PCを使用していると、突然画面が勝手に上や下にスクロールしてしまい、作業ができなくなることがあります。
マウスやキーボードを操作していないのに、Webブラウザや設定画面が勝手にスクロールされる現象は、多くのWindowsユーザーが経験するトラブルです。
この記事では、PCが勝手にスクロールされる原因と、その解決方法を詳しく解説します。
実際のトラブル対応で効果があった方法を中心に、初心者でも実行できる手順を紹介します。
PCが勝手にスクロールされる主な原因

PCが勝手にスクロールされる現象には、ハードウェアとソフトウェアの両面で複数の原因が考えられます。
マウスの不具合
マウスに問題がある場合、特にスクロールホイール部分の故障や誤動作が原因でスクロールが発生します。
ホイールの内部センサーにゴミやほこりが詰まっていると、勝手にスクロール信号が送られることがあります。
また、マウスのドライバに不具合がある場合も同様の症状が現れます。
ワイヤレスマウスの場合、電池残量が少なくなると誤動作することがあります。
マウス本体の故障だけでなく、USBレシーバーの接続不良も原因になる可能性があります。
キーボードの不具合
キーボードの矢印キー(↑↓)やPageUp/PageDownキーが押しっぱなしの状態になっていると、画面が勝手にスクロールします。
キーの隙間にゴミやほこりが詰まり、物理的にキーが押された状態で固定されることがあります。
外付けキーボードを使用している場合、USBやBluetoothの接続に問題があると、誤った信号が送られることがあります。
タッチパッド・タッチスクリーンの誤動作
ノートPCのタッチパッドに何かが触れていたり、タッチパッド表面が汚れていたりすると、意図しないスクロール操作が発生します。
タッチパッドのドライバに不具合がある場合も、勝手にスクロールされる原因になります。
タッチスクリーン搭載のPCでは、画面の汚れや傷により、スクロール操作が誤認識されることがあります。
Windows設定の問題
Windows 10以降には「ホバーしたときに非アクティブウィンドウをスクロールする」という機能があります。
この機能がオンになっていると、マウスカーソルを重ねただけでウィンドウがスクロールされるため、意図しない動作に見えることがあります。
また、自動スクロール機能が有効になっている場合、マウスの中央ボタン(ホイールボタン)を押すと、マウスを動かした方向に画面が自動でスクロールされます。
Windowsアップデートの不具合
Windows Updateによって、マウスやキーボードのドライバに問題が発生することがあります。
特定の更新プログラムが原因で、スクロールが制御できなくなるケースが報告されています。
ゲームコントローラーの接続
Xbox コントローラーなどのゲームコントローラーがPCに接続されたままになっていると、スティックの傾きが検出され、スクロールとして認識されることがあります。
特にコントローラーを床に置いていて、スティックが傾いたままになっている場合に発生します。
PC本体の帯電
長時間の使用や静電気の影響により、PC内部に不要な電気が溜まることがあります。
帯電により、各種デバイスが誤動作を起こし、スクロールが制御できなくなることがあります。
ゴーストデバイスの存在
過去に接続したマウスやキーボードのドライバが、デバイスを取り外した後もWindowsに認識されたまま残っていることがあります。
これらの「ゴーストデバイス」が誤った信号を送り、スクロールの問題を引き起こす場合があります。
スクロールの問題を解決する方法
原因の切り分けと対処を順番に行うことで、問題を解決できます。
簡単な方法から順に試していきましょう。
基本的な対処法
まずは、以下の基本的な対処法を試してみてください。
多くの場合、これらの方法で問題が解決します。
PC再起動
Windowsやアプリケーションが一時的に誤動作を起こしている場合、再起動で改善する可能性があります。
- 「スタート」ボタンをクリックします。
- 電源アイコンをクリックします。
- 「再起動」を選択します。
再起動しても改善しない場合は、次の「完全シャットダウン」を試してください。
完全シャットダウン
通常のシャットダウンでは、一部のシステム情報が保持されたままになります。
完全シャットダウンでは、すべての情報をクリアしてシャットダウンします。
- 「スタート」ボタンをクリックします。
- 電源アイコンをクリックします。
- キーボードの「Shift」キーを押しながら「シャットダウン」をクリックします。
- PCが完全にシャットダウンされるまで待ちます。
- 電源ボタンを押してPCを起動します。
