ゲームボーイアドバンス(GBA)とは?任天堂が生んだ携帯ゲーム機の名機を徹底解説

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ゲームボーイアドバンスは、任天堂が2001年に発売した携帯型ゲーム機です。
初代ゲームボーイから約12年ぶりとなる完全新型機として登場し、32ビットCPUの採用や大幅に向上したグラフィック性能により、携帯ゲーム機の新時代を切り開きました。

世界累計で約8,151万台を売り上げた本機は、ポケットモンスターシリーズをはじめとする数多くの名作ソフトを生み出し、2000年代前半の携帯ゲーム市場を牽引した存在として、今でも多くのゲームファンに愛され続けています。

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ゲームボーイアドバンスの基本情報

発売日と価格

ゲームボーイアドバンスは、日本で2001年3月21日に発売されました。
発売当初の希望小売価格は9,800円でしたが、約1年後の2002年2月1日に8,800円へと値下げされています。

北米では2001年6月11日に発売され、発売初週で50万台を売り上げ、当時のアメリカにおける最速販売記録を樹立しました。
ヨーロッパでも同年6月に発売され、イギリスでは初週8万1,000台を販売し、当時の記録を更新しています。

本体のデザインと特徴

ゲームボーイアドバンスの最大の特徴は、横長のデザインです。
従来のゲームボーイシリーズが縦長の形状だったのに対し、本機は画面を中央に配置し、左側に十字キーとスタート・セレクトボタン、右側にABボタンを配置した横長のレイアウトを採用しました。

このデザインは、フランス人デザイナーのグウェナエル・ニコラと彼の東京を拠点とするスタジオ「Curiosity Inc.」によって手掛けられています。

また、ゲームボーイシリーズで初めてLRボタン(ショルダーボタン)を搭載しました。
これにより、より複雑な操作が可能となり、後のニンテンドーDSや3DSにも受け継がれる重要な要素となりました。

本体カラーは、インディゴ(紺色)、ブラック、グレイシア(水色)、フューシャ(ピンク)など複数のバリエーションが展開され、限定モデルも多数発売されました。

技術仕様とスペック

ハードウェア性能

ゲームボーイアドバンスの技術仕様は以下の通りです。

CPU: 16.8MHz 32ビットARM7TDMI(メインCPU)と8ビットZ80互換CPU(後方互換用)を搭載

メモリ:

  • 内蔵VRAM: 96キロバイト
  • 外部WRAM: 256キロバイト

ディスプレイ:

  • サイズ: 2.9インチ
  • 種類: 反射型TFTカラー液晶
  • 解像度: 240×160ピクセル
  • 表示色数: 32,768色(15ビットRGB)

音声:

  • ステレオスピーカー1個
  • イヤホンジャック搭載

電源:

  • 単3電池2本
  • 連続使用時間: 約15時間(ゲームにより異なる)

サイズと重量:

  • 約145mm(幅)×81mm(高さ)×25mm(奥行)
  • 重量: 約140グラム

後方互換性

ゲームボーイアドバンスの大きな特徴の一つが、後方互換性です。
本機には32ビットのメインCPUに加えて8ビットのサブCPUが搭載されており、ゲームボーイやゲームボーイカラーのソフトも遊ぶことができます。

ゲームボーイやゲームボーイカラーのソフトをプレイする際は、LRボタンでワイドスクリーン表示(240×144ピクセル)と元の画面比率(160×144ピクセル)を切り替えることができました。

この後方互換性により、過去の膨大なゲームボーイライブラリを遊べることが、本機の大きな魅力となっています。

上位モデルとバリエーション

ゲームボーイアドバンスSP

2003年2月14日、ゲームボーイアドバンスの上位モデル「ゲームボーイアドバンスSP」が発売されました。
SPは”Special”の略で、初期価格は12,500円でしたが、2004年9月16日に9,800円へ値下げされています。

主な改良点:

  1. フロントライト搭載: 反射型液晶にフロントライトが追加され、暗い場所でもプレイしやすくなりました。なお、2005年9月に発売されたAGS-101モデルでは、バックライト液晶に変更されています。
  2. 折りたたみ式デザイン: ゲーム&ウオッチのマルチスクリーン以来、約20年ぶりとなる折りたたみ式を採用しました。このデザインは後のニンテンドーDSや3DSにも受け継がれています。
  3. 充電式バッテリー: ゲームボーイシリーズで初めて、リチウムイオン充電池を採用しました。連続使用時間は約10時間(フロントライトオン時)、約18時間(フロントライトオフ時)です。
  4. コンパクト化: 折りたたみ式により携帯性が向上しました。

ゲームボーイアドバンスSPは約4,352万台を売り上げ、オリジナルのゲームボーイアドバンスとほぼ同数の人気を獲得しました。

なお、SPではイヤホンジャックが省かれ、ACアダプタと同じ端子を使用する専用アダプタが必要となりました。

ゲームボーイミクロ

2005年9月13日、小型化モデル「ゲームボーイミクロ」が発売されました。

特徴:

