ゲームチーターとは?不正行為の実態と影響を解説

ゲーム

ゲームチーター(cheater)とは、オンラインゲームやコンピューターゲームにおいて、不正な手段を用いてゲームを自分に有利に進めるプレイヤーのことです。

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チーターの定義

「チート(cheat)」は英語で「騙す」「欺く」という意味を持ち、ゲームの文脈では、ゲームのプログラムやデータを不正に改造・改変して、通常のプレイでは得られない優位性を獲得する行為を指します。こうした不正行為を行うプレイヤーが「チーター」と呼ばれます。

具体的には、ゲーム内のキャラクターのステータスを異常な値に変更したり、本来は有料のアイテムを無料で入手したり、敵の位置を壁越しに見えるようにしたりする行為が該当します。オンラインゲームでは、全プレイヤーが同じルールのもとでプレイし、その技術を競うことが大前提であるため、チート行為はゲームの公平性を著しく損なう問題とされています。

チーターの種類と手法

チート行為にはさまざまな種類があり、使用される技術も多岐にわたります。

ソフトウェアチート

不正なプログラムやツールを使用してゲームを改変する手法です。

エイムボット(Aimbot)
FPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲームで、照準を自動的に敵に合わせるプログラムです。人間では不可能なレベルの精密さで敵を追跡し、正確に射撃できます。

ウォールハック(Wall Hack)
壁や障害物を透過して、本来は見えないはずの敵の位置を表示する不正ツールです。隠れている敵の位置が分かるため、圧倒的に有利になります。

トリガーボット(Trigger Bot)
照準が敵に合った瞬間に自動的に射撃するプログラムです。エイムボットと組み合わせて使用されることもあります。

ESP(Extra Sensory Perception)
敵プレイヤーの位置、体力、装備などの情報を画面上に表示する不正ツールです。本来は隠されている情報を可視化します。

ハードウェアチート

専用の物理デバイスを使用した不正行為です。ソフトウェアによる検知が困難なため、近年問題になっています。

コンバーター
主に家庭用ゲーム機で、マウスとキーボードをコントローラーと誤認識させる装置です。マウスの精密な操作性とコントローラー専用のエイムアシスト(照準補助機能)を同時に利用でき、不公平な優位性を得られます。多くのゲームで禁止されています。

DMA攻撃カード
ゲームが動作しているコンピューターとは別のコンピューターを使用してゲームのメモリを解析し、ウォールハック機能などを実現する高度な不正デバイスです。従来のアンチチートソフトでは検知が非常に困難です。

その他の不正行為

ラグスイッチ(Lag Switch)
意図的に通信を遅延させて対戦相手の動きを妨害する行為です。物理的なスイッチを使う方法と、ソフトウェアで実現する方法があります。

グリッチ利用
ゲーム内のバグや不具合を意図的に利用して有利に進める行為です。プログラムの改変は行わないものの、開発者が意図しない方法でゲームを進めるため、不正行為とみなされる場合があります。

RMT(Real Money Trading)とチートの組み合わせ
チートを使用してゲーム内通貨やアイテムを不正に入手し、それを現実のお金で販売する行為です。ゲーム運営会社に経済的損失を与えます。

チーターが引き起こす深刻な影響

プレイヤーへの影響

Irdeto社の調査(9000人以上のゲーマーを対象)によると、33%のプレイヤーがチーターによってゲーム体験が悪影響を受けたと回答しています。また、PlaySafe ID社の2024年調査では、80%のゲーマーがチーターに遭遇した経験があり、そのうち半数以上が月に数回以上チーターに遭遇していると報告されています。

真剣にゲームに取り組むプレイヤーにとって、チーターとの対戦は努力が報われない体験となり、ゲームへのモチベーションを著しく低下させます。同調査では、42%のゲーマーがチーターのせいでゲームを辞めることを検討したと回答しており、英国では45%に達しています。