接続デバイスの確認
マウス、キーボード、ゲームコントローラーなど、すべての外付けデバイスを一度取り外してみます。
- マウスのUSBケーブルまたはレシーバーを取り外します。
- 外付けキーボードを取り外します。
- ゲームコントローラーを取り外します。
- 問題が解決するか確認します。
デバイスを取り外した状態で問題が解決した場合、そのデバイスが原因です。
一つずつ接続し直して、どのデバイスが原因かを特定してください。
マウス関連の対処法
マウスが原因と判明した場合、以下の方法を試してください。
マウスの接続し直し
- マウスのUSBケーブルまたはレシーバーを抜きます。
- 2〜3分待ちます。
- 別のUSBポートに接続し直します。
- 問題が解決したか確認します。
この単純な方法で、多くの場合問題が解決します。
マウスホイールの清掃
スクロールホイールにゴミやほこりが詰まっている可能性があります。
- マウスの電源を切ります(ワイヤレスマウスの場合)。
- スクロールホイール部分を、エアダスターで吹き飛ばします。
- ホイールを何度か回転させて、内部のゴミを出します。
- 柔らかい布でホイール周辺を拭きます。
エアダスターがない場合は、乾いた綿棒で軽く拭いても効果があります。
自動スクロールの解除
マウスの中央ボタン(ホイールボタン)を押すと、自動スクロールが有効になることがあります。
マウスポインターが上下方向の三角形になっている場合、自動スクロールが有効です。
- スクロールホイール(中央ボタン)を押します。
- 自動スクロールが解除されます。
ワイヤレスマウスの電池交換
ワイヤレスマウスを使用している場合、電池残量を確認してください。
- マウス裏面のカバーを開けます。
- 電池を新しいものに交換します。
- カバーを閉じて、問題が解決したか確認します。
マウスの交換
別のマウスがある場合、交換して問題が解決するか確認してください。
交換したマウスで問題が解決した場合、元のマウスの故障が原因です。
キーボード関連の対処法
キーボードが原因と判明した場合、以下の方法を試してください。
キーボードの接続し直し
- キーボードのUSBケーブルまたはレシーバーを抜きます。
- 2〜3分待ちます。
- 別のUSBポートに接続し直します。
- 問題が解決したか確認します。
押しっぱなしキーの確認
矢印キー(↑↓)やPageUp/PageDownキーが押しっぱなしになっていないか確認します。
- すべてのキーを何度か押してみます。
- 特に矢印キーとPageUp/PageDownキーを重点的に押します。
- キーが戻るか確認します。
キーが凹んだまま戻らない場合は、キーの清掃または交換が必要です。
キーボードの清掃
キーの隙間にゴミやほこりが詰まっている場合があります。
- キーボードを裏返して、軽く振ります。
- エアダスターでキーの隙間を吹きます。
- 柔らかいブラシで表面を清掃します。
ワイヤレスキーボードの電池交換
ワイヤレスキーボードの場合、電池を交換してみます。
- キーボード裏面のカバーを開けます。
- 電池を新しいものに交換します。
- カバーを閉じて、問題が解決したか確認します。
タッチパッド関連の対処法(ノートPC)
ノートPCのタッチパッドが原因の場合、以下の方法を試してください。
タッチパッドの清掃
タッチパッド表面にゴミや汚れが付着している可能性があります。
- 柔らかく乾いた布でタッチパッドを拭きます。
- アルコールを少し湿らせた布で軽く拭きます。
- 完全に乾燥させてから使用します。
タッチパッドの無効化
外付けマウスを使用する場合、タッチパッドを無効化できます。
Windows 11の場合:
- 「スタート」→「設定」を開きます。
- 「Bluetoothとデバイス」をクリックします。
- 「タッチパッド」をクリックします。
- 「タッチパッド」をオフにします。
Windows 10の場合:
- 「スタート」→「設定」を開きます。
- 「デバイス」をクリックします。
- 「タッチパッド」をクリックします。
- 「タッチパッド」をオフにします。
Windows設定の変更
Windows側の設定が原因の場合、以下の方法で解決できます。
非アクティブウィンドウスクロール設定のオフ
この機能がオンになっていると、意図しないスクロールが発生することがあります。
Windows 11の場合:
- 「スタート」→「設定」を開きます。
- 「Bluetoothとデバイス」をクリックします。
- 「マウス」をクリックします。
- 「ホバーしたときに非アクティブウィンドウをスクロールする」をオフにします。
Windows 10の場合:
- 「スタート」→「設定」を開きます。
- 「デバイス」をクリックします。
- 「マウス」をクリックします。
- 「ホバーしたときに非アクティブウィンドウをスクロールする」をオフにします。
デバイスドライバの再インストール
ドライバに問題がある場合、再インストールで解決することがあります。
マウスドライバの再インストール
- 「スタート」を右クリックして「デバイスマネージャー」を開きます。
- 「マウスとそのほかのポインティングデバイス」を展開します。
- マウスのデバイスを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
- 確認画面で「アンインストール」をクリックします。
- PCを再起動します。
- 再起動後、Windowsが自動的にドライバをインストールします。
キーボードドライバの再インストール
- 「スタート」を右クリックして「デバイスマネージャー」を開きます。
- 「キーボード」を展開します。
- キーボードのデバイスを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
- 確認画面で「アンインストール」をクリックします。
- PCを再起動します。
- 再起動後、Windowsが自動的にドライバをインストールします。
ゴーストデバイスの削除
過去に接続したデバイスのドライバが残っている場合があります。
- 「スタート」を右クリックして「デバイスマネージャー」を開きます。
- 上部メニューの「表示」をクリックします。
- 「非表示のデバイスの表示」をクリックします。
- 「マウスとそのほかのポインティングデバイス」を展開します。
- 薄く表示されているデバイス(現在接続されていないデバイス)をすべて削除します。
- PCを再起動します。
タッチスクリーンドライバの無効化
タッチスクリーン搭載PCの場合、ドライバを無効化すると問題が解決することがあります。
- 「スタート」を右クリックして「デバイスマネージャー」を開きます。
- 「ヒューマンインターフェイスデバイス」を展開します。
- 「HID準拠タッチスクリーン」を右クリックします。
- 「デバイスを無効にする」を選択します。
- 確認画面で「はい」をクリックします。
PC本体の放電処理
PC内部に溜まった静電気を放出することで、誤動作が解消されることがあります。
デスクトップPCの場合:
- PCの電源を完全に切ります。
- 電源ケーブルをコンセントから抜きます。
- 電源ボタンを15秒間長押しします。
- 5分以上待ちます。
- 電源ケーブルを接続し直します。
- PCを起動します。
ノートPCの場合:
- PCの電源を完全に切ります。
- ACアダプターを抜きます。
- バッテリーを取り外します(取り外せる場合)。
- 電源ボタンを15秒間長押しします。
- 5分以上待ちます。
- バッテリーとACアダプターを接続し直します。
- PCを起動します。
Windowsアップデートのアンインストール
最近Windows Updateを実行した後に問題が発生した場合、更新プログラムをアンインストールすると解決することがあります。
- 「スタート」→「設定」を開きます。
- 「Windows Update」をクリックします。
- 「更新の履歴」をクリックします。
- 「更新プログラムのアンインストール」をクリックします。
- 最新の更新プログラムを右クリックします。
- 「アンインストール」をクリックします。
- PCを再起動します。
システムの復元
上記の方法で解決しない場合、問題が発生する前の状態に復元できます。
- 「スタート」を右クリックします。
- 「システム」を選択します。
- 「システムの保護」をクリックします。
- 「システムの復元」ボタンをクリックします。
- 問題が発生する前の復元ポイントを選択します。
- 画面の指示に従って復元を実行します。
システムの復元を実行すると、選択した日時以降にインストールしたプログラムが削除される可能性があります。
個人ファイル(ドキュメント、写真など)は影響を受けません。
ブラウザごとの特有の問題

特定のブラウザでのみスクロールの問題が発生する場合があります。
Google Chrome・Microsoft Edge
Chromiumベースのブラウザでは、拡張機能が原因でスクロールの問題が発生することがあります。
シークレットモードで確認
- ブラウザを開きます。
- Ctrl + Shift + N キーを押してシークレットウィンドウを開きます。
- 問題が発生するか確認します。
