USBポートを無効化することで、データ漏洩やウイルス感染のリスクを大幅に減らせます。
企業や学校では情報セキュリティ対策として、個人では不要なUSBデバイスの接続防止として活用されています。
この記事では、WindowsでUSBポートを無効化する方法と、再び有効化(解除)する方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
USBポートを無効化する理由

USBポートを無効化するのは、単なる利便性の問題ではなく、重要なセキュリティ対策です。
具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
データ漏洩の防止
USBメモリを使えば、誰でも簡単に大量のデータを持ち出せます。
企業の機密情報や個人情報が、従業員や部外者によって無断で外部に持ち出されるリスクを防げます。
実際、情報漏洩事件の多くは、USBメモリなどの外部記憶装置を介して発生しています。
マルウェア感染の防止
感染したUSBメモリを接続するだけで、ウイルスやランサムウェアがパソコン全体に広がることがあります。
特に、出所不明のUSBメモリや、複数のパソコンで使い回されているUSBメモリは危険です。
USBポートを無効化することで、こうした感染経路を完全に遮断できます。
不正なデバイスの接続防止
キーロガー(キーボード入力を記録する装置)や、不正なUSBデバイスの接続を防げます。
これらのデバイスは一見普通のUSBメモリに見えても、パスワードやクレジットカード情報を盗み取る機能を持っていることがあります。
コンプライアンス要件への対応
GDPR、HIPAA、PCI DSSなどの規制では、リムーバブルメディアの厳格な管理が求められます。
USBポートの無効化は、これらの規制要件を満たすための重要な対策の一つです。
USBポート無効化の種類を理解する
USBポートの無効化には、いくつかの方法があり、それぞれ影響範囲が異なります。
自分の目的に合った方法を選びましょう。
USBストレージのみ無効化
USBメモリや外付けHDDなどの記憶装置のみを無効化し、キーボードやマウスは使用可能な状態を保ちます。
一般的なセキュリティ対策では、この方法が最も実用的です。
USBポート全体を無効化
すべてのUSBデバイスが使用できなくなります。
キーボードやマウスもUSB接続の場合は使えなくなるため、慎重に実施する必要があります。
Windows 10/11でUSBポートを無効化する方法
ここからは、具体的な無効化の手順を解説します。
方法は複数ありますので、環境や目的に応じて選択してください。
方法1: デバイスマネージャーで無効化(基本)
最も簡単で、初心者にもおすすめの方法です。
ただし、管理者権限を持つユーザーなら簡単に解除できるため、厳格なセキュリティ対策としては不十分です。
手順:
- Windows + X キーを同時に押す
- 「デバイスマネージャー」を選択
- 「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を展開
- 無効化したいUSBコントローラーを右クリック
- 「デバイスを無効にする」を選択
- 確認ダイアログで「はい」をクリック
注意点:
複数のUSBコントローラーが表示される場合は、すべてのUSBポートを無効化するには各コントローラーを個別に無効化する必要があります。
USB Root Hub (USB 3.0)、USB Root Hubなど、複数のエントリが存在します。
方法2: レジストリエディターで無効化(推奨)
USBストレージデバイスのみを無効化する最も効果的な方法です。
キーボードやマウスなど、他のUSB機器は引き続き使用できます。
重要: レジストリの編集は、Windowsシステムに影響を与える可能性があります。
作業前に、必ずシステムの復元ポイントを作成してください。
手順:
- Windows + R キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「regedit」と入力してEnterキーを押す
- 次のパスに移動する:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\USBSTOR
- 右側の「Start」をダブルクリック
- 「値のデータ」を 4 に変更
- 「OK」をクリック
- パソコンを再起動
設定後の動作:
USBメモリや外付けHDDを接続しても、デバイスとして認識されません。
デバイスマネージャーでは「ドライバーのインストールに失敗しました」というエラーが表示されます。
方法3: グループポリシーエディターで無効化(Pro/Enterprise/Education版のみ)
