ジブリ効果(ジブリの呪い)とは?株価が動く都市伝説を徹底解説

雑学

「金曜日にジブリが放送されると株が下がる」——そんな噂を聞いたことはありませんか?
投資家の間では「ジブリの呪い」「ジブリの法則」として知られるこの現象、実は海外メディアでも報道されるほど有名なアノマリーなんです。

でも本当にジブリと株価に関係があるのでしょうか?
単なる迷信なのか、それとも何か理由があるのか——この記事で詳しく見ていきましょう。

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ジブリ効果(ジブリの呪い)とは何か

結論から言うと、ジブリ効果(ジブリの呪い)とは、金曜ロードショーでスタジオジブリ作品が放送されると、為替相場や株式市場が大きく変動しやすいという現象のことです。
特に円高・株安方向に動きやすいとされ、投資家の間で警戒されてきました。

このアノマリーが広まったのは2006年頃からで、2008年のリーマンショック前後から特に注目されるようになったとされています。
2013年にはアメリカの経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が「Curse of Ghibli」として報道し、国際的にも話題になりました。

アノマリーとは、理論的には説明できないけれど経験的に観測される規則性のこと。
「セル・イン・メイ(5月に売れ)」や「節分天井・彼岸底」などと同じく、科学的根拠はないものの投資家の間で語り継がれる法則の一つなんですね。

どれくらい当たっていたのか?過去のデータを検証

実際にどの程度的中していたのか、具体的なデータを見てみましょう。

最盛期(2010〜2013年)の的中率

ジブリの呪いが最も注目されていた2010年から2013年の期間では、かなり高い的中率を記録していました。

2010年1月から2013年7月までの統計によると:

  • ジブリ作品が24回放映された
  • そのうち約2/3(16回程度)で翌営業日に円高が発生
  • 約半数(12回程度)で株価が下落

さらに注目すべきは、米雇用統計の発表日とジブリ放送が重なった場合です。
この3年間で雇用統計と重なった日に限定すると、なんと約90%の確率で「円高・株安」という法則通りの結果になったとされています。

一方、同じ期間中に雇用統計が発表された日だけで見た場合、市況の悪化は全体の59%の日でしか見られなかったことから、「ジブリ放送日は特別」という見方が広まったわけです。

的中率の低下(2013年以降)

ところが、2013年にWSJが大々的に報じた後、的中率は急激に低下します。

2013年9月から2016年7月までのデータでは:

  • ジブリ作品放送後の円相場は17回中12回が円安
  • 的中率は約3割にまで低下

この頃から「ジブリの呪いは終わった」という声が増え始めました。

近年(2018〜2025年)の検証結果

それでは最近はどうなのでしょうか?

2018年から2024年9月までの検証によると:

ジブリ放送全体(49回)

  • ドル円: 上昇22回、下落27回(下落率約55%)
  • 日経平均: 上昇26回、下落23回(下落率約47%)

雇用統計と重なった場合(14回)

  • ドル円: 上昇4回、下落10回(下落率約71%)
  • 日経平均: 上昇7回、下落7回(下落率50%)

ドル円については雇用統計と重なった場合に限れば、まだ70%程度の的中率を保っていますが、日経平均については明確な傾向は見られません。

直近の動き(2023〜2025年)

2023年7月から2025年1月までの直近10回を見ると:

  • 6回が前日比プラス
  • 合算した騰落率は+2.81%

少なくとも、ここ1年半は「ジブリの呪い」は出現していないようです。

放送日作品名翌営業日の日経平均(前日比)
2023年7月10日風の谷のナウシカ−0.61%
2023年7月18日コクリコ坂から+0.31%
2023年7月24日もののけ姫+1.23%
2024年1月9日千と千尋の神隠し+1.16%
2024年3月18日アーヤと魔女+2.67%
2024年3月25日魔女の宅急便−1.16%
2024年5月7日猫の恩返し+1.57%
2024年8月26日となりのトトロ−0.66%
2024年9月2日天空の城ラピュタ+0.14%
2025年1月14日ハウルの動く城−1.83%

なぜジブリと株価が結びついたのか?