さらに懸念されるのは、62%のプレイヤーがチートの誘惑を感じたことがあると認めている点です。「チーターに勝てないなら、自分もチートを使おう」という悪循環が生まれる危険性があります。

ゲーム業界への影響

チートによる経済的損失は深刻です。2019年時点で、ゲーム業界はチートによって推定290億ドル(約3兆円)の損失を被ったとされています。ゲームの規模が拡大している現在、この損失額はさらに増加していると考えられます。

PlaySafe ID社の調査では、55%のゲーマーがチーターのせいでゲーム内課金を減らしたか、完全に停止したと回答しています。特に月に11ドルから50ドル課金するプレイヤー層(ゲーム運営にとって重要な収益源)では、半数以上が課金を減らしており、3分の1がゲームを辞めることを検討しています。

ゲーム開発会社は、本来ゲーム開発に注力すべき時間と資源を、チート対策に割かなければならない状況に置かれています。これは新機能の開発やアップデートの遅延につながり、ゲームの質の低下を招く可能性があります。

チート行為の法的側面

日本における法的扱い

日本では、チート行為は以下の法律に違反する可能性があります。

著作権侵害
ゲームのプログラムを改変する行為は、ゲーム会社が保有する著作権を侵害する行為とみなされます。

電子計算機損壊等業務妨害罪
ゲームのプログラムや電磁的記録を破壊・改変して、ゲーム会社の業務を妨害する行為は、電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法第234条の2)に該当します。5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。

警視庁は公式サイトに「チート行為はやめましょう!」というページを設け、チート行為が犯罪であることを警告しています。実際にチートツールの製作者や販売者、使用者が逮捕された事例も複数報告されています。

チート行為を行った本人だけでなく、チートを可能にするプログラムを作成・提供する行為も同様に処罰の対象となります。

ゲーム規約違反

法律に抵触するかどうかにかかわらず、チート行為は基本的にすべてのゲームの利用規約で禁止されています。違反が発覚した場合、以下のような処分が下されます。

  • アカウント停止(BAN)
  • ゲームへのアクセス禁止
  • 大会への出場禁止(eスポーツの場合)
  • 賞金の剥奪(eスポーツの場合)

一部のゲームでは、チートを使用したPCそのものを記録し、同じハードウェアからの再アクセスを禁止する「ハードウェアBAN」も実施されています。

チート対策の現状

アンチチートソフトウェア

ゲーム開発会社や第三者企業は、チートを検知・防止するためのソフトウェアを開発しています。代表的なアンチチートソフトには以下のようなものがあります。

  • BattlEye: 多くのFPSゲームで採用されているアンチチートシステム
  • Valve Anti-Cheat(VAC): Steamプラットフォームのゲームで使用される
  • Easy Anti-Cheat: 幅広いゲームで採用されている
  • PunkBuster: 初期から存在する代表的なアンチチートソフト
  • GameGuard: 主にMMORPGで使用される

これらのソフトウェアは、不正なプログラムの実行を検知したり、ゲームメモリへの不正アクセスを防いだりする機能を持っています。

業界全体での取り組み

PlaySafe ID社の調査では、83%のゲーマーが「チーター排除」を謳うゲームをプレイする可能性が高いと回答しており、79%がチート行為のペナルティを複数のゲーム間で共有すべきだと考えています。

こうした要望に応えるため、プレイヤーに検証済みの匿名IDを発行し、チート行為が発覚した場合にそのIDに紐づくすべてのゲームでペナルティを適用するシステムなど、業界全体でチーター対策を強化する動きが進んでいます。

イタチごっこの現状

しかし、チーターとアンチチート開発者の技術競争は現在も続いており、完全な解決には至っていません。新しいアンチチート技術が開発されても、チーターはそれを回避する新たな手法を開発し続けています。

ゲーム業界にとって、チート対策は終わりのない戦いとなっており、プレイヤーが安心してゲームを楽しめる環境を維持するための継続的な努力が求められています。

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