「ネットで検索した商品の広告がずっと追いかけてくる」「どこを見ても自分の好きなものの広告ばかり表示される」
こんな経験はありませんか。
実は、私たちがウェブを閲覧するだけで、何十ものトラッカー(追跡技術)が情報を収集しています。
「プライバシーを守りたいけど、難しい設定は面倒」そんな方におすすめなのが、Epic Privacy Browserです。
この記事では、Epic Browserの基本から特徴、メリット・デメリット、他のプライバシーブラウザとの違いまで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
Epic Browser(Epic Privacy Browser)とは
Epic Browser(正式名称:Epic Privacy Browser)は、ユーザーのプライバシー保護を最優先に設計されたChromiumベースのウェブブラウザです。
読み方と正式名称
読み方: エピック・プライバシー・ブラウザ
略称: Epic Browser(エピック・ブラウザ)
正式名称: Epic Privacy Browser
基本情報
開発元: Hidden Reflex(インド企業)
創設者: Alok Bhardwaj(アロク・バードワジ)
初回リリース: 2013年
ベース: Chromium(Google Chromeと同じ)
ライセンス: 無料(フリーウェア)
対応OS: Windows、macOS、Linux、Android、iOS
公式サイト: https://epicbrowser.com/
Epic Browserの特徴
Epic Browserは、「設定不要でプライバシーが守られる」ことが最大の特徴です。
コンセプト:
- 常時プライベートブラウジングモード
- 広告・トラッカーを自動ブロック
- 閲覧履歴を保存しない
- 追加設定や拡張機能が不要
一般的なブラウザでは、プライバシーを守るために複雑な設定や拡張機能のインストールが必要です。
Epic Browserは、最初からプライバシー保護機能がすべて有効になっているため、誰でも簡単に使えます。
Epic Browserの歴史
Epic Privacy Browserの開発の背景と歴史を紹介します。
誕生の背景
2013年:
インド出身の起業家Alok Bhardwajが、Hidden Reflexを創業してEpic Browserを開発しました。
開発動機:
当時、プライバシー問題が深刻化していました。
GoogleやFacebookなどの大手企業が、ユーザーの閲覧履歴や検索履歴を大量に収集していることが明らかになりつつありました。
Alokは、「プライバシーは自由にとって不可欠なもの」という信念のもと、誰でも簡単にプライバシーを守れるブラウザを作ることを決意しました。
Chromiumベースの選択
Epic BrowserがChromiumをベースに選んだ理由は、以下の通りです。
メリット:
- 高速で安定したレンダリングエンジン
- セキュリティ機能が充実
- 多くのウェブサイトとの互換性
- 使い慣れたインターフェース
Epic Browserは、ChromiumからGoogleの追跡機能をすべて削除して、プライバシー保護機能を追加しています。
開発の変遷
初期(2013年〜):
史上初のプライバシー特化型Chromiumベースブラウザとして登場しました。
主な「初」の実績:
- 初のChromiumベースプライバシーブラウザ
- 初のトラッカーブロック機能内蔵ブラウザ
- 初のフィンガープリント保護機能搭載ブラウザ
- 初の暗号化プロキシ(VPN)内蔵ブラウザ
現在(2020年代):
デスクトップ版(Windows、macOS、Linux)とモバイル版(Android、iOS)を提供しています。
世界中で何百万人ものユーザーに利用されています。
Epic Browserの主要機能
Epic Browserの特徴的な機能を詳しく見ていきましょう。
1. 常時プライベートブラウジングモード
Epic Browserは、常にプライベートモードで動作します。
特徴:
- 閲覧履歴を保存しない
- ブラウザを閉じると、すべてのデータが自動削除される
- 設定を変更できない(常にプライベートモード)
削除されるデータ:
- 閲覧履歴
- 検索履歴
- Cookie(ファーストパーティーは一時的に保存)
- キャッシュ
- ログインデータ(保存を選択した場合は除く)
- ダウンロード履歴
- フォームデータ
- DNSキャッシュ
唯一残るのは、ブックマークと保存したパスワードだけです。
2. 広告・トラッカーブロック
Epic Browserは、uBlock Originをベースにしたカスタム広告ブロッカーを搭載しています。
ブロックする対象:
- 広告(バナー広告、ポップアップ広告)
- トラッキングスクリプト
- トラッキングCookie
- URLトラッカー
- クリプトマイニングスクリプト(仮想通貨マイニング)
- マルバタイジング(悪意のある広告)
- 超音波信号(スマホとの連携トラッキング)
効果:
平均的なウェブサイトで、約15個のトラッカーがブロックされます。
大規模なサイトでは、30個以上のトラッカーがブロックされることもあります。
3. フィンガープリント保護
フィンガープリント(デバイス指紋)は、Cookie以外の方法でユーザーを特定する技術です。
ブロックする技術:
- Canvas Fingerprinting(画像データを利用した識別)
- Font Fingerprinting(フォント情報を利用した識別)
- AudioContext Fingerprinting(音声処理を利用した識別)
- WebGL Fingerprinting(3D描画機能を利用した識別)
- その他数十種類のフィンガープリント技術
Epic Browserは、これらの技術をブロックすることで、Cookieなしでもユーザーを追跡しようとする試みを防ぎます。
4. 暗号化プロキシ(VPN機能)
Epic Browserには、暗号化プロキシ機能が搭載されていました。
注意:
デスクトップ版では、運用コスト増大のため、内蔵VPNは廃止されました。
現在は、Proton VPNやVeePN など、サードパーティのVPN拡張機能を使う必要があります。
モバイル版(Android/iOS):
一部のバージョンでは、引き続きVPN機能が提供されています(要確認)。
過去のVPN機能:
- 7カ国のサーバー(アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、シンガポール)
- IPアドレスの隠蔽
- 通信の暗号化
- 無料・無制限
5. HTTPS強制接続
Epic Browserは、可能な限りHTTPS(暗号化通信)で接続しようとします。
効果:
- 通信内容の盗聴を防ぐ
- 中間者攻撃を防ぐ
- ISP(インターネットサービスプロバイダー)からの監視を回避
6. リファラー情報の削除
リファラー(Referer)は、どのページから来たかを示す情報です。
Epic Browserの対策:
- リファラー情報を削除してからページを読み込む
- 検索エンジンから来たことを隠す
- トラッキングを防ぐ
7. DNSプリフェッチの無効化
DNSプリフェッチは、ページ読み込みを高速化する技術ですが、プライバシーリスクがあります。
Epic Browserの対策:
- DNSプリフェッチを無効化
- 訪問していないサイトへのDNS問い合わせを防ぐ
8. サードパーティーCookieのブロック
サードパーティーCookieは、広告会社などが追跡に使うCookieです。
Epic Browserの対策:
- サードパーティーCookieを完全ブロック
- ファーストパーティーCookieのみ許可(サイトが正常に動作するため)
9. リーダーモード
Epic Browserには、ウェブページを読みやすく表示するリーダーモードがあります。
機能:
- テキストのみ表示
- 音声読み上げ機能(TTS:Text-to-Speech)
- 広告や余計な要素を除去
10. トラッカーカウント機能
Epic Browserは、ブロックしたトラッカーの数を表示します。
表示内容:
- 現在のページでブロックしたトラッカー数
- 合計でブロックしたトラッカー数
効果:
どれだけ追跡されそうになったかを可視化できます。
Epic Browserのメリット
Epic Browserを使うメリットを紹介します。
1. 設定不要でプライバシー保護
最大のメリット:
インストールするだけで、すぐにプライバシー保護が有効になります。
他のブラウザとの比較:
- Chrome、Firefox:手動で設定変更や拡張機能インストールが必要
- Epic Browser:何もしなくても最初から保護される
2. Chromiumベースで使いやすい
利点:
- Google Chromeに似たインターフェース
- 操作方法がすぐわかる
- ウェブサイトの互換性が高い
- Chrome ウェブストアの拡張機能が使える(推奨されていない)
3. 高速なブラウジング
理由:
- 広告やトラッカーをブロックするため、ページ読み込みが速い
- 不要なスクリプトが実行されない
- 通信量が減る
4. 完全無料
料金:
- すべての機能が無料
- 有料プランはない
- アプリ内課金もない
例外:
Epic Search(独自検索エンジン)は、月額2.50ドルの有料サービスです。
5. クロスプラットフォーム対応
対応OS:
- Windows
- macOS
- Linux
- Android
- iOS
すべてのデバイスで同じプライバシー保護を受けられます。
6. データ収集ゼロ
Epic Browserの方針:
- ユーザーデータを一切収集しない
- 第三者にデータを販売しない
- 政府機関からのデータ要求にも応じない(データがないため)
7. トラッキング状況の可視化
効果:
どれだけ追跡されそうになったかを数字で確認できます。
例:
「今日だけで1,243個のトラッカーをブロックしました」
8. 価格操作を防ぐ
事実:
Consumer Reportsの調査によると、Cookieを定期的に削除するブラウザでは、航空券の価格が340ドル安くなったという結果が出ています。
理由:
多くのウェブサイトは、閲覧履歴や位置情報に基づいて価格を変動させています。
Epic Browserのデメリット
Epic Browserにもデメリットがあります。
1. 同期機能がない
制限:
- Googleアカウントやその他のアカウントとの同期機能がない
- 複数デバイス間でブックマークやパスワードを共有できない
対策:
- サードパーティの同期サービス(Raindrop.io、Bitwardenなど)を利用する
