インターネットを閲覧するためのWebブラウザと言えば、Google ChromeやMicrosoft Edge、Safariなどが有名ですが、「Opera(オペラ)」というブラウザをご存知でしょうか。
Operaは、1995年にノルウェーで開発が始まった歴史あるWebブラウザで、タブブラウジングやマウスジェスチャーなど、現在では当たり前となった多くの革新的な機能を生み出してきました。
内蔵VPN、広告ブロッカー、AI機能など、独自の機能を数多く備えているのが特徴です。
この記事では、Operaブラウザの歴史、特徴、メリット・デメリット、そして現在の状況について詳しく解説します。
Operaとは
Opera(オペラ)は、ノルウェーに本社を置くOpera Software ASA(現Opera Norway AS)が開発したWebブラウザです。
Windows、macOS、Linuxなど、さまざまなオペレーティングシステムに対応しています。
また、Android、iOS向けのモバイル版も提供されています。
Operaの開発元
Opera Software ASA(現Opera Norway AS):
1995年にノルウェーで設立されたソフトウェア会社です。
買収の歴史:
2016年に、中国企業のコンソーシアムに買収されました。
現在の所有者は、中国のインターネット企業グループです。
Operaの歴史
Operaは、30年以上の歴史を持つ老舗ブラウザです。
1990年代: 誕生と独自開発
1995年:
ノルウェーのテレノール社の研究プロジェクトとして、Operaの開発が始まりました。
1996年:
最初の一般公開版であるOpera 2.0がリリースされました。
独自開発の特徴:
Operaは、Netscape NavigatorやInternet Explorerなどが元にしていたNCSA Mosaicを受け継ぐのではなく、最初から独自に開発されました。
このため、「Netscape/Mozilla、Internet Explorerに続く第3のブラウザ」と呼ばれることがあります。
2000年代: Prestoエンジンの時代
2001年11月:
Opera 6がリリースされました。
Unicode対応、シングルドキュメントインターフェース(SDI)とマルチドキュメントインターフェース(MDI)の両方をサポートしました。
2003年1月:
Opera 7がリリースされました。
新しい「Presto」レイアウトエンジンが導入され、CSS、JavaScript、DOM(Document Object Model)のサポートが大幅に改善されました。
革新的な機能の導入:
Operaは、この時期に多くの革新的な機能を導入しました。
- タブブラウジング
- マウスジェスチャー
- スピードダイヤル(お気に入りサイトのサムネイル表示)
- ページのズーム機能
- 統合された電子メールクライアント(Opera Mail)
2010年代: Chromiumへの移行
2013年:
Operaは、独自エンジンPrestoからChromiumベースへの移行を決定しました。
Opera 15からChromiumエンジン(Blink)を使用するようになりました。
移行の理由:
- 開発コストの削減
- Webサイトとの互換性向上
- Chrome拡張機能のサポート
失われた機能:
Chromiumへの移行により、一部の独自機能が失われました。
- Opera Mail(統合メールクライアント)
- Opera Dragonfly(開発者ツール)
- 完全なカスタマイズ性
2016年:
中国企業のコンソーシアムに買収されました。
2020年代: AIと新機能の導入
2023年以降:
Opera AIであるAria(アリア)が導入されました。
チャット機能、画像生成、Web検索の支援などが可能になりました。
Opera One:
最新のOpera Oneでは、Tab Islands(タブの整理機能)、滑らかなアニメーション、クリーンなモジュラーデザインが採用されています。
Operaの主な特徴
Operaは、他のブラウザにはない独自の機能を数多く備えています。
内蔵VPN
無料のVPN機能:
Operaには、無料の内蔵VPN(Virtual Private Network)機能があります。
利点:
- オンライン上のアイデンティティとブラウジング活動を暗号化して保護
- IPアドレスを隠すことができる
- 地域制限されたコンテンツにアクセスできる
- ログを残さないサービス
使い方:
設定メニューから「詳細設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「VPN」を有効化するだけです。
広告ブロッカー
内蔵の広告ブロッカー:
Operaには、広告ブロック機能が標準で搭載されています。
メリット:
- 広告を非表示にできる
- ページの読み込み速度が向上する
- データ使用量を削減できる
Manifest V2のサポート継続:
2025年時点でも、Operaは従来の広告ブロッカー拡張機能(Manifest V2)のサポートを継続しています。
ChromeやEdgeでは、Manifest V3への移行により、一部の広告ブロッカーの機能が制限されていますが、Operaではこの影響を受けません。
Opera AI(Aria)
AIアシスタント:
Operaには、Aria(アリア)というAIアシスタントが内蔵されています。
機能:
- チャット機能(質問に答える)
- 画像生成
- Web検索の支援
- ページの要約
無料で利用可能:
Opera AIは、無料で利用できます。
スピードダイヤル
お気に入りサイトの表示:
新しいタブを開くと、あらかじめ登録した複数のWebサイトがサムネイルで表示されます。
クリックするだけで、そのサイトにアクセスできます。
サイドバー
便利なサイドバー機能:
Operaのサイドバーには、以下の機能があります。
- メッセンジャー(WhatsApp、Telegram、Facebookなど)
- ミュージックプレーヤー(Spotify、Apple Music、YouTube Musicなど)
- ニュース
- 履歴
- ブックマーク
利点:
複数のアプリケーションを切り替える手間を省き、すぐにこれらの機能にアクセスできます。
Flow(フロー)
デバイス間の同期:
Flowは、パソコンとスマートフォン間でリンク、メモ、ファイルを簡単に共有できる機能です。
使い方:
- パソコンとスマートフォンの両方にOperaをインストール
- QRコードを使ってデバイスを接続
- Flowにリンクやメモを送信
タブ管理
Tab Islands:
Opera Oneでは、Tab Islands機能により、タブを別々のグループに整理できます。
コンテキストに合わせてタブをグループ化することで、作業効率が向上します。
タブのサムネイル:
タブにマウスカーソルをポイントすると、ページの縮小画像(サムネイル)がポップアップします。
閉じたタブの復元:
誤って閉じたタブを一覧表示し、再度呼び出すことができます。
カスタマイズ
テーマとスキン:
Operaは、背景画像、配色設定などを自由にカスタマイズできます。
キーボードショートカット:
キーボードショートカットをカスタマイズし、ブラウザの操作をマウスなしで行えるように設定できます。
マウスジェスチャー
マウスの動きで操作:
マウスの右ボタンを押しながら、特定の方向にマウスを動かすことで、ブラウザを操作できます。
例:
- 右に動かす: 進む
- 左に動かす: 戻る
- 下に動かす: 新しいタブを開く
Operaのバリエーション
Operaには、用途別にいくつかのバリエーションがあります。
Opera(通常版)
対象:
一般的なユーザー向け
プラットフォーム:
Windows、macOS、Linux、Android、iOS
Opera GX
対象:
ゲーマー向け
特徴:
- CPU、RAM、ネットワークの使用量を制限できる
- ゲーミングデザイン(暗いテーマ、ネオンカラー)
- Twitch統合
- GX Corner(ゲーム関連のニュースやセール情報)
- Fake My History(履歴を偽装する機能)
- Panic Button(F12キーで即座にブラウザを隠す)
リリース:
2019年
Opera Mini
対象:
モバイルユーザー向け(データ通信量を節約したい人)
特徴:
- データ節約モードで最大90%のデータ節約
- 軽量(アプリサイズは約15MB)
- 内蔵広告ブロッカー
- ダウンロードマネージャー
- オフラインモード
プラットフォーム:
Android、iOS
Opera Neon
対象:
実験的な機能を試したいユーザー
特徴:
- 未来的なデザイン
- 新しいユーザーインターフェース
- 実験的な機能の先行テスト
Operaのメリット
メリット1: 無料のVPN
多くのVPNサービスは有料ですが、Operaの内蔵VPNは無料で利用できます。
プライバシー保護とセキュリティ向上に役立ちます。
メリット2: 広告ブロッカー
内蔵の広告ブロッカーにより、広告が表示されず、ページの読み込みが速くなります。
メリット3: 独自機能が豊富
Flow、スピードダイヤル、サイドバーなど、他のブラウザにはない独自機能が多数あります。
メリット4: カスタマイズ性
テーマ、キーボードショートカット、マウスジェスチャーなど、自分好みにカスタマイズできます。
メリット5: AI機能
内蔵のOpera AI(Aria)により、チャットや画像生成などをブラウザ内で行えます。
メリット6: データ節約(Opera Mini)
Opera Miniを使えば、モバイルデータ通信量を最大90%節約できます。
メリット7: リソース管理(Opera GX)
Opera GXでは、CPU、RAM、ネットワークの使用量を制限でき、他のアプリケーションやゲームのパフォーマンスに影響を与えません。
Operaのデメリット
デメリット1: 市場シェアが低い
2024年時点:
Operaの世界全体のデスクトップブラウザ市場シェアは約2.43%です。
影響:
- Webサイトの開発者がOperaでの動作確認を行わない場合がある
- 一部のWebサイトでは、Operaで正しく表示されないことがある
デメリット2: 中国企業による買収への懸念
2016年:
Operaは、中国企業のコンソーシアムに買収されました。
懸念:
- プライバシーやセキュリティに対する懸念
- データが中国政府に渡る可能性(実際に起きているかは不明)
- ユーザーからの信頼性の低下
デメリット3: 独自性の喪失
Chromiumへの移行:
2013年にChromiumベースに移行したことで、独自エンジンPrestoの利点が失われました。
