠けており、Wikipediaや各種辞典でも「諸説あり」として紹介されている。
クールが3か月単位になった経緯
1クール=3か月という区切りが定着した背景には、テレビドラマ業界の変化がある。
1970年代までは、テレビ番組の改編は年2回(4月と10月)が基本だった。
つまり当時は半年(2クール・26週)が1サイクルだった。
1980年代に入ると、各テレビ局が人気俳優を競って起用するようになり、出演契約の期間が短くなっていった。
その結果、番組のサイクルが半年から3か月に短縮され、現在の「1クール=3か月・13週」という単位が業界標準として定着した。
アニメもドラマと同じ改編スケジュールに合わせる形で、このクール制に従っている。
クールの主な使い方と用例
放送回数との関係
| クール数 | 期間 | 放送話数の目安(週1回の場合) |
|---|---|---|
| 1クール | 3か月 | 約12〜13話 |
| 2クール | 6か月 | 約24〜26話 |
| 3クール | 9か月 | 約36〜39話 |
| 4クール | 1年 | 約48〜52話 |
使用例
- 「このアニメは全1クール・12話で完結している」
- 「人気が出て2クールに延長された」
- 「今クール(今期)注目のアニメは何?」
- 「分割2クールで前半・後半に分けて放送される」
「クール」と「期(シーズン)」の違い
「クール」と「期(第1期・第2期)」は混同されやすいが、意味が異なる。
クールは純粋に放送期間の長さ(何か月放送されたか)を表す。
期(シーズン)は放送の区切りを表す。一度放送が終了し、改めて新シリーズとして始まった場合に「第2期」となる。
たとえば、あるアニメが2クール(6か月)にわたって連続放送された場合は「1期2クール」と表現する。
一方、同じアニメが1クールで放送終了し、数年後に新シリーズとして再スタートした場合は「2期1クール」と表現する。
このように「クール=期間の長さ」「期=作品としての区切り」という点が異なる。
アニメジャンル別のクール数の傾向
アニメの放送クール数は、対象年齢や販売戦略によって大きく異なる。
子ども向けアニメは4クール(1年間)以上の長期放送が多い。
玩具やグッズの販売を主目的としているため、商品のライフサイクルに合わせた長期間の放送が必要とされるためだ。
一方、深夜アニメや原作付きのアニメは1クール(12〜13話)で完結するものが多い。
放送終了後にBlu-ray・DVDとして販売する際のプロモーション目的で制作される場合が多く、話数を絞って密度の高い内容にする傾向がある。
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