Windows 10/11のPro、Enterprise、Educationエディションでのみ使用できる方法です。
組織全体で統一的にポリシーを適用する場合に適しています。
注意: Windows Homeエディションには、グループポリシーエディターが搭載されていません。
手順:
- Windows + R キーを押す
- 「gpedit.msc」と入力してEnterキーを押す
- 次の順に移動する:
- コンピューターの構成
- 管理用テンプレート
- システム
- リムーバブル記憶域へのアクセス
- 右側のペインで「すべてのリムーバブル記憶域クラス: すべてのアクセスを拒否する」をダブルクリック
- 「有効」を選択
- 「適用」→「OK」をクリック
- パソコンを再起動
より細かい制御:
同じセクションには、以下のような個別の設定も用意されています:
- リムーバブル ディスク: 読み取りアクセスを拒否する
- リムーバブル ディスク: 書き込みアクセスを拒否する
- CD および DVD: 読み取りアクセスを拒否する
読み取りは許可し、書き込みのみ禁止するなど、柔軟な設定が可能です。
方法4: BIOS/UEFI設定で無効化(最も厳格)
BIOS/UEFI設定でUSBポートを無効化すると、Windowsが起動する前の段階で制御されます。
これは最も厳格な方法で、OS上からは解除できません。
注意: この方法を使うと、USBキーボードやマウスも使えなくなる可能性があります。
PS/2接続のキーボードとマウス、またはノートパソコンの内蔵キーボードとトラックパッドがない場合は、慎重に実施してください。
一般的な手順:
- パソコンを再起動
- 起動時に特定のキーを押してBIOS/UEFI設定画面を開く
- 一般的なキー: F2、Delete、F10、F12、Esc
- メーカーによって異なるため、起動画面の指示を確認
- 「Integrated Peripherals」「Advanced」「Security」などの項目を探す
- 「USB Controller」「External USB Port」などの設定を見つける
- 無効(Disabled)に設定
- F10キーを押して設定を保存
- 確認画面で「Yes」を選択して終了
メーカー別の設定項目例:
- HP: 「Advanced」→「Port Options」→「Front USB Ports」
- Dell: 「System Configuration」→「USB Configuration」
- Lenovo: 「Security」→「I/O Port Access」
USBポートを有効化(解除)する方法
無効化したUSBポートを再び使用する場合の手順を説明します。
デバイスマネージャーで有効化
デバイスマネージャーで無効化した場合の解除方法です。
手順:
- Windows + X キーを押す
- 「デバイスマネージャー」を選択
- 「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を展開
- 無効化されているデバイスを右クリック(下向き矢印アイコンが表示されている)
- 「デバイスを有効にする」を選択
すぐにUSBポートが有効になります。
レジストリエディターで有効化
レジストリで無効化した場合の解除方法です。
手順:
- Windows + R キーを押す
- 「regedit」と入力してEnterキーを押す
- 次のパスに移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\USBSTOR
- 「Start」をダブルクリック
- 「値のデータ」を 3 に変更
- 「OK」をクリック
- パソコンを再起動
再起動後、USBストレージデバイスが正常に認識されるようになります。
グループポリシーで有効化
グループポリシーで無効化した場合の解除方法です。
手順:
- Windows + R キーを押す
- 「gpedit.msc」と入力してEnterキーを押す
- 以前に設定を変更したポリシー項目に移動
- 該当するポリシーをダブルクリック
- 「無効」または「未構成」を選択
- 「適用」→「OK」をクリック
- パソコンを再起動
BIOS/UEFI設定で有効化
BIOS/UEFI設定で無効化した場合の解除方法です。
手順:
- パソコンを再起動
- BIOS/UEFI設定画面を開く
- USBポート関連の設定項目を見つける
- 有効(Enabled)に変更
- F10キーで設定を保存して終了
USBポート無効化・解除時の注意点
安全かつ効果的にUSBポート管理を行うための重要なポイントをまとめます。
レジストリ編集前のバックアップ
レジストリエディターで設定を変更する前に、必ずシステムの復元ポイントを作成してください。
誤った編集はWindowsの起動に影響を与える可能性があります。