- 手動でエクスポート/インポートする
2. 拡張機能の使用が推奨されていない
理由:
拡張機能は、ブラウザの閲覧履歴にアクセスできるため、プライバシーリスクがあります。
制限:
- Chrome ウェブストアの拡張機能は技術的には使える
- しかし、Epic Browserの開発者は使用を推奨していない
3. VPN機能が廃止(デスクトップ版)
変更点:
運用コスト増大のため、デスクトップ版の内蔵VPNは廃止されました。
対策:
サードパーティのVPN拡張機能を利用する必要があります。
4. 一部のウェブサイトが動作しない可能性
原因:
厳格なトラッカーブロックやJavaScript制限により、一部のサイトが正常に動作しないことがあります。
対策:
- サイトごとにトラッカーブロックを無効化できる
- 設定で調整可能
5. 履歴が残らない
メリットでもあるが:
閲覧履歴が保存されないため、「あのサイト、もう一度見たいな」という時に困ります。
対策:
- 重要なサイトはブックマークする
- リーダーモードで保存する
6. 速度がやや遅い(一部レビュー)
報告:
一部のレビューでは、Epic Browserは他のブラウザと比べてやや遅いという報告があります。
理由:
- トラッカーブロックの処理
- プライバシー保護機能のオーバーヘッド
体感:
ただし、広告やトラッカーがブロックされるため、多くの場合はむしろ速く感じます。
7. 認知度が低い
事実:
Chrome、Firefox、Brave、Edgeなど、他のブラウザと比べて知名度が低いです。
影響:
- 情報が少ない
- コミュニティが小さい
- 日本語情報が少ない
他のプライバシーブラウザとの比較
Epic Browserと他のプライバシー重視ブラウザを比較します。
Epic Browser vs Brave
Brave:
- Chromiumベース
- 広告ブロック、トラッカーブロック
- Torモード搭載
- 広告を見ると報酬(BAT:Basic Attention Token)がもらえる
- サードパーティーCookieを許可
- 閲覧履歴を保存する
- 拡張機能を自由にインストールできる
Epic Browser:
- Chromiumベース
- 広告ブロック、トラッカーブロック、フィンガープリント保護
- 常時プライベートモード
- サードパーティーCookieを完全ブロック
- 閲覧履歴を保存しない
- 拡張機能は推奨されていない
使い分け:
- より徹底したプライバシー保護が欲しい → Epic Browser
- 暗号通貨や拡張機能を使いたい → Brave
Epic Browser vs Firefox(プライバシー設定)
Firefox:
- 独自エンジン(Gecko)
- プライバシー設定をカスタマイズ可能
- トラッキング防止機能
- 拡張機能が豊富
- オープンソース
Epic Browser:
- Chromiumベース
- 設定不要でプライバシー保護
- より徹底したトラッカーブロック
- プロプライエタリ
使い分け:
- カスタマイズ性を重視 → Firefox
- 簡単にプライバシーを守りたい → Epic Browser
Epic Browser vs Tor Browser
Tor Browser:
- 最高レベルの匿名性
- Torネットワーク経由で通信
- 非常に遅い
- 一部のサイトが使えない
Epic Browser:
- 高速
- 一般的なウェブサイトが快適に使える
- Torほどの匿名性はない
使い分け:
- 最高レベルの匿名性が必要 → Tor Browser
- 日常的な使用でプライバシーを守りたい → Epic Browser
Epic Browserの使い方
Epic Browserのインストール方法と基本的な使い方を紹介します。
インストール方法
Windows/macOS/Linux:
- https://epicbrowser.com/ にアクセス
- 「Download Epic」ボタンをクリック
- OSに応じたインストーラーをダウンロード
- インストーラーを実行
- インストール完了
Android:
- Google Playストアで「Epic Privacy Browser」を検索
- インストール
iOS:
- App Storeで「Epic Privacy Browser」を検索
- インストール
基本的な使い方
初回起動:
Epic Browserを起動すると、すぐにプライバシー保護が有効になります。
特別な設定は不要です。
新しいタブページ:
- お気に入りのリンクを登録できる
- ブロックしたトラッカー数が表示される
- 他のブラウザで追跡されている企業を確認できる
トラッカーブロックの確認:
ウィンドウの右下に、現在のページでブロックされたトラッカー数が表示されます。
設定の変更:
右上の「傘」アイコンをクリックすると、以下の設定ができます。
- Enable Plugins: プラグインを有効にするか
- Encrypted Data: HTTPS接続を強制するか
- Block Ads and Trackers: 広告とトラッカーをブロックするか(サイトごとに設定可能)
ブックマークとパスワード:
通常のブラウザと同じように、ブックマークとパスワードを保存できます。
これらは、ブラウザを閉じても残ります。
よくある質問
Q1. Epic Browserは安全ですか?