理論的な因果関係がないのに、なぜこのような現象が観測されるのでしょうか?
実はいくつかの合理的な理由が考えられます。

理由1:米雇用統計との重なり

最も有力な説は、米雇用統計の発表時間とジブリ放送時間が重なることです。

米雇用統計は毎月第1金曜日の22:30(サマータイム時は21:30)に発表される、世界で最も重要な経済指標の一つ。
一方、金曜ロードショーの放送時間は金曜日の21:00〜23:00前後です。

つまり、ちょうど重なるんですね。

雇用統計は失業率や非農業部門雇用者数など、アメリカの雇用状況を示す統計で、予想と実際の数字が大きくずれると為替が数十pips〜1円程度動くこともある一大イベントなんです。

ジブリ放送と雇用統計が重なった日に相場が荒れるのは、実際にはジブリのせいではなく雇用統計の影響だったというわけです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」のような、偶然の重なりが生んだジンクスだったんですね。

理由2:金曜日特有の市場心理

金曜日は週末を控えているため、投資家が慎重になる傾向があります。

株式市場には「金曜日は出来高(取引数量)が最も大きくなる」というアノマリーがあり、出来高が大きい日は値動きも大きくなりやすいとされています。

週末にポジションを持ち越したくない投資家が、金曜日のうちに決済することで市場が動きやすくなるというわけです。

理由3:自己実現的予言

興味深いのは、「ジブリの呪い」が有名になったことで、それ自体が市場に影響を与えた可能性があることです。

多くの投資家がこのアノマリーを信じて行動すれば、その投資行動が結果的にマーケットに反映されます。
実際、産経新聞の調査では外資系金融機関の為替ディーラーが「単なる偶然と一蹴するには無理があるほどの的中率で、結構まじめに悩んでいる」と回答したこともあったそうです。

プロのディーラーの中にも、この法則に従って投資行動を取る人がいたほか、個人投資家の中には大損を避けるためにジブリ放送日前にポジションを閉じる人もいたとか。

ただし、2013年にWSJが大々的に報じた後に的中率が下がったのは、多くの人が注目しすぎて逆に動いたのか、あるいは単に偶然の一致が終わっただけなのか——真相は謎のままです。

現在のジブリ効果:注目度は低下傾向

近年のデータを見る限り、ジブリの呪いの的中率は明らかに低下しています。
2015年頃から「ジブリの法則を取り沙汰する市場関係者は減少している」と報じられるようになりました。

それでも完全に忘れ去られたわけではなく、日本経済新聞などでは「今でも市場関係者には、ジブリ作品の放送と米国雇用統計の発表が重なる日は、どこか緊張をもって迎えるものも居る」と報道されています。

メディアや当事者の反応

興味深いのは、関係者の反応です。

WSJが取材した際、日本テレビの広報部は「コメントに値しない」と回答を拒否。
一方、スタジオジブリは「市場でそのようなうわさが広がっていることには気付いている」とコメントしたものの、見解は示しませんでした。

2015年にはテレビ東京の経済番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」でも検証が行われ、「雇用統計の発表日にジブリの放送があると景気が悪くなる」という趣旨の報道がなされています。

ジブリ効果から学ぶべきこと

ジブリの呪いの真相は、おそらく「米雇用統計という重要イベントとの偶然の重なり」だったのでしょう。

でも、この現象から学べることがあります:

市場は合理的だけど、参加者の心理も影響する
多くの人が信じるアノマリーは、それ自体が市場を動かす力を持つことがある。

相関関係と因果関係は違う
ジブリと株価に相関が見られても、それは因果関係を意味しない。

アノマリーの過信は禁物
一時的に当たっていても、それが永続するとは限らない。投資判断は総合的な情報に基づいて行うべき。

でも、話のネタとしては面白い
金融の世界にもユーモアがあっていい。ただし、それはあくまで話のネタで、投資判断の中心にすべきではありません。

実際、東洋経済オンラインでは「もちろんこれは話のネタ以上の意味はない」と明言しています。

まとめ

ジブリ効果(ジブリの呪い)についてのポイントをまとめます:

  • 金曜ロードショーのジブリ放送時に為替・株式市場が荒れやすいとされるアノマリー
  • 2010〜2013年頃は高い的中率を記録し、特に米雇用統計と重なった場合は90%の確率で円高・株安に
  • 実際の理由は「米雇用統計の発表時間とジブリ放送時間の重なり」である可能性が高い
  • 2013年以降は的中率が大幅に低下し、最近では明確な傾向は見られない
  • 一部の投資家は今でも気にしているが、市場全体の注目度は低下している
  • アノマリーは参考程度にとどめ、過信は禁物

次回、金曜ロードショーでジブリ作品が放送されるとき、株価の動きをチェックしてみるのも面白いかもしれません。
もちろん、投資判断はあくまで総合的な情報に基づいて行うべきですが、こうした市場の面白い現象を知っておくのも投資の楽しみの一つですね。

参考情報

この記事の作成にあたり、以下の情報源を参照しました:

さらに詳しく知りたい方へ:

  • 各種FX・投資情報サイトの「アノマリー」特集
  • 金曜ロードショーの放送スケジュールと米雇用統計カレンダーの照合
  • 日経平均株価・ドル円の過去チャート分析

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