システム復元ポイントの作成手順:
- スタートメニューで「復元ポイントの作成」と検索
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが開く
- 「作成」ボタンをクリック
- 説明を入力(例: USBポート設定変更前)
- 「作成」をクリック
既存のUSBドライバーがある場合の注意
レジストリでの無効化は、USBストレージのドライバーが既にインストールされている場合にのみ有効です。
ドライバーがインストールされていない状態でUSBデバイスを接続すると、Windowsが自動的にドライバーをインストールし、Start値が3に戻ってしまいます。
このため、企業環境では管理者権限の制限と組み合わせることが推奨されます。
管理者権限のないユーザーへの制限
デバイスマネージャーやレジストリエディターでの設定は、管理者権限を持つユーザーなら解除できます。
厳格なセキュリティ対策が必要な場合は、一般ユーザーに管理者権限を付与しないことが重要です。
キーボードとマウスへの影響
BIOS/UEFI設定やデバイスマネージャーでの無効化は、USB接続のキーボードやマウスにも影響します。
作業前に、以下のいずれかを準備しておくと安全です:
- PS/2接続のキーボードとマウス
- ノートパソコンの内蔵キーボードとトラックパッド
- Bluetooth接続のキーボードとマウス
段階的な適用
組織全体で適用する場合は、まず小規模なグループでテストしてから、段階的に展開することをおすすめします。
予期しない問題が発生した場合でも、影響を最小限に抑えられます。
トラブルシューティング

USBポート無効化・有効化の際によくある問題と解決方法を紹介します。
有効化しても認識されない
原因:
- パソコンが再起動されていない
- デバイスドライバーの問題
- USBポートまたはデバイスの物理的な故障
解決方法:
- パソコンを再起動
- デバイスマネージャーで「ハードウェア変更のスキャン」を実行
- デバイスマネージャーの上部メニューで「操作」→「ハードウェア変更のスキャン」
- 別のUSBポートで試す
- 別のUSBデバイスで試す
レジストリにUSTSTORキーが見つからない
原因:
USBストレージデバイスのドライバーが一度もインストールされていない場合、USTSTORキーが存在しないことがあります。
解決方法:
- 一度USBメモリを接続してドライバーをインストール
- ドライバーインストール後にレジストリを編集
- その後、Start値を4に変更
グループポリシーエディターが見つからない
原因:
Windows Homeエディションには、グループポリシーエディター(gpedit.msc)が搭載されていません。
解決方法:
- レジストリエディターを使用する方法に切り替える
- Windows Pro/Enterprise/Educationエディションへのアップグレードを検討
BIOS設定でUSBオプションが見つからない
原因:
一部のBIOS/UEFIでは、USBポートの無効化オプションが提供されていない場合があります。
解決方法:
- BIOSファームウェアを最新版にアップデート
- OS側での制御(レジストリまたはグループポリシー)を使用
設定変更後もUSBメモリが使える
原因:
無効化の設定が正しく反映されていない可能性があります。
確認項目:
- パソコンを再起動したか
- レジストリの値は正しく4に設定されているか
- グループポリシーで正しいポリシーを有効化したか
- 管理者権限で作業を行ったか
まとめ
WindowsでUSBポートを無効化・有効化する方法について解説しました。
方法の選び方:
- 簡単に試したい → デバイスマネージャー
- USBストレージのみ無効化 → レジストリエディター(推奨)
- 組織全体で管理 → グループポリシーエディター
- 最も厳格な制御 → BIOS/UEFI設定
重要なポイント:
- レジストリ編集前は必ずバックアップを作成
- Start値: 3=有効、4=無効
- グループポリシーはWindows Homeでは使用不可
- BIOS設定はキーボード・マウスにも影響する可能性あり
適切な方法を選択し、セキュリティと利便性のバランスを取りながら、効果的なUSBポート管理を実現してください。
参考情報
この記事は、以下の公式情報とセキュリティベストプラクティスに基づいて作成しています:
- Microsoft サポート – USB デバイスの取り外しまたは挿入後 USB ポートが機能しなくなることがある
- Windowsセキュリティ設定に関する複数の技術文書
最終更新日: 2025年2月14日

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