A: 基本的には安全です。
理由:
- オープンソースではないが、コードは公開されている
- DNS漏れテストに合格
- 重大なセキュリティ侵害の報告はない
- 開発者がプライバシーに強くコミットしている
注意点:
独立した第三者機関による包括的な監査結果は公開されていません。
Q2. Epic Browserは本当に無料ですか?
A: はい、完全に無料です。
すべての機能が無料で使えます。
有料プランやアプリ内課金はありません。
例外:
Epic Search(独自検索エンジン)は、月額2.50ドルの有料サービスです。
ただし、Yahoo Searchなど無料の検索エンジンも使えます。
Q3. Chrome ウェブストアの拡張機能は使えますか?
A: 技術的には使えますが、推奨されていません。
理由:
拡張機能は、ブラウザのすべての閲覧履歴にアクセスできるため、プライバシーリスクがあります。
Epic Browserは、拡張機能なしでプライバシー保護が完結するように設計されています。
Q4. Epic Browserは日本語に対応していますか?
A: はい、日本語に対応しています。
インターフェースは日本語で表示されます。
日本語のウェブサイトも問題なく閲覧できます。
Q5. Epic BrowserとGoogle Chromeはどちらが速い?
A: 状況によります。
Epic Browserが速い場合:
- 広告やトラッカーが多いサイト
- スクリプトが多いサイト
Google Chromeが速い場合:
- シンプルなサイト
- プライバシー保護機能のオーバーヘッドがない
一般的には、Epic Browserの方が体感速度は速いという意見が多いです。
Q6. スマートフォンでも使えますか?
A: はい、AndroidとiOSの両方で使えます。
Google PlayストアとApp Storeから無料でダウンロードできます。
まとめ
Epic Privacy Browserは、プライバシー保護に特化したChromiumベースのウェブブラウザです。
Epic Browserの特徴:
- 2013年、Hidden Reflex(インド企業)が開発
- Chromiumベースで使いやすい
- 常時プライベートブラウジングモード
- 広告・トラッカーを自動ブロック
- フィンガープリント保護
- 閲覧履歴を保存しない
- 設定不要でプライバシー保護
- 完全無料
主な機能:
- uBlockベースの広告ブロッカー
- フィンガープリント保護
- HTTPS強制接続
- リファラー情報削除
- サードパーティーCookieブロック
- トラッカーカウント表示
- リーダーモード(音声読み上げ対応)
Epic Browserが向いている人:
- プライバシーを重視する
- 簡単にプライバシーを守りたい(設定が面倒)
- 広告に追跡されたくない
- Chromiumベースのブラウザが好き
- 完全無料のブラウザを探している
Epic Browserが向いていない人:
- 複数デバイスで同期したい
- 拡張機能を使いたい
- 閲覧履歴を残したい
- VPN機能が必須(デスクトップ版では廃止)
Epic Browserは、「プライバシーを守りたいけど、難しい設定は面倒」という方に最適なブラウザです。
インストールするだけで、すぐにプライバシー保護が有効になります。
気になる方は、無料なのでぜひ一度試してみてください。
参考情報
この記事は、以下の信頼できる情報源を参照して作成しました。
- Epic Privacy Browser公式サイト
- Epic Privacy Browser – Key Features
- Epic Browser Review: Features, Usage, and Competition | TechRadar
- Epic Privacy Browser Review 2026 | Privacy Journal
- How Secure Is the Epic Privacy Browser? | VPN Overview
- Epic Privacy Browser – Google Play
- Epic Privacy Browser – App Store
- ソフタロウ – Epic Privacy Browser
最終更新日:2026年2月10日


コメント