問題:
- Chrome、Edge、Braveなどと基本的に同じエンジンを使用
- 差別化が困難
- 独自機能でしか差別化できない
デメリット4: Chrome拡張機能の互換性
問題:
Chromiumベースでありながら、一部のChrome拡張機能が正常に動作しないケースが報告されています。
デメリット5: 企業の信頼性への疑問
不正ローンアプリ問題:
ケニアなどのアフリカ諸国で、Opera関連企業が提供する不正ローンアプリの問題が発覚しました。
ユーザーの連絡先情報の不正収集、支払い遅延者への脅迫的なメッセージ送信などが報告されています。
影響:
企業グループ全体の信頼性に大きな疑問が投げかけられています。
デメリット6: 広告表示(Opera Mini)
Opera Miniの問題:
モバイル版のOpera Miniでは、全画面広告が表示されることがあります。
しかも、スキップボタンを押しても、別の広告に連鎖することがあります。
ユーザーの不満:
Google Playのレビューでは、広告に関する苦情が多数寄せられています。
Operaの使い方
ダウンロードとインストール
公式サイト:
https://www.opera.com/
手順:
- 公式サイトにアクセス
- 「今すぐダウンロード」ボタンをクリック
- ダウンロードしたインストーラーを実行
- 画面の指示に従ってインストール
履歴の表示
Windows/Linux:
- 「履歴」ボタンをクリック、または「Ctrl + H」キーを押す
macOS:
- 「履歴」ボタンをクリック、または「Command + Shift + H」キーを押す
Android/iOS:
- メニューボタン(三点アイコン)をタップ
- 「履歴」を選択
VPNの有効化
手順:
- Operaの設定を開く
- 「詳細設定」→「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「VPN」を有効化
広告ブロッカーの有効化
手順:
- Operaの設定を開く
- 「基本設定」→「広告をブロック」を有効化
Operaの代替ブラウザ
もしOperaに満足できない場合、以下のブラウザが代替として推奨されます。
Google Chrome
特徴:
- 世界シェアNo.1
- Google製の高速で安全なブラウザ
- 豊富な拡張機能
Mozilla Firefox
特徴:
- プライバシー重視
- オープンソース
- カスタマイズ性が高い
Microsoft Edge
特徴:
- Windows 10/11に標準搭載
- Chromiumベース
- Microsoft製品との統合
Brave
特徴:
- プライバシーとセキュリティに特化
- 広告ブロッカー内蔵
- 高速
まとめ
Opera(オペラ)は、1995年にノルウェーで開発が始まった歴史あるWebブラウザです。
主な特徴:
- 内蔵VPN(無料)
- 広告ブロッカー
- Opera AI(Aria)
- スピードダイヤル
- サイドバー
- Flow(デバイス間同期)
- タブ管理(Tab Islands)
- カスタマイズ性
- マウスジェスチャー
バリエーション:
- Opera(通常版)
- Opera GX(ゲーマー向け)
- Opera Mini(モバイル向け、データ節約)
- Opera Neon(実験版)
歴史:
- 1995年: 開発開始
- 1996年: 最初の一般公開版(Opera 2.0)リリース
- 2003年: Prestoエンジン導入(Opera 7)
- 2013年: Chromiumベースへの移行
- 2016年: 中国企業に買収
- 2023年以降: Opera AI(Aria)導入
メリット:
- 無料のVPN
- 広告ブロッカー
- 独自機能が豊富
- カスタマイズ性
- AI機能
- データ節約(Opera Mini)
- リソース管理(Opera GX)
デメリット:
- 市場シェアが低い(約2.43%)
- 中国企業による買収への懸念
- 独自性の喪失(Chromiumベース)
- Chrome拡張機能の互換性問題
- 企業の信頼性への疑問(不正ローンアプリ問題)
- 広告表示(Opera Mini)
代替ブラウザ:
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Microsoft Edge
- Brave
Operaは、タブブラウジング、マウスジェスチャー、スピードダイヤルなど、多くの革新的な機能を生み出してきた先駆的なブラウザです。
内蔵VPN、広告ブロッカー、AI機能など、独自の機能も魅力的です。
しかし、2016年の中国企業による買収以降、プライバシーやセキュリティに対する懸念が増しています。
また、Chromiumベースへの移行により、独自性が薄れた側面もあります。
現在の市場シェアは約2.43%と低く、Chrome、Edge、Safari、Firefoxなどの主流ブラウザに大きく差をつけられています。
Operaを使用するかどうかは、個人の好みと優先事項によります。
独自機能や無料VPNに魅力を感じる人には良い選択肢ですが、プライバシーや信頼性を最優先する人には、他のブラウザを検討することをお勧めします。

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