  1. 超小型化: 本体サイズを大幅に縮小
  2. バックライト液晶: 最初からバックライト液晶を搭載
  3. 交換可能なフェイスプレート: カラフルなフェイスプレートを交換してカスタマイズ可能
  4. 後方互換性の削除: ゲームボーイ・ゲームボーイカラーのソフトには非対応

ゲームボーイミクロは約242万台を売り上げましたが、発売時期が2004年に登場したニンテンドーDSと重なったため、大きな成功とはなりませんでした。

代表的なソフトとゲームタイトル

ゲームボーイアドバンスでは、約1,300タイトルのソフトが発売されました。
ここでは、特に売上の多かった代表的なソフトを紹介します。

世界売上トップ10

  1. ポケットモンスター ルビー・サファイア: 世界1,622万本、日本540万本(2002年11月発売)
  2. ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン: 世界1,200万本、日本318万本(2004年1月発売)
  3. ポケットモンスター エメラルド: 世界706万本、日本208万本(2004年9月発売)
  4. マリオカートアドバンス: 世界591万本(2001年7月発売)
  5. スーパーマリオアドバンス: 世界552万本(2001年3月発売)
  6. スーパーマリオアドバンス2: 世界568万本、日本92万本(2001年12月発売)
  7. スーパーマリオアドバンス4: 世界369万本(2003年7月発売)
  8. ヨッシーアイランド: 世界301万本(2002年9月発売)
  9. スーパーマリオアドバンス3: 世界283万本(2002年9月発売)
  10. ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣: 世界282万本(2002年12月発売)

スーパーファミコンソフトの移植

ゲームボーイアドバンスのハードウェアは、スーパーファミコンと類似した性能を持っていたため、多くのスーパーファミコンソフトが移植されました。

代表的な移植作品:

  • スーパーマリオアドバンスシリーズ(スーパーマリオブラザーズ2、スーパーマリオワールド、ヨッシーアイランド、スーパーマリオブラザーズ3)
  • スーパードンキーコングシリーズ
  • ファイアーエムブレム 封印の剣・烈火の剣・聖魔の光石
  • ファイナルファンタジータクティクスアドバンス
  • ロックマンエグゼシリーズ

ファミコンミニシリーズ

2004年2月から、ファミコンの名作を復刻した「ファミコンミニ」シリーズが発売されました。
中でも「スーパーマリオブラザーズ ファミコンミニ」は、日本国内で138万本を売り上げる大ヒットとなりました。

その他の人気タイトル

  • MOTHER3: 任天堂の人気RPGシリーズの完結編(2006年4月発売)
  • マリオ&ルイージRPG: 世界215万本を売り上げたアクションRPG(2003年11月発売)
  • 星のカービィ 夢の泉デラックス: 世界210万本を売り上げたアクションゲーム(2002年10月発売)
  • 逆転裁判シリーズ: 法廷バトルゲームとして人気を博しました

販売台数と市場での成功

世界累計販売台数

ゲームボーイアドバンスシリーズ(GBA、SP、ミクロを含む)は、2010年3月末時点で以下の販売実績を記録しています。

世界累計: 約8,151万台

  • 日本: 約1,696万台
  • 北米: 約4,164万台
  • その他地域: 約2,291万台

内訳:

  • ゲームボーイアドバンス: 約3,800万台
  • ゲームボーイアドバンスSP: 約4,352万台
  • ゲームボーイミクロ: 約242万台

発売初期の販売記録

ゲームボーイアドバンスは、日本国内で初週61.2万台を販売しました。
北米では発売初週で50万台を売り上げ、当時のアメリカにおける最速販売記録を樹立しました。

ソフトウェア市場

ゲームボーイアドバンスは、日本国内でのミリオンセラータイトルが6本(ポケモンのバージョン違いを合算すると4タイトル)と、初代ゲームボーイの26本と比較すると少なめでした。
これは、本機の稼働期間が比較的短かったことが一因とされています。

一方で、2009年3月時点で全世界累計3億7,700万本以上のソフトが販売されており、ハードあたりのソフト販売本数は約4.6本という健全な市場を形成していました。

周辺機器とアクセサリー

通信機能

ゲームボーイアドバンスは、本体上部に通信ポートを搭載しており、以下の機能が利用できました。

ゲームリンクケーブル: 最大4台までの本体を接続し、対戦や協力プレイが可能でした。

ワイヤレスアダプタ: 2004年に発売された周辺機器で、無線通信によるマルチプレイが可能になりました。ポケモン ファイアレッド・リーフグリーンに同梱されましたが、発売時期が遅かったため対応ソフトは20本未満にとどまりました。

ゲームキューブ連動

ゲームキューブ ゲームボーイアドバンスケーブル: ゲームボーイアドバンスをゲームキューブに接続することで、さまざまな連動機能を楽しめました。

代表的な連動タイトル:

