漫画の吹き出しの種類一覧!形が変わると意味も変わる?使い分け方を徹底解説

漫画を読んでいると、セリフが書かれた枠の形がシーンによって違うことに気づいたことはありませんか?
あの枠のことを「吹き出し(フキダシ)」といいます。
実は吹き出しは、ただセリフを囲む枠ではありません。
形や線の種類によって、キャラクターの感情・声の大きさ・心の声かどうかまで、視覚的に読者に伝える重要な表現手段なんです。

この記事では、漫画でよく使われる吹き出しの種類を一覧で紹介し、それぞれの使い分け方をわかりやすく解説します。


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吹き出しとは?基本を押さえよう

吹き出しは、漫画においてキャラクターのセリフや心の声を表す図案手法です。
英語では「speech balloon(スピーチバルーン)」や「speech bubble(スピーチバブル)」と呼ばれています。

吹き出しの起源は古く、7〜8世紀のメソアメリカ文明の美術作品に、話者の口とセリフをつなぐ細い線(スピーチスクロール)が描かれていたのが最古の原型とされています。
現代の漫画に近い形の吹き出しは、18世紀の印刷物に登場し、政治風刺漫画で広く使われるようになりました。

日本の漫画においては、「漫画の神様」と呼ばれる手塚治虫が、キャラクターの感情や声の強弱によって吹き出しの形を変える表現を一般化させた先駆者とされています。

吹き出しの先端についている出っ張り部分は「しっぽ」(または「つの」)と呼ばれ、基本的にはキャラクターの口元に向けて描きます。
このしっぽがあることで、読者は「誰がしゃべっているのか」を一瞬で把握できるわけです。


吹き出しの種類一覧

楕円形・丸形の吹き出し(通常会話)

漫画でもっともよく見かける、基本中の基本の吹き出しです。
なめらかな曲線で描かれた楕円形や丸形の枠に、しっぽがついた形をしています。
感情の起伏があまりない普通の会話シーンや、落ち着いた状態のセリフに使います。

吹き出しのサイズを変えることで声の大きさや重要度も表現できます。
小さな吹き出しは小声やつぶやきを、大きな吹き出しはしっかりした発言を表す際に効果的です。

ギザギザ形の吹き出し(叫び声・怒り)

外周がギザギザ・トゲトゲになった吹き出しです。
「爆発吹き出し」「フラッシュ」などとも呼ばれます。
キャラクターが叫んでいる、怒っている、強い感情が爆発しているシーンで使われます。

通常の吹き出しより見た目のインパクトが大きく、ページ内でも目立ちます。
ギザギザの角度が鋭いほど、より激しい感情を表現できます。

四角形の吹き出し(ナレーション・機械音声)

角ばった四角い枠の吹き出しです。
主に2つの用途に使われます。

1つ目はナレーション・説明文です。
物語の語りや設定の説明など、登場キャラクター以外の「地の文」に使います。
独白(モノローグ)にもよく使われます。

2つ目は機械音声・アナウンスです。
スピーカーから流れるアナウンス、ロボットや機械の声、電話口の相手の声などに使います。
通常の吹き出しと形を変えることで「物語に参加しているキャラクターではない」と読者に伝えられます。

雲形の吹き出し(心の声・思考)

外周がもこもことした雲のような形の吹き出しです。
しっぽの代わりに、小さな丸(泡のような形)が連なってキャラクターへとつながっているのが特徴です。

キャラクターが心の中で考えていることや、声に出していない内面の声を表します。
穏やかで楽しい心理描写に向いており、明るいシーンとの相性が良い吹き出しです。

フラッシュ(集中線吹き出し)の心の声(重要な内面描写)

集中線(放射線状の線)で描かれた吹き出しです。
雲形と同じく心の声に使いますが、こちらはより強調したい重要な心理描写に向いています。

「頭の中で深く考えている」「顔には出さないが強い感情がある」といった場面で使うと効果的です。
ただし、ポジティブな心理よりも、緊張・葛藤・怒りなどのネガティブ・シリアスな心境に向いています。

ウニフラッシュ(強い感情の内面描写)

フラッシュよりさらに強い感情を表す、鋭くとがった集中線の吹き出しです。
キャラクターの激しい内面の叫びや、強烈な葛藤シーンに使います。

フラッシュと同様、ポジティブな心理よりも緊張感のあるシーンに向いています。

点線・破線の吹き出し(小声・内緒話・遠方の声)

輪郭が点線や破線になった吹き出しです。
小声でしゃべっているシーン、内緒話、電話口の相手の声、画面外の遠くにいるキャラクターのセリフなどに使われます。

実際の漫画では点線で小声を表現することはあまり多くなく、文字の大きさを小さくするなどほかの方法で表現するケースも多いです。

波線(ふにゃふにゃ)の吹き出し(動揺・弱々しさ)

吹き出しの輪郭がふにゃふにゃと波打った形の吹き出しです。
キャラクターが動揺している、震えている、弱々しい声で話しているといったシーンを表現するのに効果的です。

吹き出しなし・文字のみ(軽い心の声)

吹き出しの枠を描かず、キャラクターの傍らに文字だけを置く表現です。
セリフの重さが軽い、ちょっとした独り言、流れるように読ませたい心の声などに使います。
重要な心理描写には向かず、軽さ・さりげなさを演出したいときに有効です。


吹き出しの使い分けまとめ

吹き出しの種類形の特徴主な用途
楕円形・丸形なめらかな曲線普通の会話・セリフ
ギザギザ形トゲトゲした外周叫び声・怒り・強調
四角形角ばった枠ナレーション・機械音声
雲形もこもこした外周、泡のしっぽ心の声・穏やかな思考
フラッシュ集中線の枠重要な内面描写
ウニフラッシュ鋭い集中線の枠激しい内面の感情
点線・破線線が途切れた外周小声・遠方の声・内緒話
波線(ふにゃふにゃ)波打った外周動揺・弱々しさ
吹き出しなし枠なし・文字のみ軽い心の声

吹き出しを描くときの基本ルール

吹き出しの種類を覚えたら、次は「どこに配置するか」も大切です。
基本的なルールを押さえておきましょう。

話者の近くに配置するのが基本です。
コマ内に複数のキャラクターがいる場合、吹き出しが離れた位置にあると誰のセリフかわかりにくくなります。

しっぽはキャラクターの口元に向けるのが基本です。
しっぽの向きがおかしいと、誰のセリフかが一瞬で判断しにくくなります。

しっぽをクロスさせないことも重要です。
複数のキャラクターが会話するシーンで吹き出しのしっぽが交差すると、読者が混乱します。

吹き出しの読む順番にも注意が必要です。
日本の漫画は右から左・上から下へ読む流れが基本なので、吹き出しの配置もこの視線の流れに沿って置きます。


まとめ

漫画の吹き出しは、ただのセリフの枠ではありません。
楕円形の普通会話から、ギザギザの叫び声、雲形の心の声、四角いナレーションまで、形ひとつでキャラクターの感情・声のトーン・内面が読者に伝わります。

吹き出しの使い分けを意識するだけで、漫画の読みやすさと表現力がぐっとアップします。
漫画を描いている方はもちろん、読む側としても知っておくとより深く作品を楽しめるはずです。


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