シークレットモードで問題が発生しない場合、拡張機能が原因です。
拡張機能の無効化
- ブラウザの右上の三点アイコンをクリックします。
- 「拡張機能」→「拡張機能を管理」を選択します。
- すべての拡張機能を無効にします。
- 問題が解決したか確認します。
- 拡張機能を一つずつ有効にして、原因を特定します。
Firefox
Firefoxでも同様に、アドオンが原因の場合があります。
セーフモードで起動
- Firefoxを終了します。
- Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「firefox.exe -safe-mode」と入力してEnterキーを押します。
- 「セーフモードで起動」を選択します。
- 問題が発生するか確認します。
セーフモードで問題が発生しない場合、アドオンかテーマが原因です。
特定の画面でのみスクロールする場合
Windows設定画面やスタートメニューなど、特定の画面でのみスクロールが発生する場合があります。
システムUI固有の問題
一部のユーザーから、Windows設定画面や音量調整画面など、Windowsのシステム画面でのみスクロールが発生するという報告があります。
この場合、ブラウザやエクスプローラーでは正常に動作します。
この問題の原因は、Windowsの内部的な不具合やデバイスドライバの競合である可能性が高いです。
対処法
- すべての外部デバイスを取り外します。
- デバイスマネージャーでドライバを再インストールします。
- Windows Updateを確認し、最新の状態にします。
- 問題が解決しない場合は、システムの復元を検討してください。
予防策と日常的なメンテナンス
スクロールの問題を予防するために、以下の対策を実施しましょう。
定期的な清掃
マウスとキーボードは定期的に清掃しましょう。
- 週に一度、エアダスターでゴミを吹き飛ばします。
- 月に一度、アルコールで表面を拭きます。
- 特にスクロールホイールとキーの隙間は念入りに清掃します。
デバイスドライバの更新
デバイスドライバは定期的に更新しましょう。
- 「スタート」を右クリックして「デバイスマネージャー」を開きます。
- 各デバイスを右クリックして「ドライバーの更新」を実行します。
または、メーカーの公式サイトから最新ドライバをダウンロードします。
静電気対策
特に冬場など空気が乾燥する時期は、静電気対策を行いましょう。
- 部屋の湿度を40%以上に保ちます。
- 定期的にPC周辺のほこりを掃除します。
- 帯電防止マットの使用を検討します。
Windows Updateの管理
Windows Updateは定期的に実行しますが、問題が発生した場合はアンインストールできるように、更新履歴を確認しておきましょう。
トラブルシューティングのフローチャート
問題解決の手順を整理すると、以下のようになります。
- PC再起動・完全シャットダウン
- 解決 → 終了
- 未解決 → 2へ
- 外部デバイスをすべて取り外し
- 解決 → デバイスを一つずつ接続して原因特定
- 未解決 → 3へ
- Windows設定の確認(非アクティブウィンドウスクロールをオフ)
- 解決 → 終了
- 未解決 → 4へ
- デバイスドライバの再インストール
- 解決 → 終了
- 未解決 → 5へ
- 放電処理
- 解決 → 終了
- 未解決 → 6へ
- ゴーストデバイスの削除
- 解決 → 終了
- 未解決 → 7へ
- システムの復元
- 解決 → 終了
- 未解決 → サポートに連絡
まとめ
PCが勝手にスクロールされる問題は、マウス、キーボード、タッチパッド、Windows設定など、様々な原因で発生します。
多くの場合、デバイスの接続し直しやドライバの再インストール、Windows設定の変更で解決できます。
問題解決のポイントは、原因の切り分けを丁寧に行うことです。
まずは外部デバイスを取り外して、ハードウェアとソフトウェアのどちらに問題があるかを特定してください。
その後、該当する対処法を順番に試していきましょう。
基本的な対処法で解決しない場合でも、放電処理やゴーストデバイスの削除など、あまり知られていない方法が効果的な場合があります。
システムの復元は最終手段として残しておき、それでも解決しない場合はメーカーのサポートに連絡することをお勧めします。
日常的な清掃とメンテナンスを行うことで、このようなトラブルを予防できます。
特にマウスのスクロールホイールとキーボードのキーの隙間は、定期的に清掃しましょう。


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