ライトノベルを読み始めたばかりの人が最初に目にするのが、表紙をめくった直後に現れるカラーのイラストページです。
これが「口絵(くちえ)」と呼ばれるものですが、挿絵や扉絵と何が違うのか、なぜこんな場所にあるのか、気になったことはありませんか?
この記事では、ラノベにおける口絵の意味・位置・役割、そして混同されがちな挿絵・扉絵との違いをくわしく解説します。
口絵(くちえ)の意味
口絵(くちえ)とは、書籍の巻頭(冒頭部分)に差し込まれるイラストや写真のページのことです。
「口(くち)」は「入り口・冒頭」を意味し、「絵(え)」はそのままイラストや図版を指します。
つまり口絵とは、「本の入り口に置かれた絵」という意味の言葉です。
英語では「フロンティスピース(frontispiece)」と呼ばれ、扉絵と同義で使われることもあります。
ラノベにおける口絵は、ほぼ例外なくカラー印刷で作られています。
本文ページが白黒(モノクロ)であるのに対し、口絵には光沢のあるコート紙やマットコート紙が使われることが多く、本文とは別の用紙が用いられるのが一般的です。
口絵の場所:本のどこにある?
口絵は、本を開いたときに本文よりも前の巻頭部分に挿入されます。
ラノベ1冊の構造をざっくり並べると、次のような順番になります。
- 表紙
- 見返し(表紙の裏側に貼り付いた紙)
- 口絵(カラーのイラストページ)
- 扉(タイトル・著者名が印刷されたページ)
- 本文
口絵は本文が始まる前に置かれるため、読者が最初に目にするビジュアル情報になります。
ラノベによっては複数枚の口絵が連続して並ぶこともあります。
ラノベにおける口絵の役割
口絵は単なる飾りではなく、いくつかの重要な役割を担っています。
世界観・キャラクターの第一印象をつくる
口絵には、登場人物のイラストや物語の重要なシーンが描かれることが多く、読者が本文を読む前に作品の雰囲気をつかむ手助けをします。
文章だけでは伝わりにくいキャラクターの髪の色・服装・雰囲気なども、カラー口絵によって一目で把握できます。
読者を物語の世界へ引き込む
映画でいえばポスターや予告編に近い存在で、「この作品はこういう世界観だ」と視覚的に示す役割があります。
ラノベの売り上げ拡大において、口絵の存在が大きく貢献したとも言われています。
イラスト買いを後押しする
ラノベの購買層には、イラストを見て本を選ぶ「イラスト買い」をする読者が一定数います。
口絵はその判断材料のひとつとなり、読者と作品をつなぐ橋渡しの役割を果たしています。
口絵・挿絵・扉絵の違い
ラノベには「口絵」以外にも似たような言葉がいくつかあります。それぞれの違いをまとめると次のようになります。
| 名称 | 位置 | 色 | 用紙 |
|---|---|---|---|
| 口絵(くちえ) | 巻頭(本文より前) | カラーが多い | コート紙など特殊用紙 |
| 挿絵(さしえ) | 本文中 | モノクロが多い | 本文と同じ用紙 |
| 扉絵(とびらえ) | 巻頭(口絵の後) | モノクロが多い | 本文と違う紙が多い |
口絵は巻頭のカラーイラストで、本文が始まる前に読者の目に入るページです。
挿絵は本文の途中に差し込まれるイラストで、物語中の特定のシーンを描いています。
ラノベの挿絵はモノクロ(白黒)で描かれることがほとんどです。
扉絵(扉)は、タイトルや著者名が印刷された「本の入り口」となるページです。
口絵の後に置かれることが多く、本文への案内役のような存在です。
口絵の歴史:江戸時代から続く文化
口絵の起源は古く、日本では江戸時代後期の読本(よみほん)にまでさかのぼります。
曲亭馬琴(滝沢馬琴)の作品などにも、巻頭に登場人物の風貌や時代背景を描いたイラストが挿入されていました。
口絵の重要な使命は、登場人物の風貌や性格・社会的身分などを読者に伝えることにあり、絵を見ただけでその人物の特徴がわかるように描かれていました。
現代のラノベにおける口絵も、この流れを受け継ぎながら、アニメ・漫画文化と融合して独自の発展を遂げたものです。
平成以降、ラノベが漫画やアニメになじんだ若年層を取り込む手段として、カラー口絵を積極的に活用するスタイルが確立されました。
類義語・関連語
類義語:
フロンティスピース(frontispiece)、巻頭絵(かんとうえ)
関連語:
挿絵(さしえ)、扉絵(とびらえ)、カラーページ、本扉(ほんとびら)、見返し(みかえし)、イラスト買い
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