  • ゼルダの伝説 四つの剣+
  • ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル
  • ポケモンコロシアム

ゲームボーイアドバンスをゲームキューブのコントローラーや追加画面として使用できる独特のシステムは、当時としては革新的な試みでした。

その他の周辺機器

Play-Yan: MP3音楽とMPEG4動画の再生が可能なメディアプレーヤーです。日本で発売後、ヨーロッパでは動画再生機能を除いた「Nintendo MP3 Player」として発売されました。

e-Reader: カードをスキャンして追加コンテンツをゲームに読み込むことができる周辺機器です。

Afterburner: サードパーティ製のフロントライトキットで、SPが発売される前に高い人気を博しました。ただし、本体の分解と改造が必要で、保証が無効になるというリスクがありました。

開発の経緯

ゲームボーイアドバンスの企画は、任天堂の開発部長であり、初代ゲームボーイの技術的開発も手掛けた岡田智によって立てられました。

岡田は、初代ゲームボーイの発売直後から、より高性能な携帯ゲーム機を開発したいと考えていました。
しかし、価格を抑えるために仕様を削った初代ゲームボーイの反省を活かし、まずはゲームボーイカラーで市場の反応を確かめる段階を踏むことが必要と判断したため、ゲームボーイアドバンスの開発は一時的に後回しとなりました。

1999年秋頃、任天堂は正式にゲームボーイアドバンスの存在を明らかにし、2000年8月に発売予定と発表しました。
その後、2000年8月24日の発表で発売日が2001年3月21日に決定され、予定価格は9,800円と公表されました。

任天堂の若い技術者たちからは、新しいCPUを搭載した新ハードウェアを作りたいという意見が多く寄せられており、最終的に32ビットCPUを採用した本機の開発が実現しました。

ニンテンドーDSとの関係

2004年11月、ニンテンドーDSが発売されました。
ニンテンドーDSは当初、ゲームボーイアドバンスの後継機ではなく、別ラインの新型ゲーム機として位置付けられていました。

ニンテンドーDSとDS Liteには、ゲームボーイアドバンス専用カートリッジスロットが搭載されており、GBAソフトをプレイすることができました。
ただし、マルチプレイ機能や周辺機器への対応は省かれていました。

2006年のE3において、任天堂は「ゲームボーイアドバンスの後継機はしばらく発売しない」と発表しました。
これは、ニンテンドーDSが大ヒットし、実質的にゲームボーイアドバンスの後継機となったためです。

2008年にニンテンドーDSiが発売されると、GBA専用カートリッジスロットが廃止され、後方互換性が失われました。
2011年6月9日にニンテンドーDS Liteの生産が終了したことで、GBAカートリッジが作動する機種すべての生産が終了しました。

生産終了とレガシー

ゲームボーイアドバンスシリーズは、2009年12月に本体の生産を終了し、2010年5月15日に出荷を完全に終了しました。
これにより、1989年に始まった21年間のゲームボーイの歴史に幕が下りました。

2012年には、本体の修理サポートも終了しています。

バーチャルコンソールでの復活

生産終了後も、ゲームボーイアドバンスのソフトはデジタル配信という形で復活を遂げています。

ニンテンドー3DSアンバサダー・プログラム: 2011年8月12日の価格改定前にニンテンドー3DSを購入したユーザーに対し、GBAソフト10本とファミコンソフト10本が無料で提供されました。
これらのタイトルは一般販売されず、アンバサダー限定のままとなっています。

Wii U: 2014年以降、Wii UのバーチャルコンソールでいくつかのGBAタイトルが配信されました。

現代における価値

現在、ゲームボーイアドバンスは中古市場で価値が上昇しています。
特に状態の良い本体や限定カラーモデルは、プレミア価格で取引されることがあります。

販売台数が他のゲームボーイシリーズと比較して少ないこと(ゲームボーイとニンテンドーDSはそれぞれ国内約3,200万台に対し、GBAは約1,600万台)、稼働期間が短かったこと、そして2Dゲームに最適化されたスペックが多くのレトロゲームファンに支持されていることが、価値上昇の要因となっています。

まとめ

ゲームボーイアドバンスは、携帯ゲーム機の歴史において重要な役割を果たしました。
32ビットCPUの採用により大幅に向上したグラフィック性能、後方互換性、LRボタンの搭載など、多くの革新的要素を取り入れながらも、携帯ゲーム機としての使いやすさを維持しました。

ポケモンシリーズをはじめとする数多くの名作ソフトを輩出し、全世界で約8,151万台を売り上げた本機は、2000年代前半の携帯ゲーム市場を牽引する存在でした。

ニンテンドーDSという革新的な後継機の登場により比較的短期間で主役の座を譲りましたが、スーパーファミコン時代のドット絵スタイルを携帯機で楽しめる最後の世代として、今なお多くのゲームファンに愛され続けています。

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